第十一刀 颯汰想意
司書さんが放った一言は俺にとって衝撃的だった。
魔法で料理を生み出す、そんな事は考えても見ない事だから、だって魔法で料理を生み出すってもうそれは『料理』でも何でもないじゃないか。
人が食材を自身の手で作り上げるからこその料理なのだ、そんな魔法なんて訳の分からないもので代用していいはずがない。
これは自分の持論になるが、料理というのはどんな思いであれ人の【想い】が込められているものだと思っている。
それは人の為であったり、中にはお金の為だと言う人もいる。
人によって様々ではあるが、料理には必ず【想い】が篭ってる、なのにそんな魔法でなんて…そんなの想いじゃなくて魔力しか込められてない。
想いが篭っていない料理を食べたって満足しないのは当たり前だ。
「味が極端に薄かったのは魔力では味を完成品に近づけることが出来なかったからなんだ、でも魔力で作ったのならその元になる食材はどこから…」
そう悩み始めた司書さんに厨房で見たことを伝える。
「恐らくは、材料は用意していたものと考えていいでしょう。魔力で材料まで生みだすなんて流石にできるわけが無い」
「多分材料は市場で売っている正規の値段のものではないと思います、恐らくは味を感じられる最低ランクの品かと」
「スラムの市場ならその可能性も」
俺と、司書さんは途中でやってきた一子に止められるまで熱い議論を交わしていった。
蔵書室の窓から眩しい光が漏れる。
その光が目にあたり俺は目を覚ました、目の前の光景は一子の寝顔付きではあるが。
幸せそうな寝顔を見ながら微笑んでいると一子が目を覚ました。
「おはよう、一子」
「あ、おはよー」
「よくこんな態勢で寝てたな、腰痛くないか?」
「へーきへーき、だいじょーぶだよ」
「ほんとに大丈夫か?結構危なそうだが」
俺達は蔵書室の椅子に座りながら寝ていた、どうやらあのまま一夜を明かしてしまったようだ、司書さんも一緒に。
そして今日は1週間に二日あるうちの定休日のその内の1日だ、今日で何とか調べないと、アミアリア様に話すまでにはまた一週間空いてしまう。
そんなことを考えながらも、ある事に意識が向く、そうご飯だ隣の一子の腹が鳴っていた。
「うぅ、恥ずかしいよお腹の音なんて」
「あー、司書さん起こしておいて、メイドさんに掛け合って食材とキッチン借りてくるよ」
「分かった、でも借りれるかな?」
「まぁ、何とかなるでしょ、じゃあ行ってくる」
俺は一子を蔵書室に置いてメイド達が使う専用キッチンへ向かった。
角川文庫様が運営するカクヨムにこと小説を投稿いたしました。
一般公開されるのは2月との事ですがもし宜しければ是非カクヨムを見てみてはどうでしょうか。




