森の力 掟 森の王
ネタが・・・。
何だあれは?最初は疑問。次に疑惑。そして困惑。
目の前で起こる戦いは結構なモノだった。だが、それ以上に驚いた。
『ダメだ、セン!!ここで使うな!!』
狼が言った一言。そして、センが唱えた呪文の様な言葉。
「森の力よ・・・我と共に・・・」
呪文にしては短過ぎる。なにかの契約に必要な言葉か?それともまた別の何かか?
まぁ、そこの疑問は良いとして、問題はその森の力と言う奴だ。
センはどこから見ても人間だ。
ゴーストウルフと話したり、共に居たりするのが若干人間の域を超えているが、それでも人間には変わりない。
だが、それは一瞬にして消え、目の前の光景が信じられなかった。
「な!?」
センが消えた。視界から消えた事により、紅蓮の隊長は驚きを隠せず、あまりにも間抜けな声を出していた。
だが、私には視えていた。
センは消えた訳ではない。紅蓮の隊長の視界から消えただけ。
簡単。凄まじいスピードで紅蓮の隊長の後ろに回り込んだのだ。
これだけの事なら、私は少し驚くぐらいだ。
だが、問題は人間であるセンがゴーストウルフと同じ力を使った事だ。
幽霊の様に身体が透けている。センの後ろの森が見える程だ。
人間の筈だ。だが・・・。
「こっちだ」
センが紅蓮の隊長の後ろに回り込んだ。
『おい・・・女』
狼が私に何か言っている。無視と言う手もあるが・・・。
『もう終わる。引け』
そう言い、目線を森に向ける。
「私が森に居るのは不愉快の様に言っていた様な?」
私がそう言うと、一度舌打ちし、言った。
『あの姿を視た奴は、本当は殺しているのだがな・・・』
そう言い、狼はセンを視た。その目はあまりにも悲しい目をしていたような気がした。
だが、それ以上にお前何て簡単に殺せると、言われた様で少し頭にきた。
「お前みたいなのに殺れると思うか?」
狼の事は見ず、センを視ている。
だが、この時狼は多分この場に居る誰よりも最強になっただろう。
『小娘・・・貴様を食い千切るなど造作も無いわ。我を愚弄するのも程々にした方が良いぞ・・』
声質が変わった。それに『俺』から『我』に変わった。
それに、異様なまでに冷たい。これが本気か・・・いや、本気のほんの入り口なのかもしれない。
「底が見えないな・・・」
苦笑しながら私が言うと、狼は笑った。
『ふっふっふっ・・・・底など見るモノではないだろう・・・良いからさっさと森に入れ』
今の私じゃこの狼には勝てない。そう悟った。
私は一度森に視線を変え、その後またセンに目線を変えた。焼き付ける為。そして後で問つめる為・・・。
私は森に向き、森の中に入って行った。
森の中。あの場から引き揚げている最中。
『おい・・・何故使った?』
隣を走るセンに問う。
センは一度困った顔をした。何か理由を考えているような顔にも見えなくはない。
「なんだろ・・・そうしたかったからかな?」
理由がガキ過ぎる。甘やかし過ぎだったか・・・。
『そんな理由で森の力を使うな。それ以上は例えセンでも俺等がお前を殺さないといけない』
結構物騒な事を言っているのは分かる。だが、これが掟なのだ。
森の力はこの森を保つ為の力。その力をむやみやたらに使うと、自然の摂理が崩れる。
それはこの大陸の崩壊と言っても過言ではない。
それ程の力は人を欲に溺れさせ、破滅させる。
それはゴーストウルフも例外ではいない。
ゴーストウルフも人間と同じ位の知能を持っている。その為、欲が無い訳ではない。
人間みたいに、金・女・地位・名誉なんてモノはどうでも良いが、生については異常なまでの執着を見せる。それは人間も同じだろう。
生きているモノはいずれ死ぬ。それも自然の摂理。
破る事の出来ない鉄則。だが、その鉄則が更に死への恐怖に拍車をかける。
その為、力を欲する。死なない為。生き残る為。
その欲は人間と同じだ。
その為、強大過ぎる力は、誰でも狂わす。
だから、私利私欲で力を使ったモノは、例え仲間・恋人・家族どんな関係だろうとも殺さないといけない。
それが、掟。森にとっては、掟は最強の矛であり、盾でもある。
時に護り、時に我々に牙を向ける。
それと上手く生きて行かないと、この森では直ぐに死ぬ。
「解っている・・・・掟は守る」
センが前を見ながらそう、呟く。それだけで安心。
だが、今は気がかりと言うか・・・。
『あの女はどうする?』
女とはつまり、『黒き鎌使い』と言われる殺し屋だ。
あの女俺と居る時、ずっと俺の首を狙っていた。
無視出来る程の力じゃない。あれも十分異常の類に入る猛者だ。
『どうする?』
もう一度聞く。早く答えが欲しいからだ。
センは何度か首を傾げ、悩んでいた。そして、やっと口を開いた。
「一度確かめる」
『何をだ?』
少しの間があく。その間はディガースにとってキツイものだった。
殺すのか、生かすのか。もちろんディガースは殺す派だ。けれども、多分センは自分とは逆だろうと思っていた。その為、答えを聞くのが少し怖くなっていた。
「アイツがこの森に害をなすかどうか・・・」
アイツ・・・。名前を呼ばなかった。これは敵とみなしている時だ。
センは仲間の事は必ず名前で呼ぶ。だが、敵には結構ぞんざいな扱いをする。
「害をなすと判ったら?」
「・・・・殺す」
冷徹に。
ディガースは心の中で呟いた。
「流石は・・・森の王」
今の登場したキャラの中でディガースが最強です。
でも本気は中々出しません。
えぇー今回書いてる時に気付いたのですが、文章雑だな~~~。
それと設定。伏線もクソもない・・。
てかまだ全然話進まない。これからまだまだ登場人物増えるのに。
全然だな・・・あと何百話書くつもりなのか。
考えたら鬱に。まぁ~やれる所までやりますがね。多分・・・。
えぇー次も頑張ります・・・。