第18話 コンスタンツィア邸攻防戦②
ヘラートが目を覚ました時には既に夕方だった。
彼は右足が折れていたものの幸い生命は無事だった。
生き残りの従士とビズ曹長達正規軍分隊員達が必死に引きずり出して救助してくれていた。
「他の騎士は全滅だと?ランドはどうした?」
「ランド?誰です?」
「私の従士だ。裏手に回っていた筈だ」
「ああ、それなら花畑で倒れているそうですよ」
「何故救けに行かない!」
感謝の言葉もなく大声で威圧されてビズはさすがに不快になった。
「貴方ね。少しは感謝くらいしてみせたらどうなんです?あの巨像は敷地に入りさえしなければ無害なんです。もう一度忍び込むなんて絶対御免ですよ。私の部下も三人死んでるんです。冗談じゃない」
「なんだと?ランドは私の姉の息子なんだぞ!貴様ら平民とは命の重さが違うんだ。いいから行け。さもなくばお前の階級を剥奪して蛮族戦線送りにするぞ!」
「ははあ、わかりました、わかりました」
隣家からベッドを借りて寝かせていたヘラートが拳を振り上げて今にも殴り飛ばそうとしてくるのでビズは取り合えず了解したといって退席した。
その命令を聞いていたトバリがビズに問いかける。
「まさか、本当にもう一度あの屋敷に行くつもりですか?」
この仕事が終ったら家族に会いに行くつもりだったトバリは絶対に御免だという顔で尋ねた。
「馬鹿言うなって。口先だけだよ。うちらは大隊本部から命令があるまで何もしない。もうすぐ中尉が来るから全員待機だ」
そして数分後パラ中尉が小隊長たちを率いてやって来た。
ビズは経緯を報告し、再びヘラートのもとへ連れていかれた。
「貴様が指揮官か。私の甥はどうした?」
「甥?」
どういうことかと中尉はビズに水を向ける。
「あー、裏手に回った別動隊がいるのでありますが、そちらは近所の人の話によりますと毒ガスを放出する危険な花畑であり既に生命は絶望的とのことであります」
泥棒除けの為に昔の主が植えたもので、近所の子供達にも近づかないようにお触れが出ていたらしい。ろくに調査もせずに乗り込んだ為、彼らは一網打尽になっていた。
「そうか。では軍団司令部から魔術師を呼ぼう」
中尉はあっさり頷いたが、ヘラートは憤懣やるかたなかった。
「気絶しているだけでまだ生きてるかもしれないだろう!どうにかならないのか!?」
「話を聞く限り我々の能力では到底無理でしょう」
中尉は潰れた死体を見ており、既に元の位置に戻っている石像の足に血や肉片がこびりついている事も確認した。
「そうだ。お前達は砲兵隊だろう。大砲であの石像を破壊しろ!」
「大砲をこんな街中で?」
中尉は騎士の正気を疑った。
「そうだ。早くしろ。これ以上時間をかけると日が暮れる。そうなったら狙いを付けられるのか?」
「それは困難ではありますが・・・」
「このままだとお前達は何の役にも立たなかったとアンドラーシュ殿や我が主君に報告する事になる。砲兵隊など無用の存在であるとな」
ユンリー将軍との戦いでも山岳地帯を逃げ回る反乱軍相手に砲兵隊の出番は無く、彼らの存在意義が軍団内で問われていて、そこをつかれると中尉も弱かった。
「何も屋敷に撃ち込めと言っているわけじゃない。あの石像を破壊しない限りどうせ議員を連行する本来の任務も遂行できないだろう」
「確かに・・・。ですが、司令部に報告しなければ」
「だから、いちいち報告して命令を待っていたら文字通り日が暮れると言っている!お前達の司令官も大砲を持っていけと言ったのだろう?なら撃って良いという事だ。違うか?」
