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言葉になる途中
土曜日の午後。
時計は、15時38分を指している。
まだ、
エンジンをかける時間じゃない。
今日は走っていない。
それでも俺は、
明日のことを考えている。
六十五万。
月の目標として、
ずっと口にしてきた数字だ。
高いのは分かっている。
雪の月だ。
日曜は弱い。
爆発する日は、ほとんど無い。
それでも、
その数字を下げなかった。
六十五万を目指せば、
五十万は越えられる。
今月が、
実質この仕事ひと月目の俺にとって、
そこが意味のあるラインだった。
五十万を越えれば、
歩合は一気に変わる。
本当は、
それでいい。
六十五万は、
強がりでも見栄でもない。
五十万に届くための
置き場所だった。
日曜は勝ちに行く日じゃない。
負けを小さく管理する日だ。
それも、分かっている。
賢くなったわけじゃない。
覚悟が決まったわけでもない。
ただ、
考えていることを
言葉に出来るようになってきただけだ。
まだ、
何も始まっていない。
それでも、
この状態で
明日を迎える。
それでいい。
それが、
今の俺の現在地だ。




