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記憶

作者: 降瀬さとる

遠くで花火の音が鳴った

光は見えない

僕は振り返った

するとまた音がした

光は見えない

僕はまた振り返った


音は色々な建造物に反射してしまっていて

目を瞑っても

耳をすませても

本当の方角なんかわからない


バーン

音がする……

僕の中で

花火と一緒に

忘れていた何かが弾け飛ぶ


でも

もういいんだ

それはきっと砂漠で拾った

コーラの空き瓶みたいなものだ

僕はまた

目を開けて歩き出す


音はきっと背後からするのだ

光もたぶん背後にあったのだ

全て僕の後ろにあったのだ


花火はいつだって

遠くから

その音だけが聞こえてくる


それは誰があげたものか


それは僕があげたものか


また音がする

僕はいつもより高い場所を歩いている


どこかにあるはずの

花火のあの光は

まだここには届いていない


だとしたら……


それはきっと

あの空の星の光よりも

ずっと遠い



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― 新着の感想 ―
[一言] 花火の音って妙に耳に残りますよね。もっと良く見たいのに、ビルが邪魔して僅かな隙間から覗くしか無かったり、音しか聞こえなくてもどかしい思いをしたり…。 そんな夏のひと時を思い起こさせてくれる…
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