「それはそうですが、あくまでも脅しの為であって」
「石像に撃ち込むのも脅しに過ぎん。そも古来より言うだろう。『将、外にあっては、君命も奉ぜざるところあり』主君に絶対的な忠誠を誓う騎士でさえ、現場では自分の判断で行動する。軍団兵も現場で剣を振るうのにいちいち上司の命令を待たないだろう。お前達の場合はそれが大砲なだけだ」
中尉は結局ヘラートの指示に従った。
間もなく日も暮れて間に合わなくなるという焦りも大きかった。
今日中に連行を完了して投票させなければならない。
◇◆◇
ビズらの放った第一撃は石像に命中せず敷地を越えて隣家に飛び込んでいった。
「外れましたね」
「外れたなあ・・・」
対人用の子弾を内包したいわゆるぶどう弾では効果が見込めなかったため、門前から鉄の弾丸での直射を狙ったが外れてしまった。
「まあ初弾だし、こんなものだろう」
「どうします?」
「そりゃ続けるさ。修正しよう」
「次は地面に転がるように?ここからでは地面にめり込むだけだと思いますが」
「そうだな。後退して距離を取ろう」
彼らは周囲の他の砲兵と共に後退しようとしたのだが、中尉からはその場で修正して射撃を続けろと命令されてしまった。砲兵隊には僅かだが魔術師が所属していて、発射地点の地形を変えたり、反動を吸収する為後方に斜面を作ることも出来る。本格的な砲兵陣地を作るには時間がかかるので中尉が連れて来て手伝わせた。
「でも次に外れたらまたご近所の家が・・・」
「外れないようにしろ」
「そんな精神論を言われても・・・」
「やれといったらやれ。・・・あの騎士が他のラキシタ兵を呼び始めた。さっさと我々の手で終らせないとあの連中、本当に御令嬢を力づくで連れ出してしまうぞ。ここの御令嬢は誇り高い性格と聞く。もし万が一の場合、捕縛を嫌がって自殺でもされたらオレムイストとラキシタ家の争いどころの騒ぎじゃなくなるぞ」
昨年帝都にいなかったラキシタ兵は方伯家令嬢も政府側の人間だと思い込んで敵視している。少なくともボロスが処刑された現場にいて、ファスティオンやヴィジャイが連れていた兵士を殺害したのは確かであり、報復を望んでいた。
パラ中尉は帝国正規軍の保護下に置いておいた方が安心だと考え、ヘラートと同僚達の兵力をさらに上回る数を応援に呼んだ。
ヘラートの側もそれに対抗したため、際限なく動員兵力が膨れ上がっていった。
◇◆◇
大隊長ゼラシュが現場についた時には既に日が暮れた後だった。
魔術師達が明かりを夜空に打ち出して、視界を確保し尚も砲撃が続行中である。
ゼラシュは到着するなり砲兵大隊長を早速叱責した。
「この馬鹿が!本当に撃ち込む奴がいるか!!」
部下達からは荒くれ者のように思われていたゼラシュは意外と理知的で、脅しはあくまでも脅しと考えていた。
「私の命令ではありません!」
「では誰だ」
「パラ中尉であります!」
ゼラシュは中尉をじろりとみやった。
ゼラシュは五年前の東方圏の同盟市民連合都市国家群の鎮圧で勇名を馳せ、自ら敵将を何人も切り殺した豪の者だ。中尉は怯えてすくみ上る。
「何を考えているんだ。お前は。そこら中新聞屋共で一杯じゃないか。軍団兵が帝都で民家に向って大砲をぶっぱなしたと明日の朝刊に出るぞ」
パラ中尉は強面のゼラシュに怯みつつも抗弁した。
「お言葉ですが、砲兵隊に出動を命じたのは閣下であります!」
「俺ははっきり『脅し』だと説明したぞ」
「しかし・・・ヘラート殿のご命令で・・・」
