残り火
2月15日、日曜日。
4時36分起床。
バレンタインの翌日。
5時31分、家を出る。
何日か前の朝と違って、それほど寒くない。
まだタクシーには乗っていない。
マイカーで会社へ向かう。
制服は着ない。
いつものようにMA-1。
戦闘機のコクピットと、タクシーの運転席。
似ても似つかないが、気分だけは戦う。
片町には、アフターで流れるバーがある。
客も一緒に動く。
土曜の残り火。
6時を過ぎても、どこかでくすぶっているはずだ。
スナック加賀は土曜だけ朝5時まで。
それも狙いの一つ。
5時46分、会社着。
点検を済ませ、5時54分、タクシーに乗る。
寒くないと思っていたが、屋上は別だ。
窓が凍っている。放射冷却か。
6時06分出庫。
少し遅れた。まぁ、しゃあない。
まずは金沢駅を舐めてから片町へ。
──予想通り、GOの順位は上がっていた。
69位。
数字が妙に自分らしくて、少し笑う。
駅は静かだ。待機タクシーが並ぶ。
武蔵経由で片町へ向かう。
6時24分、オーロラビル前。
一発で拾った。藤江まで2,100円。
待機タクシーがいる中、
ビタ付けで決まると気持ちいい。
片町へ戻る。
6時40分、会社依頼。
松村ゼノンビル、麻雀ハウスから。
若い女子二人。
桂町へ、1,500円。
礼儀正しい二人だった。
駅方向へ戻る。
7時台。
観光客は歩き、
ほろ酔いの影も消え始める。
ホテルの朝食、喫茶店の窓、
スクランブルの交差点。
爆発はない。
だが、完全に消えたわけでもない。
思っていたほど大きくはなかったが、
残り火は、確かにあった。
焦りはない。
想定外を起こさないように、ただ回す。
8時05分、GO。
此花町のホテルから。
東山だった。
身軽な格好の客だった。
夜を引きずらない顔。
朝の空気を吸いに出る人間の顔だ。
味噌汁専門店へ。
1,300円。
観光客の朝活やな、と俺は思う。
昨日の夜を終えて、
今朝は街を歩く。
金沢は、そういう楽しみ方がある。
残り火は、形を変えただけだ。
武蔵へ戻る。
今日は、長くなる。




