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右折の先に、順位があった

右折の先に、順位があった

二日目。

順位は、763位だった。

961人中。

ほぼ、底だ。

驚きはなかった。

始めたばかりのドライバーに、街は優しくない。

それが普通だ。

十一日目。

画面を開いて、少しだけ目を細めた。

241位。

「……上がってるな」

月初の強い日は、ほとんど走っていない。

雨の日も、無理はしていない。

爆発的な売上なんて、ない。

それでも、順位は上がっていた。

十二日目。

220位。

トップは、まだ遠い。

だが――

街に弾かれている感覚は、もうなかった。

GOが鳴る。

派手じゃない。

狙ってもいない。

ただ、必要な距離で、必要なだけ。

右折する。

左には行かない。

そっちは人も車も多すぎる。

信号が変わる。

ハンドルを切る。

その先に――

客が、いた。

考えてみれば、単純な話だ。

GOは、売上を見ていない。

見ているのは、安心だ。

断らない。

切らない。

揉めない。

星を取りに行かない代わりに、

星を落とさない。

それだけだ。

トップに近づくほど、有利になる。

確かに、そうだろう。

だが、トップを目指して走ると、

街は途端に黙る。

だから俺は、

右折だけを選ぶ。

正解の道じゃない。

一番速い道でもない。

ただ――

一番、減点されない道だ。

順位は、今日も少しだけ上がった。

たぶん明日も、同じだ。

右折の先に、

また客がいる。

それで、いい。

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