「木っ端騎士共がなんだ!お前は軍の指揮系統を何だと思っている」
ゼラシュは思わず手が出て殴り飛ばした。
現場判断で必要だと判断したのならまだ話を聞いてやる余地もあったが、ラキシタ家の命令に従ったというのは許せない。
砲兵大隊長が中尉を助け起こしてやり、一緒に詫びた。
ゼラシュと同じ大隊長だが、軍団司令部から今回の任務ではゼラシュの指揮下に入るよう命令されている。
「砲撃を直ちに止めろ」
「了解しました」
砲兵隊長は即座に指示を送った。
「で、被害は?」
「我々の被害は数名のみであります」
「他に被害が出ているのか」
「ラキシタ家の兵達が応援に来る度に制止も聞かず入り込んで断続的に被害が出続けています。先ほどまでで死者、重傷者300名以上。近隣の被害も含めます」
「呆れた連中だな。それだけ被害が出てもあんな石の塊に挑み続けてるのか」
ゼラシュはせせら笑った。
目的は議員の連行だろうに、石像を倒すのに躍起になるとは。
「今は諦めて我々に砲撃を集中するよう言ってきました」
「だが、無駄なんだろ?」
「はあ・・・どうもあれが魔導装甲歩兵というものらしく魔力の籠っていない鉄塊や石弾をいくらぶつけても効果は出ないようです。恐らく魔導銃兵を動員した方が早いでしょう」
「俺なら牽制している間に館に忍び込むね」
ゼラシュも裏手のどこからか忍び込むのを提案した。
「それが敷地内はどこも罠だらけらしく。子供の事故死を避ける為に致死性のあるものは少ないようですが館まで辿り着くのは難しいようです」
「解除できないのか?」
「ラキシタ家の魔術師に頼んでみましたが、彼らの手に負えるものではないしいずれ魔力が尽きる筈だと言われまして」
「で、人海戦術か。人の命を何だと思ってるんだ。馬鹿共が」
嫌がる平民の兵士に報酬をちらつかせて何度も特攻を繰り返させていた。
日も暮れて、議員連行の命令を遂行し終えた分隊も集結して第7軍団兵は2,000名近くが集まっている。ラキシタ兵達も対抗して集まって来ており、方伯家の屋敷を十重二十重に完全に包囲した。
「馬鹿共とは随分な口の聞き方だな。隊長」
ゼラシュの大隊が仮設営した陣幕にラキシタ家の騎士達が入り込んで来て開口一番そういった。
「なんだ、お前は?」
睨みつける騎士達に怯みもせずゼラシュは一番格上そうな老騎士に尋ねた。
「儂はメンデス。主君よりアージェンタ市の統括を任されている」
「それは第7軍団の役目だ。呆けたのか爺さん」
メンデスの部隊はアルワリフ少将の指揮下の筈だとゼラシュは指摘した。
「口の利き方に気を付けろよ小僧。この儂はご当主に長年仕えた騎士でもある。貴様はどこの家のものだ」
「家・・・?あぁ、肉屋だよ」
「は?」
メンデスと騎士達は将軍に偉そうな態度を取っているのでゼラシュもそれなりの出の貴族なのかと思っていた。
「やっぱり耳が遠いのか、爺さん。俺は平民の肉の解体屋の出自だと言っている」
それを聞いてラキシタ家の面々は大笑いした。
魔力を持たない平民が意気がっていただけだったと。
「わかったわかった。もういい肉屋。お前如きと話す時間も惜しい。砲撃を止めさせたようだが使わないのなら我々が預かる。お前達は晩飯の支度でもしていろ」
「馬鹿言え、大砲の使い方も分からんお前らにくれてやっても砲身を破裂させるのがオチだ。お前達こそ魔術師をこちらに差し出してとっとと失せろ」
小者など相手にしないと余裕を出していたラキシタ家の若い騎士達はこの放言に、笑いをぴたりと止めて剣に手をやった。
