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吟遊詩人の忘れ語り

-皓狐と惑志の至宝-

作者: -Sare-
掲載日:2016/05/27

 今日は今日は。今年ももう直ぐ終わりますね。ほんと忙しい、此が師走と言う奴か。知りたくなかったこんな現実。

 ともあれ話は書く余裕はある訳で・・・いやほんとは寝る間も惜しんでるんだよ?でも寝るより趣味が大事でしょ?小説にゲームに漫画に猫に・・・あ―ほんと忙しい、幸せです。

 さてそんなこんなでリア充を満喫している筆者の今回の御話は狐の話です。今回は少しばかり今迄の幻獣と違う話になりました。何処が、は読んで頂ければ分かるかと思いますが。

 でも狐って良いですよね、妖怪とか色々いるし。今回出るのは皓狐(特に変な読み替えも無いと言う)ですが他にも有名所なら九尾だとか、天狐だとか、絳狐黔狐とかとか・・・。

 あの賢そうな御顔と野生を忘れない聡い瞳、モフモフ・・・可愛いなぁ本当。

 でも残念乍らそんな良い話を書く訳ではありません。まぁでも今回のは其処迄Badにはならないけれど、でも可愛い丈で良い話は出来ない訳で。

 狐って聞くと皆さんは何を思いますか?今回はそんなごく当たり前の御話です。よくある狐と人の昔話。

 万物(バンブツ)には全(スべ)て使命(シメイ)元(モト)い存在(ソンザイ)意義(イギ)と呼(ヨ)ばれる物(モノ)があります

 其(ソレ)は前世(ゼンセ)からの契(チギ)りでもあるのでそうそう変(カ)える事(コト)は出来(デキ)ません

 つまり善人(ゼンニン)は善人(ゼンニン)で、悪人(アクニン)は悪人(アクニン)と言(イ)う事(コト)です

 表面(ヒョウメン)で幾(イク)ら繕(ツクロ)っても、中身(ナカミ)は変(カ)わらないのです

 だから偽善者(ギゼンシャ)が生(ウ)まれるのです

 さて、ある時(トキ)、一匹(イッピキ)の皓狐(ビャッコ)が森(モリ)でとある村人(ムラビト)に追(オ)いかけられていました

 然(ソ)う言(イ)えば狐(キツネ)の意義(イギ)は何(ナン)だったでしょうか

      ・・・・・

 皓狐(ビャッコ)は辺(アタ)りも見(ミ)ずに一心(イッシン)に走(ハシ)っていました

 村人(ムラビト)も又(マタ)、走(ハシ)っています

 年(トシ)経(ウ)る皓狐(ビャッコ)、片足(カタアシ)が罠(ワナ)に掛(カ)かった儘(ママ)なので、捕(ツカ)まるのも時間(ジカン)の問題(モンダイ)です

 皓狐(ビャッコ)が茂(シゲ)みの傍(ソバ)を通(トオ)った時(トキ)でした

 茂(シゲ)みから人(ヒト)の手(テ)が出(デ)て、皓狐(ビャッコ)を茂(シゲ)みへ引(ヒ)き入(イ)れようとしたのです

 驚(オドロ)きの余(アマ)り皓狐(ビャッコ)は声(コエ)も出(デ)ません

 其(ソ)の儘(ママ)茂(シゲ)みの中(ナカ)へ入(ハイ)ってしまいました

 皓狐(ビャッコ)を見失(ミウシナ)った村人(ムラビト)は、もっと山奥(ヤマオク)かもしれないと、走(ハシ)り去(サ)って行(ユ)きました


 さて、茂(シゲ)みの中(ナカ)では皓狐(ビャッコ)と一人(ヒトリ)の男(オトコ)が向(ム)き合(ア)っていました

 男(オトコ)が皓狐(ビャッコ)の足(アシ)に掛(カ)かった罠(ワナ)を外(ハズ)すと、皓狐(ビャッコ)は空中一(クウチュウイッ)回転(カイテン)して深(フカ)く御辞儀(オジギ)をしました

