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神話の英雄譚/運命の逆賊  作者: わらびもち
第四章 イスダン迷宮
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第72話 圧倒的存在(2)

 No.6との戦いでか? それとも幻術で何かされた影響か……? まぁ何にしてもこればかりは良いことだな。


 翌日の朝を迎えるまで、オレはベッドの中で回復に専念していた。異常な精神疲労だけは大して回復しなかったが、傷はほとんどキレイになくなった。


 昼になったら街を出なければならない。先生に渡すお土産の兎饅頭は買ったから……あとはギルドの方か。オレは朝食を摂ってからギルドに向かった。


「あ! グランデュースさん! いらしたんですね!」


「ん? ……ああ、あのときの」


 ギルドに到着すると、受付の方からオレを呼ぶ声がした。一瞬は誰かと思ったが、あの人はこの街に来たときに話していた人だ。名前は知らないが顔は覚えている。


「お願いされていたお米、五キロ用意してありますよ!」


「ありがとうございます。買いますね」


「……どこかお元気のないようにも見えますが、身体の調子でも悪いので? 良かったら回復薬ポーションのおまけもしておきますよ?」


「? ああ、すみません。別に不調ということでもないんです。ありがたいですが、お気遣いをもらうほどではありませんよ」


「そうですか! いえいえ、それなら良いんです! もう街を出られるんですよね? お探しだった兎饅頭は買われましたか?」


「ええ、もちろん。教えてもらった店で買いましたよ」


「良かったです! ではまた気が向いたらいらしてくださいね! いつでも歓迎しますから!」


 オレは会計をしてから米袋をセリアから借りた空間収納アイテムボックスに入れた。


 ……この街でやり残したことはないかな? まぁあったとすればまたいつか帰ってくればいい。オレは受付に軽く礼を言ってからギルドを出た。


「おい! 小僧!」


「?」


 ギルドを出てみんなのところへ向かおうとしたとき、男の声がオレを呼んだ。馴染みがあるというほどでもないが、よく覚えている声だ。


「……ロイドじゃねぇか。生きてて良かった」


「お前こそな。……ありがとう! お前のおかげで俺は自分を見つけられた!」


「感謝されるようなことはしてねぇよ。こっちこそ刀をありがとうな。……酒に溺れて死ぬんじゃねぇぞ」


「ああ! いつかまた会おう! そんときは飯でも奢ってやる!」


 この街を心配する必要もなさそうだな。後腐れなく発つことができる。余裕ができたら遊びにこようかな。


 電車に乗ると、例のごとくすぐ隣にはジンリューが座った。他のみんなはすぐに寝てしまうから話す相手も彼しかいないが……。まぁ構わないか。


「乗り物酔いは平気か? 行きではだいぶやられていただろう?」


「……まだ問題ないよ。ただ酔う前に寝てしまった方が楽なのかもな」


「今は平気なのか。アレ以降君は常に気分悪そうにしているから分かりづらいな」


「……言うほどか?」


「そうだな。ただまぁ平気なら少し話そうか。えーっと……霊明祭がもうじき開かれるだろう? 準備期間と本番はちゃんと出られそうか?」


「うーん……どうだろうな。できるだけ出たいが、今回のことを校長に話さないといけないからな……。ガラリネオさんとの約束ももしかしたら被るかもしれねぇし……」


「……今回のことか。俺も引率としては先生達にちゃんと報告すべきだろうが……もし情報が漏れようものならルーシュが面倒臭いことになりかねんからな……。校長以外には俺は黙っておこう」


「何から何まで助かるよ。……ルーシュにはオレから軽く話しておこうかな。隠し事も何か悪いし」


 ジンリューとの話を一通り終えた後、オレは乗り物酔いに潰されないうちに軽く眠り、数時間後には列車を降りて学園の寮に戻った。

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