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同行人

今日は長文だー!!



「う~ん、何か忘れてるような」

「どかしたのか?」


 アクロームは何かあったか聞くがディアンは顔を顰め、必死に何かを思い出そうとしていた。十秒程してようやく思い出す。


「あ、そうだ。思い出した!」

「何だ?」

「馬車、馬車ですよ!ギガントスパイダーに壊された、私の馬車ぁぁぁぁ!!」


ディアンは膝から崩れ落ち地面に手をついてorzの姿勢になった。ディアンはそのまま「あぁぁぁぁ!!」と大声で泣き続ける。それを近くで見ていたデトナはそこから一、二歩離れた。アクロームはそんな泣き続けているディアンに近付き左肩に手を置いた。


「安心しろ。新しい馬車とはいかないが、俺達の車に乗せやるから。だから元気出せ元気」


 そう声をかけると、ディアンは、ガバっと顔を上げた。


「本当ですか!嘘じゃないですよね!嘘だったら、許しませんからね!?」

「安心しろ嘘じゃない」

「言質は取りましたからね、ちゃんと乗せてくださいよその、く、くるま?てやつに!」

「分かった分かった」


  アクロームが分かったと言うとすぐに泣き止み起き上がった。


「とりあえずこの話を仲間達に伝えてからドワーフの国に行くとする。それまで待っててくれ」

「分りました!」

「元気だな」


 ディアンにそう伝えてから、ゼノバルトとボルマスのところに向かい話しかける。


「なぁ、ドワーフ国に・・・」

「その話ならもう聞いたぞ。もちろんボルマスもな」

「あぁ、きっちり聞かせてもらった」


 アクロームが話しかける前にゼノバルトとボルマスがアクローム方に振り向く。


「何、<防音結界(エルシー)>と<思念遮断(ガイン)>をこっそり張って、<防音結界(エルシー)>と

思念遮断(ガイン)>がバレない様に<魔法秘匿(レムジ)>もかけたというのにいたのにどうやって聞いたんだ?」

「そんなの簡単だ、これを使ったんだ」


 ゼノバルトは頭をトントンと叩いた。


「――そういうことか。俺の電脳(メアノーズ)まだ繋がっていたか」

「その通り。お前の電脳(メアノーズ)はまだ繋がっていたからな。ボルマスも繋いで聞いていた」

「そうか。俺はここに来てから一度も電脳(メアノーズ)の電源を切ってると思っていたが・・・低出力モードだったか」

「あぁ、そうだ」

「お前ずっと低出力モードのままだったぞ気を付けておけよ」

「分かった」


 ボルマスが忠告するとアクロームは頷いて返す。


「あぁ、ところでドワーフの国に行く奴決めるか?」

「そうだな」

「人数は俺たちの中から二人、従者一人ずつでいいか」

「それで構わない」

「おう」

「それではやるか」


 そう言うと三人の空気が張り詰める。右手を後ろに引き、引いた右手を拳にして気合いを溜めていく。


「「「は~あぁぁ!!!」


 そしてその拳は一気に伸ばされ、解放された。


「「「じゃんけんポン!!!」」」


 勝負は一瞬、思いっ切り伸ばした影響で周りに土煙が出る。


「「フッ、勝った」」


 土煙が晴れると、そこにはチョキを出しているアクロームとゼノバルトとパーを出しているボルマスの姿があった。


「俺の負け、か。」


 勝負がつくと三人の張り詰めていた空気が消え去り、そして三人は固い握手をした。


「ドワーフの国。楽しんで来いよ久しぶりの異世界なんだからな」

「楽しめるかどうかは分からないが行ってくるよ」

「土産話楽しみにしてろそれと、俺たちがいない間よろしく頼むぞ」

「おう。ところで誰を連れていくのか決めてんのか」

「もう決まっている」

「以下同文」

「そうか」

「取りあえず同行する者を連れてディアンがいる所に集合で」

「分かった」



〇×□△



 クロームはゼノバルトとボルマスから別れドワーフの国に連れていく者に声をかけた。


「ロベルカ、来てくれ」


 すると直ぐに目の前に現れ、お辞儀をする。


「何か御用でしょうか?」

「俺と一緒にドワーフの国に行ってほしい」

「かしこまりました。ではご主人様一つお伺いたいのですが、よろしいでしょうか」

「構わない、何だ?」

「ご主人様以外に行く者はいるのでしょうか?」


 ロベルカの質問にアクロームは答える。


「今回行くのは俺、ゼノバルト、ゼノバルトの従者一人、ロベルカ、案内人のディアンの五人で行く。メイド長のお前の代わりは副メイド長のエレンシアにやってもらう」

「かしこまりました。エレンシアには私が言っておきますので」

「分かった。俺はトバルの所に行く。あそこにいるディアンの所に集合だからな、先に行っといてくれ」

「分りました。それでは」

「それじゃ」


 ロベルカはまたお辞儀をしてからその場を離れた。



〇×□△



 アクロームはトバルの所に向かい声を掛ける。


「トバル、例の植物の解析は出来たか?」


 トバルに向かってそう声を掛けると、機械の脚に付いている刃で木を切っていた脚を止め刃の付いた脚“帯電刃脚(メイザーム)”をしまい。こちらに振り向いた。


「それの解析はもうできております。解析結果を見ますか?」

「あぁ見させてもらう。けど待て、電脳(メアノーズ)を起動させる」


