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神話の英雄譚/運命の逆賊  作者: わらびもち
第三章 会議
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第41話 予定(1)

「ミルアルト君、今日は校長先生が呼んでいました。十法帝会議についての話のようですが、放課後時間はよろしいですか?」


 魔法戦闘学の授業中、ランファ先生が声をかけてきた。そういえばそんな話もあったな。確か……今週か来週くらいではなかったか?


「分かりました。生徒会もありますが、そっちには遅れると伝えておきます」


「そうですね。日程や場所を伝えるだけとのことなので、そこまで時間はかからないかと」


「そういうわけでカミュール! 伝言よろしく!」


「自分で伝えるわけではないのか。まぁ私としても断るほどのことではないから構わないが」


「おう! ありがとな!」


 さて……獄境の大洞窟での戦い以降、部分的な天現融合はできるようになった。しかしあのときほどの力は引き出せていない。


 火事場の馬鹿力というものか、あのときの融合率は異常だったのだろうな。あの力を自在に引き出せるようにならなければ、今のオレはルーシュにもジンリューにも届き得ない。法帝に届くことなど絶対にないだろう。


 しばらくは五星級を超えることはないだろうし、今のうちに部分的であろうが完璧な天現融合を習得するしかない。……難しいことでもないはずだ。一度経験しているのだから。


 しかし肝心の混沌竜カオスドラゴンを倒した際に発動した天現融合は左腕だ。そしてその左腕はユリハ様によって作られたもので、まだ馴染んではいない。今は左腕では発動できないけれど、もしかすると馴染めば完璧な天現融合を使えるのかもしれない。


 セリアの魔力属性は炎だ。だからオレは炎を受け入れる必要があるし、身体を燃え上がらせる必要がある。今以上にもっともっと燃やせば、融合率も高くなるだろう。


 だがそれがなかなか難しい。オレの魔力とのバランスも取らなければ皮膚や体内が焼けてしまうし、熱は体外に放出しなければならない。やはり自分とは違う属性を制御するのは難しい……。よくみんなできるなと感心してしまう。


「では今日の授業はこれで終わりです」


 おっと……もうそんな時間が経っていたのか。熱中するとどうも時間の流れが早く感じる。……それなら早いとこ校長室に行かないと。


「カミュール、生徒会の方は頼むぞ!」


「ああ、分かってるよ。あまり遅れるなよ」


「おう!」


 オレは早歩きで校長室に向かった。今日は連絡だけなのだからさっさと終わらせてしまおう。生徒会の方では何やら話をするそうだし。……そういえばそっちも大事な話だったりするのか? その辺はちゃんと聞いておけばよかったな。


「グランデュース=ミルアルトです」


「おお、来たか。入ってくれ」


 校長室の扉をノックすると、部屋の奥から声が帰ってきた。そして部屋へと入ると、いつもの通りに校長と副校長が待っていた。そして促されるように席に着き、校長先生が口を開いた。


「こうして顔を合わせるのは久しぶりだね。身体の方は大丈夫かい? 獄境では深い傷を負ったと聞いているが」


「問題はないですね。順調に回復に向かっていますよ。ところで歴史研究はどうですか?」


「セルセリア様のおかげで上手く進んでいるよ。まぁ証拠を探すのが厳しいからまだまだ難しいところだがね」


 セリアの生きていた時代の文献などはほとんど無いらしいからな。セリアだって全てを記憶しているわけではないし、現段階では情報の確実性に欠けているのも頷ける。まぁ決定的なものではなくとも一つの説として考えるには充分ではあろう。


「それでまぁ、十法帝会議についてだが……開催は今週末ということになった。14時に私の下に来てくれ」


「分かりましたけど、だいぶ急ですね。まぁ元々このくらいの時期だとは聞いていましたけど」


「法帝は皆、自分勝手な輩だからね。計画性という点で見れば学生の方がよくできてる。しっかりしているのはほんの二、三人だよ」

「それと、会議には付き人を一人まで連れていくものなのだが、君のことはそれとは別で連れていく。上から許可されたのでね。竜帝が掛け合ってくれたらしい」


 シャルテリアさんか……あの人はやっぱりだいぶ協力的だな。活動期間から考えて歴史の破壊者(デスティニー)と繋がっている可能性もないだろう。


 困ったときには助けを求めたり、相談をしてもいいかもしれない。……まぁ忙しい人ではあるだろうけど。


 一通り日程や場所を聞いた後、オレは校長室を後にし、今度は生徒会室へと向かった。校長室にいたのはほんの五分か十分程度だっただろうか。最後の最後で校長先生が長話を始めようとしたとき、副校長が止めてくれて助かった。


 あのまま止められていたら数十分はあの部屋に閉じ込められていたことだろう。そして生徒会室に着くと、他の役員達はみんな揃っていた。

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