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神話の英雄譚/運命の逆賊  作者: わらびもち
第一章 序列戦
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第16話 竜帝・ジルダ=シャルテリア(4)

「それで、あの戦争と何の関係が?」


「あの戦争を終結させた……いや、正しく言えばあの二国を崩壊させた存在が歴史の破壊者(デスティニー)のボスじゃと思っている。なぜなら奴らが活動を始めたのがちょうどその戦争が終結した頃じゃと分かったからじゃ」


「……でもそれだけじゃ理由としては弱いんじゃ?」


「辻褄の合う点が多いのも事実。その者は国を崩壊させてから今の今まで消息は不明じゃ。どこで何をしているのか……表社会には生きていないことは確かじゃろう。そしてその戦争を生き延びた七星級の戦士……今は八星級となっているリラルガという者じゃが、奴曰く、その者は恐ろしく強かったとのことじゃ」

歴史の破壊者(デスティニー)の奴らも皆それなりに強かったゆえ、並の者に従うとは思えん。闇に活動する強力な組織、そのボスがその者、“ルシファー”と考えるのはおかしなことでもない。まぁ余の知らない地で他に強い者かいるなら知らんがな」


「シャルテリアさん、ルシファーの存在は特級機密ですよ。ミルアルト君はあくまでも八星級にはなってないのですから、気をつけてください」


「ルシファー……!」


 戦争を……国を終わらせた存在……。もしかしたらルーシュから両親を奪ったのは……戦争ではないのかもしれない。そのルシファーとかいう者が暴れたせいで……いや、冷静になれ。可能性があるというだけだ。


「ルシファーは法帝に匹敵するほどの実力を有している。ヤツがもしも歴史の破壊者(デスティニー)のボスじゃとするなら……もしかしたら余が調べた者達は何者かの魂を植え付けられた人工生命体ホムンクルスという見方もできる。それならヤツらの情報がどこからも出てこないのも納得じゃ」


 人工生命体ホムンクルス、というよりも科学を用いた生命の製造はずっと昔から世界法によって禁じられているため、製造方法を知る者はいないはずだ。それならルシファーとかいうヤツの能力スキルは無条件、あるいは多少の条件で人工生命体ホムンクルスを作れるものかもしれない。


 そうなれば八星級の実力に加えて大量の兵力もある可能性があるわけで……加えて魂を植え付けられているとするのならプログラムをされているわけではなく、自立思考が可能ということだ。そうなるとあまりにも厄介すぎる。……できれば外れていて欲しい読みだな。


「まぁ歴史の破壊者(デスティニー)については近々十法帝会議を開こうと思っとる。もしよければミルアルト殿と一緒に出席してくれ」


「ええ、構わないわ。ね? ミラ」


「ああ。しかしシャルテリアさん、オレはルシファーという者に興味があります。オレの友人はパンバール王国の出身です。もし彼女の両親を奪ったのが戦争ではなくルシファーとなれば……責任を取らせなければならない。だからオレはすぐに強くなります。次の十法帝会議には間に合わないでしょうが、できるだけ早く、正式にその会議に参加できるように。そしてゆくゆくは……九星級にもなってみせます!」


 ルーシュから日常を奪ったのは間違いなく戦争、つまりは今はなきパンバール王国とジャルガリン共和国だろう。だがもしも両親を奪ったのがそのルシファーという者だとしたら……それだけは確認しなければならない。オレの“世界最強”という夢と目標を叶えなければならない理由が一つ追加された。


「カッカッカッ! 十法帝は満員ぞ。それを現役の十法帝……ましてや九星級に至らなかった余を前にそんな戯言を言うとは!! ……期待しておこう、ミラよ。お主が相応しき力を手にしたら、余の席ならば譲ってくれようぞ」


 オレの周りにはこんなにも強い人達がいる。そんな環境で強くなれないわけがない。オレが努力をすれば、必ず結果は追いついてくるはずだ。問題は並の努力では足りないというところだが。幸運にもスパルタな英雄様がいるからその心配は必要なかった。


「おっと、セリアよ。少しばかりお主と二人で話がある。悪いがミラは先に帰っててくれるかの?」


「え、ええ。どうやらオレが聞くのはマズイようですね」


 シャルテリアさんの“すまんな”という言葉を聞き、オレは校長室を出て行った。寮に戻るまでにはセリアは帰ってくるだろうか。まぁ離れていても召喚すれば瞬時にやって来るから問題ないか。


 シャルテリアは人影のないところへセリアを連れていき、さらに防音結界を張って誰にも話が聞かれないようにした。


「どうしたの? こんなところに連れてきちゃって」


「あの方は長いこと隠居なさっているのでな。現代の世間には生きていることすら知られていない。ゆえに他の者達には勝手に伝えていいものではないかと思ったんじゃ」


「……“あの方”っていうのは……」


「エスト様じゃ。お主の魂が転生しなかったのはあの方をずっと待っていたからじゃろ? 余はあの方がどこに住んでいるのか知っているが……」


「それは言わなくていいわ。だいたい予想はついてるし、今会ったらミラのことを疎かにしちゃいそうだから。今の私はミラの守護者だからね。もしもどうしても会いたくなったらそのときにまた会いに行くわ」


「そうか……。ならば余から言うこともない。セリアがそう言うのならエスト様もそう言うということじゃろうしな」


 そう言ってシャルテリアは竜の棲家、竜峰山へと帰っていき、セリアはミラの元へと帰っていった。人からエストの話を聞いたからか、セリアは少しばかり楽しそうに帰っていった。

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