有害図書委員
普通の小学校で図書委員をやっている普通の小学6年生の男子です。
普通に小学生としての本分を日々尽くしていると思い込んでいたのですが、先日、職員室に呼ばれました。
理由は図書館にも学級図書にもない刺激的なライトノベル「サイコキネシス」を学校に持ち込んだからです。担任の女の国語の先生が言うには、「あまり子供にはふさわしくない本」だそうです。
「では伺いますが、何歳になったらこのような図書を読んでもいいんですか?」と常識に質問を返します。
僕のソクラテスのように聡明な切り返しに、担任の先生は「ぐぬぬ」となっていました。
そうしたら、隣のクラスの担任の男の算数の先生が、この間の、塾に比べて簡単すぎる分数のテストの採点をしながら聞いていて
「家で読めー。」と言って来ました。
家でこの有害図書とされるライトノベルを楽しむとしましょう。
まあ、国語が大好きで国語の先生になった人が、本が治安を悪化させ、人の人生を破壊するみたいに言うのならばそういう面もあるのでしょう。なにを隠そう、僕が図書委員になったのも、本にはそのような力があると信じているからです。
僕は放課後、担任の先生から本を返してもらい、家に向かいます。
「サイコキネシス」はアニメにもなったのでご存じの方は多いと思いますが、
実は原作とアニメでは主人公が違います。原作ではお兄ちゃんの一人称で書かれていますが、アニメでは今まで誰も知らないボーイズラブのCDでしか活躍してなかった男性声優(笑)をデビューさせるために、キャラクターを増やしたみたいです。図書委員長と一緒に下校している女友達が、そっち系について詳しく、ぼくがたまたま下校が一緒になった時に「今度応している援声優さんがサイコキネシスのアニメでデビューするの」とはしゃいでいたので、僕はアニメが出る前から設定が変わっていることを知っていました。
先生方がいくら有害図書を管理しようとしても、僕も図書委員長も有害図書管理にゆるいので、どうしようもないかもしれません。むしろ僕たちは図書館を占拠しているのです。
さて、「サイコキネシス」アニメ版の設定変更についてですが、僕はラノベ版のほうが好きでしたね。アニメ版ではヒロインの萌菜華と一緒の学校に通う主人公と一緒に念力研究部を開設するところから始まっているのですが、萌菜華の下着が洗濯機から移動するシーンが回想シーンになってしまいました。僕はお兄ちゃん役の声優の方が、今回デビューした主人公役の声優の方がはるかに上手だと思いますが、図書委員長の腐女子の友達に言ったら怒ると思いますので、僕はここにひっそりと書き留めておこうと思います。