 アクロームは目を閉じる。すると目の中に起動中と書かれた文字が現れる。


電脳(メアノーズ)起動します。低出力モード解除。パスワード入力・・・完了。ID入力・・・完了。お帰りなさいませ、アクローム様』


電脳(メアノーズ)を起動すると機械的な女性の声が聞こえ、起動が完了し目を開ける。


「よしこれでいい。データを送ってくれ」


 トバルは頷き、データを送る。アクロームは送られてきたデータを開き、その内容を読んだ。


「なるほど植物は回復薬。それも欠損部位も再生させることが出来る回復薬になると」

「はい。この植物には細胞を活性化させ高速再生をさせる効能があります。ただし、欠損部位を再生させる程の回復薬を作るにはこの植物から99%の回復成分を抽出しなければなりません」

「そうか。だが俺たちの技術力なら簡単に出来るだろ」

「はい。この程度でしたら簡単に抽出できますが何故私にこれを任せたのですか?」


 トバルはアクロームに何故、自分に植物の成分解析などを任せたのかを聞く。トバルは主に兵器開発、解析をアクロームから任されており、元居た世界ではアクロームを頂点とする兵器開発局の副局長をしていたのだ。勿論局長はアクロームだ。その為こういった植物などの成分解析はあまりしない。完全な技術屋である。


「こういうのはそこにいるセルスに任せれば良かったのでは?彼女は植物と薬学の専門家ですよ」


 トバルは地べたに座って植物の観察をしているセルスを指さした。


「仕方ないだろ、セルスを指名しようと思ったらもう植物採取を始めていたんだから」

「・・・そうですか。・・・それではしょうがないですね」

「セルスは植物と薬学の研究に関しては変態的だからな。」


 トバルはアクローム呆れと表情、発した言葉で全て納得した。トバルの反応からしてセルスは日常的にアクロームの言っていた事をしているのだろう。トバルとそんな話をしていると視線に気づいたのか、件のセルスがこちらに振り向く。


「おやおや、誰かと思えばご主人君とトバル君じゃないか」


 セルスは立ち上がり、アクロームに近付き思いっ切り抱きしめ、アクロームの胸に顔を埋めて深呼吸をした。


「すぅぅぅ、はぁぁぁ。やはりご主人君の匂いは最高だね。とても癒されるよ」


 セルスは顔を上げる。一六五センチの身長にショートカットの少しぼさっとした茶髪に黒い瞳、整った顔立ち。黒の生地に“餃子ハウス”と書かれたTシャツに濃紺色のスカート、黒のストッキングを履き、白衣を着ている。

 そして何よりセルスの大きな果実がアクロームに押し付けられ、その形を変えていく。


「ふふふ。どうだい気持ちいいかい?」


 セルスは更にその果実を押し付け、果実の形が何度も変わっていく。


「気持ちいいなら、触ってもいいんだよ。何なら服の中に手を入れてみるかい?ご主人君になら幾らでも触ってもいいし揉みしだいてもいいんだよ~」


 セルスはアクロームの耳元でそう囁いた。だがアクロームはセルスの肩を掴み体から離した。


「ふふふ。どうやら僕もまだまだみたいだね~」

「そんなことはない。だが俺はこれからドワーフの国に行くからそんな暇が無いだけだ」

「ふ~ん。別に構わないさ、チャンスなら帰って来てからでも、いくらでもあるからね」

「そうか。それじゃ聞きたいことは聞けたし、俺はもう行く」


 セルスは得意げな顔でそう言う。余程自身の身体に自信があるのだろう。


「セルスの事、見といてくれ。トバル」

「・・・わかりました。行ってらっしゃいませ」


 トバルが一瞬言葉に詰まるが、アクロームの言葉なので断れなかったのか渋々了承する。


「帰ったら、いつも通りセルスの事は俺が見る事にするよ」

「ありがとうございます」

「じゃあね!ご主人君」


 セルスが右手を大きく振り、アクロームを見送る。



〇×□△



 アクロームはトバルとセルスから別れ、ディアンの所へ向かった。そこには既に全員集まっており、アクロームが最後のようだった。


「悪い遅くなった」

「別に気にしていない」


 アクロームがゼノバルトを見るとその後ろに誰かがいる。それは身長一九二センチの体躯に黒い靄のような物が全身を覆い、目の部分と思われる場所から唯一、赤い靄が少し出ている。


「やっぱりお前も右腕を連れていくのか」

「あぁ。お前と同じようにこのクリアードを連れていく。ただロベルカやディアンほど喋りはしないがな」

「そんなことより早く見せてくださいよ!クルマってやつを!」


 アクロームがゼノバルトが喋っていると、ディアンが話に割り込んできた。どうやら早く車を見たい様だ。


「分かっているさ」


 アクロームは<魔法収納(セル)>からクーガーHEを二輌出した。


「これがクルマてやつか」

「そうだ。これはちょっと改造して二輌とも運転席が右側にあるんだ。・・・そんなことは置いておいて、さっさと乗れ。ゼノ、そっちの方頼むぞ」

「あぁ任せておけ」


 アクロームとゼノバルトが運転席に乗り、ロベルカとクリアードが助手席に座った。ディアンがアクロームの後ろの席に座った。


「それじゃ出発するぞ」


 先頭のアクロームが乗るクーガーHEが動き出した。



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