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異世界ガクブル半隠遁  作者: 尾中垂太
乙女の身嗜みがととのうまで編
6/26

とある近くて遠い村の現状

説明っぽい文章ですみません!め、目が滑る(笑)

村にある唯一の酒場から破壊音が聞こえる。

どうやら数日前に来た冒険者が酒を求めて暴れているようだの。

彼らの目にはこの村の現状が映ってはいないのか?この村には酒どころか食料さえも多くは残っておらんというのに。

いくら多めに金を出されても無いものは無く、また少しの小金を握らされたところで他所へと食糧を買いに行ったとしても道中で消費する分しか買えないのでは意味が無い。



ここは罪始まる村・シテーゼドラン。村の名だけは立派だが罪深き山の麓にあることから察せるようにこの村は常に食料難に落ちいっとる。


罪深き山。それは秘境や聖地、あるいは魔窟とも呼ばれる魔力場であり太古からの木々溢れる深き山。



他の魔力場の事は知らないが、この山に至っては本来ならば望めるはずの山の恵みは望めない。

なぜならば果実や木の実をつける木々や薬草類など食べられる植物は皆、一際魔力が満ちているとされる山の中心地に集まっている。

ここに住み着いた獣達は山から溢れ出る魔力で、皆が高い知性を持ちそれに合わせたかのように体もまた強く変わって行った。到底ただの村人には適うものではなかったのじゃ。


ワシらただ人に出来る事は精霊様の怒りに触れない程度に畑を耕し、村周辺の森で食料をかき集めることだけ。

満足に収穫できない畑に、罪深き山に影響を受けて生き物の少ない森。

近くの村までは約6日歩き続けなければならず、周囲は森に囲まれており大型モンスターを筆頭にグレイウルフやゴブリン共が人間を狙っておる。

ただ、憎き貴族連中がおびえて近寄らないといった点だけは喜ばしいことじゃがのう。

それ外はお世辞にもいい場所とはいえん。


そして餓えから病に倒れる者や食料を求め山に入り戻らない者、その他にも命を落とすものは大勢いたが村の人口は変わらん。

なぜなら此処は罪人達と血縁関係にある者達を監視するための村だからだ。身内が貴族などに害を与え、それが重罪と認められた場合に犯罪者の身内をここに収容する。

そして罪深き山に住まう精霊様方に許しが与えらるまで山を管理しながらこの天然の檻にて犯罪を犯した身内の代わりに罰を受ける。

罪深き山から恵みが得られないのは我々がまだ許されてなく、祈りが足りないと言う事らしい。



ああ!なんて馬鹿らしい!!重罪かどうかを決めるのは結局は貴族達じゃろうが!!ワシの息子はただ嫁を守っただけなのに!!


身重の嫁に手を出そうとしたどこぞの貴族の放蕩息子を殴った。妻と子供を守ろうとした息子の罪とはそれ程までに重いというのか。



教会にてすでに縁を切っていると証明されればシテーゼドラン行きは免れるが、それでは貴族に殺された息子を弔うことが出来ない。

当初はワシと妻、息子の嫁の3人で来たが、此処に来てすぐに嫁は女の子と引き換えに命を失った。


その子がもうすぐ10歳になる今年、山が騒がしくなった。原因は他所から流れてきたゴブリンの群れと、群れを追ってきた冒険者一団。


あそこはモンスターも強化されてしまうから慌てて冒険者達が奴隷を連れて退治しにいったが戻ってきたのは約半数。しかも欲を出して奥へ行った者達は皆戻ってないと聞く。だから言ったんじゃあまり山の奥には行くなと。いきなり罪深き山に入ることとなった彼らには同情もするが、これ以上好きかってにされても困る。ワシはこの村の責任者としての義務を果たさなければいかん。


「村長、準備が出来ました。ご命令を。」

「うむ。何度も言っておるが出来る限り穏便にの。それでは皆の者、我等が村を守りに行こうか。」



今はまだ酒だなんだと言っておるだけだがそのうち女を寄越せと言ってくるに違いない。

年のせいか重い体を引きずりながら、村の男達と酒場へと向かう。彼らは忘れているのだろうか?

この村は貴族連中にケンカを売った者と縁を切ることを拒んだ者達の村、その中に暴力を生業とする者達がいてもおかしくないだろうに。なんの因果かグラム列強国から来た、わが村の誇り高き自警団を見たら彼ら冒険者達はさぞや驚くことだろう。


ああそれにしても、山から染み出る水は唯一の恵み。その水は魔術の触媒として大変優秀らしく、各国の小競り合いの原因のひとつとなっていると聞くがいやはや。

本当に罪深きは、罪人と血縁である我々か、わずかな恵みを巡って争う各国か。もし私があの世で精霊様にお会いすることが出来たならぜひお聞きしたいところだ。



東の憎きセリファル聖教国・西のグラム列強連合国・南のトーラテルドル王国・北のゾキシェル帝国これら4大国に囲まれながら、山は人を拒み豊富な資源を抱いて眠っている。


国のイメージ的には、


東のセリファル聖教国・・・精霊信仰の発祥地。お布施をジャンジャン集めている。

西のグラム列強連合国・・・少数民族や亜人が集まってる国。領土約6割が砂漠。

南のトーラテルドル王国・・温暖の気候の歴史ある国、王位継承の際にはモメにモメる。

北のゾキシェル帝国・・・・一年の半分以上も雪が溶けない。とにかく寒い。


こんな感じです。

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