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めたもう狩り
そしてその後、必然的に、私たちの話は
「めたもうをつかまえてみよう」
という方向に向かった。
めたもうを見る頻度は違ったが、
そういった方向に意見が一致したのだ。
「”めたもう狩り”か」
何かそういう名前の小説か何かを知っているようで、
佐々丘さんはちょっと口の端を持ち上げたが、
私には何のことかわからなかった。
まずポイントとして、
・めたもうを今までどんな場所、時間に見たかをリストアップしてきて、
傾向を探る。
・めたもうを見たら、報告し合う。
・二人でめたもうをつかまえに行く。
こんな感じになった。
「今まで奴につきまとわれてばかりだったが、
ようやく反撃というわけだな」
佐々丘さんは薄く笑って、
まるでめたもうに恨みでもあるのか、
やる気満々である。