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【完結】雪女と炎王子の恋愛攻防戦  作者: 雪村
10章 炎国王と氷の側近
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51話 惚れた弱み

会議が終わった後、各自別行動となって解散した。女王ダイヤは炎の祠にいる先代国王の父上に改めて謝罪をしに行ったらしい。


尚、長時間熱いところには居れないため少し話した後またヒートヘイズに戻ると言っていた。そんなダイヤが居ない間僕はフロスと会おうと城の中庭で待ち合わせをしている。



「フロス!待たせました!」


「遅いです。浮気者」


「浮気…!?」


「ふん」



しかし久しぶりに2人で話したフロスはご立腹のようだ。僕は浮気者という言葉に驚いているとフロスは近づいて僕の頬を引っ張る。



「聞きました。許嫁が居るようですね?それなのに私に求婚とか好きとか言っていたんですか?」


「いひゃい…」


「信じた私がバカでした!」


「ち、違います!確かにフレイヤとは許嫁の関係でしたが今はそうではありません!」


「フレイヤさんってあの補佐官の人ですよね?大層美人なお方でお似合いですよ」


「フロスだって美人じゃないですか!」


「もう信じません」



ついにバレてしまったのだ。確かに勢いで言ってしまった部分はあるけど、全て本心で言っている。



「フレイヤの許嫁の関係は解消されたのです。戦争が起こって、僕が新国王になるという慌ただしい中ではしばらくは無理だと。許嫁の話は城の中でしから伝わってないので民の混乱を招くことはありませんでしたが…」


「でも許嫁の存在が居る時点で私に口説いていたんですよね?」


「……はい」


「フレイヤさんはとても貴方を気に入っているようですが?」


「そ、そんなことは…」



好きと言われた思い出が蘇る。それでも解消は揉め合うこともなく行われたのだ。そもそも解消を先に進めて来たのはフレイヤで、僕は頷いた側である。


どういう意図かは未だにわからないけど、今は僕とフレイヤはただの国王と補佐官の関係だった。しかしフロスの言う通り僕は許嫁が居るのにも関わらず口説いたし逢瀬をした。


浮気と一緒かもしれない。一気に沈んでしまった僕だが、首を振って気持ちを切り替えると片膝をついてフロスと向き合った。



「ならばこれから示します。今までの言葉を無しにしてとは言いません。言い訳にはなりますが許嫁の存在が居てもフロスのことしか考えられませんでした。だからチャンスをくれませんか?」



フロスの瞳はまだ疑うように揺れている。しかし僕がフロスに手を差し伸べればしっかりと掴んでくれた。



「ったく、1回だけです」


「フロス…!」


「ちょっと、抱きつこうとしないでください!まだ信用したわけではありません!」


「でも手を取ってくれました!」


「それはただ単に仲直りの合図です!」


「ならば今から仲直りの逢瀬をしましょう。城下町を案内します」


「この後ダイヤと見て周るので結構です」


「ええ!?」



せっかく繋がった手はフロスによって離されてしまう。でも急いで立ち上がった僕は今度はフロスの両手を掴んだ。



「フロス、好きです」


「……そうですか」


「好きなんです」


「…うるさいです」


「僕と手を繋ぐのは嫌ですか?」


「……」


「フロス」


「今は嫌です!私はダイヤの帰りを待ちます!」


「えっ!?」



フロスは僕の手を振り払うと中庭から出て行こうとしてしまう。それを追いかける僕だけどチラッと見えたフロスの耳は真っ赤に染まっていた。


それを発見して上がる口角が抑えきれない。本当に愛おしい人だ。今日は一段と賑やかになっているヒートヘイズの城。その理由はヒートヘイズ国王である僕とアイシクル女王の側近であるフロスの声が筆頭になっていた。



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