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祝日前日を、大事にする

2月9日。

10日の出勤を前にして、

財布の紐は固いだろうな、と思う。

それは解っている。

二月だ。

日数は少ない。

寒い。

イベントもない。

放っておけば、

数字は落ちる。

明日の動きを考えながら、

それでも、と思う。

「弱い月だから仕方ない」

そう思った瞬間に、

この仕事は終わる。

夜の街を見ていると、

それを一番よく知っているのは、

飲み屋の姉ちゃんたちだと思う。

弱い月ほど、

彼女たちはサボらない。

今日は暇でも、

明日の約束を取る。

今週が弱くても、

先の予定を作る。

「その日、来れそう?」

「ちょっと飲まん?」

そうやって、

人が動く理由を、

少しずつ仕込んでいく。

客が店に来る。

酒を飲む。

夜が更ける。

帰りは、歩く距離じゃなくなる。

――その最後に、タクシーがいる。

俺たちは、

客を生み出しているわけじゃない。

ただ、

流れが出来た時、

そこにいるだけだ。

強い月は、

勝手に人が動く。

弱い月は、

そうはいかない。

だから、

祝日前日を大事にする。

一日としてじゃない。

山として、育てる。

弱い月は、

我慢する月じゃない。

仕込む月だ。

そう考えながら、

俺は今、

静かな街を見ている。

――走るのは、明日だ。

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