表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛犬が願いを叶えてくれるそうです  作者: 二木弓いうる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/33

連絡先を交換する

皆で遊んでいたら、あっという間に時間は過ぎて。もう時計の針は夕方の時刻を示している。

 悔しがるたっくんに、目を輝かせているみーちゃん。


「クソッ、まだ決着着いてねぇのに!」

「また明日に続くんだよ、決着がつくまで!」


 この会話を、俺はもう百回は聞いたんじゃないだろうか。

 ま、子供の内にしか出来ない事だろうし。決着はつかなくとも気が済むまで戦い続ければ良いよ。


「はい、みーちゃん、ふーくん」


 皆が遊んでいる間預かっていたゼリーを、二人に渡した。

 それを見ているたっくん。君はもう食べちゃったからね、無いよ。

 その視線に気づいた涼が、優しく微笑む。


「たっくんも一つ持って帰る? 二つ余ってるから。二つ持ってて良いよ」


 涼もさっき食べなかったからな。自分の分をあげようとしているのだろう。健気だ。


「いらないっ、りょーこがまた今度作って来い!」


 おぉ、悪い奴じゃないと認めてくれたか。そうだろうね、今日一日何もされなかったもん。良牙は何かしらしてたもんね。ズボン下ろしたり、パンツ下ろしたり。それに比べたら優しく見守ってた涼なんてね、可愛いもんだよね。


「うん、分かった」


 笑顔で返事をする涼。もはや女神レベルだよね。




 三人と別れ、公園を出た俺と涼。


「涼、大丈夫? 最後の方めちゃくちゃ走り回ってたけど」


 涼の走る姿は、何故か油を思い出したよ。


「うん。ちょっと疲れたけど、楽しかったから」

「なら良かった」

「今度は違うものにもなりたいよね」

「何役?」

「お花とか」

「それって見てるのと変わりないよね」

「じゃあ啓と一緒にお店でも開くか」


 涼が素で言ってるのか、ふざけて言ってくれているのかよく分からない。けどちょっと嬉しい。


「そうだ涼、連絡先教えてくれないと。みーちゃんにゼリーの話言われても俺連絡出来なくなっちゃう」

「あぁそっか。一緒に居るから連絡先教えるの忘れてたや」


 道の端に寄って、お互いにスマホを取り出し。連絡先を交換する。連絡先交換するって中々難易度高い事をやってのけたんじゃなかろうか。ましてや俺のようなモテぬ男にとっては特に。


「はい出来た」

「ありがと。これで皆がゼリー作ってって言う時連絡出来るね」

「別に皆じゃなくても、啓がお腹空いたらご飯作る位には来てあげるよ」

「じゃあ毎日呼んで良い?」

「それは厳しい」

「月一、いや、月二!」

「うん、定期内だし。そんなに距離ある訳じゃないし。良いよ」

「やった」


 夕焼け空が眩しくて、画面がすごく見づらい。でも何となく、俺には涼の方が眩しい気がした。

 あぁでも、あんまり連絡しない方が涼のためかなぁ。



 お家到着。俺は部屋に入るなり横になる。我ながらダメな奴め。


「啓、本当に夕飯お弁当の残りで良いの?」

「良いよ、勿体ないじゃん」

「まぁそれなら助かるけど。人によっては、飽きたから違うの食べたいとか言う奴いるしね。兄貴はそのタイプ。でも本当に無理しなくていいよ。同じのだよ。飽きるでしょ。あたしも色々なの作るの練習になるし」

 

 涼は良牙に慣れてるんだろうな。

 でも俺は大丈夫。ばーちゃんが昔一週間カレー出し続けたけど飽きる事なくうまいと言い続け食べてたから。


「全然。というかね」

「うん」

「女子高校生が作ったご飯を食べられるのに、文句言うっておかしくない? とりあえず味の好みは置いておいて、まず俺にとって女の子に手料理を作ってもらえるって事は大事件なんだよ」

「そうなの?」

「うん。しかも女性というカテゴリの中で、可愛い女の子が作ってくれるって嬉しい事じゃん」

「そうなの?」


 カテゴリよりもっと他の表現あったと思うんだけど。出てこなかったよね。

 全く気にしていない様子の涼は話を聞き続けてくれた。


「そうなんだよ。ほら、家で食べる焼きそばと、海やお祭りで食べる焼きそばって違うじゃん」

「あー、そんな感じかぁ」

「可愛い子に作ってもらう料理で、しかもおいしい。さらに厳しい条件とか無しに食べれてるんだよ。俺もう死ぬんじゃないかな」

「流石に死ぬレベルではないと思うけど」

「いや殺されちゃうかもしれない。世の中、女子高生が作ったおいしいご飯を食べたいという男はいっぱい居るはずだ」

「そんなにかな」

「多分。女子高生じゃなくて幼女やお姉さんが好きって奴も居るだろうけど。そいつらもきっと好きな人が作ったおいしいご飯を食べたいはず。マズくても場合によっては食べちゃうかも」

「場合って?」

「どう考えても自分のためだけに作られたのとかね。啓のためだけに作ったよって言われたらきっと嬉しい」


 基本甘やかされるの好きだし。


「じゃあ、あたしが啓のために作ったよって言ってグリンピースご飯出したら食べるの?」

「食べられない訳じゃないからね。頑張るよ」

「というか何でグリンピースダメなの」

「ばーちゃんと見てた刑事ドラマで、グリンピースに毒塗って食べさせて殺すってストーリーがあって。それ以来ダメ。怖い」


 何故そんなしょうもないドラマが制作されてしまったのだろうか。そしてそれに今だ恐れている俺も俺だけど。


「あたし毒入れたりしないよ?」

「そうなんだろうけど、ちょっと食べるのに勇気必要。涼だってカマキリ型のチョコ貰ったら食べるの勇気いるでしょ」

「……うん、そうかも」


 まずカマキリ型のチョコを貰うっていう経験はそんなにないと思うんだけど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