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星天の霹靂  作者: 白州
プロローグ:いつか夢見た流れ星
1/22

前編:When you wish……

_____思えばそれは星天の霹靂(せいてんのへきれき)であり、

偶然にして必然の運命だったのである______







(Lost memory)




「……う、あ……おか、ぁ、さ……」



___あつ、い。……痛くて、苦しくて、……熱い。


今日は、お母さんとおでかけだったのに。七夕、わたしの誕生日。

きらきらした、大好きなお星さま。お母さんといっしょに、見に行こうって、言ったのに。

わたしたちが乗ってた車、何かにぶつかって、わたしは頭をぶつけて、それで……



「……ぅ…………?」



___あれ?お母さんは?


見つからない。車はぺちゃんこになってて、小さな隙間に、わたしはいた。

車から、降りちゃったのかな。

……探しに、行かなきゃ。


ぺちゃんこになった車だから、ドアもぐしゃぐしゃになってたけど、わたしが通れるくらいの隙間はあった。



「う、う………………」



体をぎゅうぎゅうにねじこんで、ようやく外に出た。

……どこかの崖の、下みたい。辺り一面、

草だらけ。……車は崖から、落ちたのかな。


車、ぷすぷす煙をあげてる。……何か、窓からはみだしてる。なんだろう………



「………!……ぁ、ぁ……」



う、で?



指の先、ちぎれそうな折り紙の指輪。せっかくのお出かけだから、特別な金色折り紙でお母さんに作ってあげたもの。



「…….ちぎれ、そう」



………これ、はお母さんなの?



「おかあさ_____!!!!」



ぼん、と大きな音がきこえた。車が、爆発した音だった。

近くにいたわたしに、わたしの体に、真っ赤な火が飛んできた。



「ぃ、っあ゛っっ!!!!!??…………ああ゛、ぁぁぁ、ぁぁぁあああ!!!あついあついあつい!!!!」



熱い。助けて、たすけて……誰か。


…………こんなに熱く感じるのは、なんで?

わたしの体がなんだか冷たい、から……?


必死に草むらを転げ回る。体をかきむしって、火を消していると、

ぬるりとしたものが手についた。

感覚は頭からした。


体についてた火がなんとか消えて、少しだけ落ちつく。

両手を見た。


血。絵の具でも出ないような、初めて見る赤色だった。

急に、怖くなる。

多分これは、命の色なんだ。これがどんどん流れていくから、

わたしの体は冷たくなるのかな。

………それに眠い。でも頭が痛いから、なかなか眠れなかった。


それでも頑張って寝ようとしたけど、それを許してくれないもう一つの赤色があった。


「ひっ………………!」


ごうごう、ごうごうと燃えて広がる火は、草むらを伝っていつの間にかわたしのすぐ側まで来ていた。暖かく感じるけど、きっと、また近づいたら怪我をする。

もう、火はこりごりだ。

………二度と近づきたくない。


___________逃げなきゃ。



どこか、この火が届かない遠くまで。

動け、動け、わたしの脚。

走って、走って、ずっとずーっと遠く、まで。






少女は走り始めた。

生きるために、………逃げるために。


______やがて少女はたどり着く。

彼の者が宴を催している「星詠の丘」の頂に。


___運命の邂逅を果たすまで、あと少し___







初めまして、しらす丼と申します!


短編小説や長編小説の設定等は考えてきましたが、本腰を入れて書く長編はこれが初となります!生暖かい目で見守ってくだされば幸いです。

ちなみにこの少女、5歳という設定ですが、精神年齢はやや高めです。この少女は誰か……それは中、後編を読んでからのお楽しみです!

コーヒー片手に暇つぶし程度に読んでいただければと思います!

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