 私(アッシ)、今(イマ)の人間(ニンゲン)に捕(ツカ)まると狐裘(コキュウ)にされてしまうので、逃(ニ)げて来(キ)た由(ヨシ)であります、と皓狐(ビャッコ)は言(イ)います

 私(アッシ)、此処(ココ)数百年生(スウヒャクネンセイ)を受(ウ)けて参(マイ)りましたが、誰(ダレ)かに助(タス)けてもらったのは初(ハジ)めてです

 せやから私(アッシ)、旦那(ダンナ)さんの厚(アツ)い御恩(ゴオン)、決(ケッ)して忘(ワス)れはしないでしょう

 髭(ヒゲ)を捻(ヒネ)って皓狐(ビャッコ)は続(ツヅ)けます

 又(マタ)近々(チカヂカ)御会(オア)いする事(コト)もありやしょう

 本当(ホントウ)に有難(アリガト)う御座(ゴザ)いました、ではまぁ何(イズ)れ

 重(カサ)ねて何度(ナンド)も礼(レイ)を言(イ)った皓狐(ビャッコ)は又(マタ)深(フカ)く御辞儀(オジギ)をして何処(ドコ)かへ走(ハシ)り去(サ)って行(イ)きました

     ・・・・・

 次(ツギ)の日(ヒ)、男(オトコ)の家(イエ)をとんとんと叩(タタ)く者(モノ)があります

 男(オトコ)が扉(トビラ)を開(ア)けると、昨日(キノウ)の皓狐(ビャッコ)がいました

 早速(サッソク)会(ア)いましたね、旦那(ダンナ)さん

 私(アッシ)、一日(イチニチ)も早(ハヤ)く御礼(オレイ)がしたくてやって来(キ)た次第(シダイ)です、どうぞ上(ア)げて下(クダ)さいな

 男(オトコ)は承諾(ショウダク)し、皓狐(ビャッコ)はいそいそと居間(イマ)へ上(ア)がりました


 では見(ミ)ていただきやしょう

 皓狐(ビャッコ)が手(テ)を打(ウ)ち鳴(ナ)らすと、三(ミッ)つの箱(ハコ)が現(アラワ)れました

 何(ドレ)も迚(トテ)も美(ウツク)しい装飾(ソウショク)が施(ホドコ)されています

 男(オトコ)が目(メ)を見張(ミハ)っているのを得意(トクイ)そうに見(ミ)た皓狐(ビャッコ)は、片目(カタメ)を眇(スガ)めて言(イ)いました

 私(アッシ)、本当(ホントウ)に旦那(ダンナ)さんには感謝(カンシャ)しているのです、だから今(イマ)迄(マデ)人間(ニンゲン)から盗(ヌス)んだ物(モノ)の中(ナカ)で最(モット)も優(スグ)れていた三(ミッ)つを持(モ)って来(キ)ました

 一(ヒト)つ、旦那(ダンナ)さんに差(サ)し上(ア)げたいと存(ゾン)じます

 どうぞ、一(ヒト)つ選(エラ)んで下(クダ)さいな

 男(オトコ)はしめたと喜(ヨロコ)びました

 実(ジツ)の所(トコロ)、昨日(キノウ)男(オトコ)は皓狐(ビャッコ)を捕(ツカ)まえ狐裘(コキュウ)にしようと思(オモ)っていたのです

 其(ソレ)が誤(アヤマ)って逃(ニ)がしたと思(オモ)いきや、宝(タカラ)を持(モ)って来(キ)てくれたのですから、男(オトコ)は迚(トテ)も喜(ヨロコ)んだのでした


