第03話 相棒(2)
前書き
一部設定を書かせていただきます。本編でもいずれ書きますが、申し訳ありません。
グランデュース=ミルアルト・・・本作主人公。能力『殲滅の騎士』を保持している。物質のみならず、魔法、魔力をも斬ることができる。三星級。
アリベル=ルーシュ・・・ミルアルトの2つ歳上の幼馴染。能力『神々の祝福』を保持する。天転召喚には失敗。六星級。
ネフィル(グランデュース)=セルセリア・・・ミルアルトによって召喚された神話の英雄。等級不明。
ネフィル=エスト・・・神話の英雄。神話においては主人公として書かれた。等級なし。
バランは“ジュートレッド”という国の首都で、そこの家というには少し大きく、屋敷というには少し小さい建物にオレの両親は住んでいる。
グランデュース家は、大昔、それこそ神話の時代では“プリセリド”という街の領主をしていたそうだが、いつからかこちらに住むようになったらしい。
(わっ!? 今のって転移? エストの術と似た感じだったわね!)
(? エストって言うとあのネフィル=エストか? 空間魔法なんて使えたのか?)
(一応ね。いやぁ……バランも大きくなっちゃって。コンクリートって言うんだっけ? 昔はレンガとか木造が多かったから不思議な感じね)
歴史で学んだけれど、そういえば転移門は南大陸の遺跡を元に作ったんだっけか。南大陸といえばミスロン王国だし……起源はネフィル=エストの魔法だったりするのか? だとするとやっぱり彼は魔力をだいぶ持ってたんだろうな。
魔力量があまりに多いと普通の人には感知できなくなるそうだし、彼はその次元だったのだろう。オレはそんなことを考えながら家へと向かった。空はもう暮れ始めているようだった。
「ふぅ……。半年ぶりかな。帰ってくるのは」
「いつもは寮だもんね! おばさん達元気かな?」
「ご馳走作るって言ってたんだろ? まだオレ達に心配されるほどの歳じゃないよ」
オレはそうは言いつつも、ほんの少しだけ両親が元気にしているかは不安だった。半年空けて帰るのは珍しいことでもなかったが、その度に親を思うこの気持ちというのは変わらなかった。親を離れて暮らしている己の不安というものかもしれない。
まぁ何にせよほんの少しだが。扉を開けてルーシュと一緒にただいまという声を響かせると、奥からどたどたと何かが走ってくる音が聞こえた。
「ミラ! ルーちゃん! おかえりなさい!!」
「うわっ! ただいま、おばさん」
母さんが走ってオレとルーシュに抱きついてきた。まったく。母さんはいつも大袈裟なんだ。
「もう! こんな暗くなるまで帰らないから心配したわよ!! 母さんったら心配しすぎて捜そうかとおもったんだから」
「母さん、まだ夕方だよ。それに帰りがこの時間になるのはいつものことじゃんか」
「それはそうだけど……あ! そういえば今日はどうだった!?」
「心配はしなくていいし、ちゃんと説明するから家に上げてくれ。父さんもいるんでしょ? ルーシュと父さんにもまとめて話したいから」
「ミラあんた、ルーちゃんにも話してないの?せっかく一緒に帰ってきたのに」
「大丈夫だよ、おばさん。私も少しは聞いたし、詳しいことはこれから話してくれるみたいだから」
オレ達はなんとか母さんの拘束を解き、家に入ることができた。心配してくれるのは嬉しいといえば嬉しいんだけど……母さんはやっぱり大袈裟なんだよな。
父さんも似たような感じだけど、それでも自分の威厳を気にしてる分いくらかマシだ。でもこういう家だからこそ、オレもルーシュも助かっている部分はある。そこにはちゃんと感謝しないといけないな。
「ま、それなら詳しい話はご飯の後にしましょうか! 今日は腕を振るってるから、父さんと一緒に待ってて」
「はぁい。父さんもただいま」
「おう、おかえり」
父さんは素っ気なく返事をした。こんな感じの人ではあるけど、実際はメチャメチャに子煩悩だ。今も何でもないような雰囲気を出しながら、久しぶりに会えて興奮してるのか新聞を逆さまにして読んでいる。
ちなみにルーシュは母さんには懐いているものの、父さんに対しては少し当たりが強い。特にこの数年間においては。
オレは出された料理を食べ、最近の学園のことを話しながらセリアのことをどう話そうかと考えていた。
天人ってだけでも驚かれるだろうけど……神話の英雄にしてオレ達グランデュース家の先祖となると……驚くなんてもんじゃ済まないよな。実際オレだってまだ現実味がないわけだし。
さて……どう説明したものか……。




