第21話 キャンプに行こう➃
朝になった。
コンスタンツィアは朝まで一緒にいる気は無かったのだが成り行きでついつい朝までたっぷりエドヴァルドを可愛がってしまった。彼は声を上げずに必死に我慢しようとするのに、コンスタンツィアは逆にどうにかして声を上げさせてやろうと虐めてしまった。
途中逃げられそうになったが、乗馬で内股が大分鍛えられていたのでがっしり掴んで離さなかった。
朝、身だしなみを整えて天幕から出てくると近くの天幕からペレスヴェータとイーヴァルが出て来た。彼女も何やらうむうむと頷いている。
「やっちゃったわ」
まぁいいかとコンスタンツィアは開き直った。
「なんだ。エドヴァルドの奴は起き上がれないのか。うちの女王様もきついがそっちも大変だなあ」
ペレスヴェータが杖でイーヴァルの頭をぽかりと殴り水を汲みに行かせた。
コンスタンツィアが自分の天幕に戻るとヴァネッサがふくれっ面をして待っていた。
「ずるーい」
「また今度ね」
「噂になっちゃうかもしれませんよ」
「なるようになるでしょう」
開き直ったコンスタンツィアはいきなり婚約発表するより世間に少しずつ噂を流した方があたりが弱くなるかもしれないと考えた。
「年下って自分の趣味じゃないと思っていたけれど意外と悪くないものね」
コンスタンツィアは立場上、自分が結婚するとしたらもっと年配のたくましい男だと思っていた。同年代で地位の釣り合う男はいないし、年下は論外。
自分は背もかなり高いし、家柄の事もあり、並大抵の男では精神的にも対等に立てない。
エドヴァルドには遠慮があり、まだまだとても自分と対等にはなれないが時間が解決してくれるだろう。
「ま、好みの男に育てあげればいいのよね。邪魔さえ入らなければ将来は約束されたようなものだし」
やる事も終わったのでさあ、帰ろうと二泊三日の旅は終わりを告げた。