 取(ト)り敢(ア)えず、全(スベ)ての箱(ハコ)を開(ア)けてくれ、と男(オトコ)は言(イ)いました

 勿論(モチロン)、と皓狐(ビャッコ)が瞬(マバタ)きをすると、三(ミッ)つの箱(ハコ)が開(ヒラ)きました

 一(ヒト)つは貴石(キセキ)をあしらった王冠(オウカン)

 一(ヒト)つはぎっしりと詰(ツ)め込(コ)まれた金貨(キンカ)

 一(ヒト)つは玉(タマ)が生(ナ)ると言(イ)われる珠樹(シュジュ)

 男(オトコ)は何(ド)の宝(タカラ)にも目移(メウツ)りしました

 何(ドレ)も欲(ホ)しくて堪(タマ)らないのです

 一(ヒト)つなんて選(エラ)べません

 そして男(オトコ)はもう一(ヒト)つ丈(ダケ)欲(ホ)しい物(ブツ)がありました

 其(ソレ)を如何(ドウ)すれば手(テ)に入(ハイ)るのか、男(オトコ)は考(カンガ)えました

 そして終(ツイ)に考(カンガ)え付(ツ)きました

 男(オトコ)は立(タ)ち上(ア)がり、宝(タカラ)に近付(チカヅ)きました

 皓狐(ビャッコ)は満足気(マンゾクゲ)です


 男(オトコ)の驚(オドロ)き様(ヨウ)が堪(タマ)らなく嬉(ウレ)しいのです

 男(オトコ)は突然(トツゼン)小刀(コガタナ)を出(ダ)すと皓狐(ビャッコ)を斬(キ)り殺(ゴロ)しました

 声(コエ)を出(ダ)す暇(ヒマ)もありません

 真絳(マッカ)になって行(ユ)く皓狐(ビャッコ)を素早(スバヤ)く抱(カカ)えて、男(オトコ)は水(ミズ)の入(ハイ)った桶(オケ)へ皓狐(ビャッコ)を投(ナ)げ込(コ)みました

 もう大丈夫(ダイジョウブ)です

 後(アト)は血(チ)を洗(アラ)い流(ナガ)し、皮(カワ)を剥(ハ)ぐ丈(ダケ)です

 然(ソ)う、其(ソレ)が男(オトコ)の欲(ホ)しかった物(モノ)なのでした

 貴石(キセキ)の王冠(オウカン)、数多(アマタ)の金貨(キンカ)、珍(メズラ)しい珠樹(シュジュ)、そして皓狐(ビャッコ)の狐裘(コキュウ)

 男(オトコ)はもう一(イチ)度(ド)宝(タカラ)を見(ミ)ました

 すると如何(ドウ)でしょう

 王冠(オウカン)は苔(コケ)むした岩(イワ)に

 金貨(キンカ)は木(コ)の葉(ハ)に

 珠樹(シュジュ)は枯枝(カレエダ)に

 皓狐(ビャッコ)は布(ヌノ)切(ギ)れに

 其(ソレ)から二度(ニド)と、皓狐(ビャッコ)は男(オトコ)の前(マエ)には現(アラワ)れませんでした

 騙(ダマ)し、騙(ダマ)して、騙(ダマ)されて、人(ヒト)は矢張(ヤハ)り欲深(ヨクブカ)で、狐(キツネ)は矢張(ヤハ)り騙(ダマ)すのです


  -Fin-

 如何も如何も。ね、今回は其処迄Badではなかったでしょう。誰も死ななかったし。失ってもいないし、つまんないの。(コラ、此書いたの御前だろ。)

 今回はほんと当たり前の化かし合いの御話でした。人間の心ってのもとってもややこしいですよね。狐や狸や猫丈が化けられる者だなんて誰が言ったんだ。

 又機会があれば狐さんの御話は書きたいなぁ、もっと魅力を取り入れたい、モフモフしたい。

 でも次の子はもう決まっているのです。又々舞台は日本國。又もや有名な子が現れるでしょう。

 ではでは皆さん良い物語を。

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