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神話の英雄譚/運命の逆賊  作者: わらびもち
第二章 魔天皇の城
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第35話 わがまま(1)

「さて……お二人はもう帰られるのですか? もう少しゆっくりしても構いませんのに」


「身体を動かせるようになったので。もう少しユリハ様とセリアで話してほしいとも思うんですが、学園も心配しているでしょうから」


「私達は君が寝ている間にたくさん話をしたので気を遣って頂かなくていいですよ。またいつでもお越しください。歓迎しますから」


「それはありがたいです。……ところで、一つ伺いたいんですが、ユリハ様がオレに使ってくれた回帰魔法について……。時間を巻き戻す、例えば火事で無くなった家を元に戻すとか、そういうことはできるんですか?」


「……? そうですね……私の使う魔法は“状態の回復”なので、前も言った通り無くなったものは元に戻りません。私が伝えられる範囲ですと……能力スキルによっては可能かもしれませんね。ただ時間を操るのは世界の流れに介入することなので大変なエネルギーを必要とします。かつて“時間を止める”能力スキルは見たことありますが……時間を巻き戻す能力スキルは見たことないですね」


 ユリハ様は少し考えたあと、丁寧に説明してくれた。時間を巻き戻すことは不可能なのだろうか……。まぁでも色んな可能性を考えておこう。別に急ぐことでもない。


「そうですか……。ありがとうございます。ならオレ達はもう帰りますね。またいつかセリアと遊びに来ます」


 ユリハ様に帰ることを伝え城を出ようとしたとき、セリアがユリハに声をかけた。一瞬、まだもう少しだけ話したかったのかとも思ったが、そういうわけでもなさそうだった。


「ユリハ、大事な質問なんだけどね。私とミラの関係を知ってる人って魔族の中ではユリハ以外にはいる?」


「…………レイジ君からは通信で知らされたのでそれを管理している者なら知っているかと」


「ミラの周りには?」


「オレの周り? そりゃセリアも知ってる通り父さんと母さん、ルーシュと……あとは学園の先生方は知ってるんじゃないかな? ……ルーシュが口を滑らせてなければそのくらいだな」


「No.8は私とミラの関係を知ってた。たぶんアイツだけじゃなく歴史の破壊者(デスティニー)の間で共有されてると思う」


「うん。…………?」


「つまり私をミラが召喚したことを知っている誰かが、歴史の破壊者(デスティニー)と繋がってる……! 歴史の破壊者(デスティニー)が活動を始めたのは12年前から、それ以降に名を上げた人が怪しいわ。ユリハもできる限り調べてみて」


「分かりました。……12年となると限られますが、なんとか調べてみましょう。何か分かったことがあればお知らせします」


「お願いね。じゃあ私達は帰るわね」


 セリアの話は終わりオレ達は今度こそ城を出発した。空港まで向かい、そこから南大陸へと向かった。


 ここまで来るときとは違い、途中魔物の狩りをしなかったため一日と少しで学園まで帰ることができた。夕暮れごろに寮に帰り、早々にベッドに顔を埋めた。


 飛行機内では寝ようと思っていても微妙に身体が痛んで寝ることができなかったから、疲労は異常なまでに溜まっていた。


「セリアー……! オレもう疲れたよ……」


「怪我人だものね。しっかり寝ておかないとまた痛み出すわよ」


「うん……。学園の先生が……歴史の破壊者(デスティニー)と繋がってたりするのかな……。もしオレやルーシュと関わりのある先生だったらどうしよう……」


「……ちょっと熱が出てるわね。早く寝なさい。……しばらくは大丈夫よ」


「……わかった……」


 夜は少し息苦しかったが、寝ると随分楽になった。朝日を浴びると頭もスッキリし、顔を洗えば気持ちもしっかり落ち着いた。

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