「調子に乗ったな、平民が。殺すぞ」
「やってみろ。間抜け共。槍兵!」
第7軍団側の陣幕なので護衛の兵士も十分におり、護衛達はゼラシュの命令に従って一斉に槍を構えた。さすがに騎士達の代表であるメンデスはここで同士討ちをするのは不味いと考えて仲裁に入った。
「まあ、まてお前達。あまり逸るな。この男を始末するのは簡単だがそれでは主にご迷惑がかかる。それは本意ではあるまい。そちらももあまり挑発しないで貰いたい」
老将軍にいわれて騎士達も仕方なく剣を収めた。
が、ゼラシュは無視する。
「では魔術師を貸して貰おうか」
「それは出来ん。そちらこそ我々の指揮下に入り砲撃を続行して貰いたい」
「お断りだな」
「将軍の命令でもか?」
「第7軍団で将軍と呼べるのはアルワリフ少将だけだ。閣下のご命令だけに従う」
「我々は生まれながらの貴族であり、騎士であるぞ」
彼らは平民の血が混じり出した帝都の法官貴族では無く、武勇によって騎士の血を繋ぎ続けているのが誇りだった。ゼラシュはそんな事に興味は無く分からん奴だな、と大きく溜息をついた。
「爺さん。帝国正規軍じゃあ十年前の軍制改革でたとえ帝国騎士でも階級は大隊長格からと規定されたんだ。そこのお若い連中は魔導騎士と呼べるほどの力もありそうにない」
ゼラシュが一瞥した所、若い騎士達はかつて同僚だった帝国騎士ケレスティンには到底及びそうもない。せいぜい小隊長程度の器と判断した。
「ま、どんな力を持っていようと軍団の上司以外からの命令なんて聞かないがな。将軍だろうと騎士だろうと他所の身分はここでは通じないんだよ。例え貴族でも階級が下なら命令に従って貰う。我々は絶対にこれ以上砲撃はしない」
メンデスは当初怒り心頭で乗り込んできたのだが、血気盛んな騎士達が先に騒いだおかげで抑えに回らざるを得ず、それで頭が冷えていた。
脅しの通じない相手にこれ以上圧力をかけても本当に内部で殺し合いになるだけだ。
「ふむ。だが、我々は引き下がる事は絶対にない。主君の命令に従わねばならぬし、若殿の仇は討つ。どう扱うかはご主君次第だが、ここの御令嬢は必ず連行する。そちらも任務で来ている筈。お互い協力しようではないか」
「具体的にはどうするって?」
「例の巨像はこちらで抑え込む。そちらには屋敷を制圧する兵員を提供して貰いたい。魔術の罠や毒ガスの類はこちらの魔術師が何とかしよう」
ラキシタ兵側は強硬突破を繰返して被害が多すぎ、メンデスは帝国騎士を応援に呼んではいたが、包囲を維持したまま脱出路を塞ぎ、屋敷をくまなく捜索し制圧する兵員が不足していた。そこでどうしても第7軍団の協力が必要だった。
妥当な取引だとゼラシュも受け入れた。
包囲中の小隊長たちに合図で一斉に突入するよう指示を出してメンデス将軍と共に全体の指揮を取る事にした。
◇◆◇
包囲側は勘違いしていた事が二つある。
一つは魔導装甲歩兵が防衛のみに特化していると思い込んだ事。
ラキシタ兵も、ゼラシュの部下達も、応援にやってきた帝国騎士、魔導騎士達も完全に勘違いしていた。コンスタンツィア邸の魔導装甲歩兵の役割が専守防衛であり、敷地外には決して出てこないものであると。
だが、夕方に比べ配置を変え、精度をあげた砲兵隊のもとに、巨像の一体が突然敷地を越えて突っ込んできた。巨大な戦槌が振るわれ、大砲は簡単に破壊されてしまう。
ゼラシュもメンデス将軍もその時の破片に巻き込まれてしまった。
軍団兵にとってはついていない事にゼラシュが意識を失い、メンデス将軍が全体の指揮権を引き継いだ。
「突入だ!今のうちに突入しろ!アレは魔導騎士に任せておけばいい。館に入ってさえしまえばどうせ手出しは出来ん!」
将軍の指示で完全武装の帝国騎士達は突入して来た巨像と激しい戦闘を繰り広げ始めた。
敷地内にはもう一体が残るが、そちらもラキシタ家の魔導騎士達が抑え込んでみせると断言したので彼らに任せ将軍は全軍突入を命じた。
メンデスが連れて来た熟練の魔術師達も致死性の低い罠しかないと報告していたので問題はない筈だった。兵士達は屋敷を取り囲む鉄柵を乗り越え、或いは破壊し、一斉に踏み込み、そして死んだ。魔術師は毒ガスが充満する花畑を吹き散らし、安全を確保していた筈だったが、その先へ進んだ時、地下から石槍が突き出して兵士達を貫いた。
これが致命的な勘違いの二つ目。
この屋敷の元主人は近所の子供達を怖がらせて立ち入らせないようにわざと危険な情報を流していたのだが、魔術師が本格的に解析したところ人払いだの、一瞬にして地面を沼地に変えてしまう魔術の罠だの、警報音を鳴らすだけだのの致死性の無い罠ばかりだった。
一番危険なものでも花畑の催眠性ガスに過ぎず軍団兵が怖がって近づかなかったのをラキシタ家の人間達は笑い飛ばしたものだった。
外周部の罠を解除し、油断した彼らは第二弾の対盗賊用の致死性の高い罠へと一斉に入り込み、一斉に死んだ。訓練が行き届いていた軍団兵だけに突入の合図に正確に従ってしまったのが不幸であった。
◇◆◇
砲兵陣地と司令部崩壊に巻き込まれたゼラシュは気絶していたが、一度起きて指示を出し、後方に搬送された。そして深夜に目が覚めると薄暗い部屋に自分が拘束されている事に気が付いた。猿轡もされていて、助けを呼ぶ事も出来ない。
その部屋には蝋燭一つしか無く、誰かが刃を研いでいる音がする。
しばらくして二本の手斧を持った男がやってきてにたりと笑う。
「よお、目が覚めたか?」
ゼラシュは必死に藻掻いて「誰だ、お前は!拘束を外せ!」と叫ぼうとしたが猿轡に阻まれ荒い息しか漏れなかった。
「俺の言葉わかるか?俺勤勉だからな。お前たちの国の言葉勉強した。凄いだろ?」
訛りや風体からすると東方人だ。
「俺の名前はリド。お前はゼラシュ。これからお前死ぬ。俺は優しいから、ちゃんと教えてやる。偉いだろ?」
何が偉いんだよ!とゼラシュは藻掻くが拘束は厳重でまったく動かない。
「なんで自分が死ぬか理解しないと道に迷うからな。これからお前をバラバラにしてから殺して河に流す。お前みたいな悪党でも冥福は祈ってやる」
フガフガ言っているゼラシュをリドは哀れんだ。
「言いたい事言えずに死んでいく。哀しいよな?」
リドはゼラシュの目を覗き込み、次々と言葉をかけた。
「問答無用で一方的に殺し、荒らし、去っていく。悔しいよな?」
ゼラシュに臭い吐息がかかるほどの近くまでリドは顔を寄せた。
ゼラシュは頭突きしてやろうと全力で頭を動かしたが、首輪で可動域が制限されて届かない。
リドは満足した。
「皆憎んで恨んでるのに手が届かない。だから俺が追いかけてきた」
リドは両手にそれぞれ手斧を持っている。
重ねてシャリシャリと鋼の音を立て、風に揺らぐ蝋燭の炎がその影を不気味に揺らした。
「俺はパルタスの奴隷戦士リド。これからお前の指を一本一本寸刻みに斬りおとす。ここは豚の解体小屋だから掃除もらくちん。お前に懺悔する時間を与えてやる為にゆっくり解体してやるから感謝しろよ?」




