後編あとがきと設定資料の駄文
はい、どうも作者です。
毎度御覧頂き有難うございます。
最近はスマホが水没したり、仕事が忙しかったり、指先怪我したりいろいろありましたが、どうにか第5章も終え、200話も過ぎました。(第5章はこのあと外伝あり)
エドヴァルド対フィリップ戦で200話も過ぎてからようやく主人公が本気で戦いに入りました。まともにやったら勝てないので口で挑発したりしてみましたがまともな主人公のやる事じゃないですね、はい。
もう一回戦ったら確実にエドヴァルドの負けです。
セイラがやったようにパンチに魔力込めて第二世界の壁を突き破られてボコボコにされるでしょう。コンスタンツィアが助太刀して隙を作ってどうにか勝った感じです。
コンスタンツィアは当初、典型的な高慢ちきなお嬢様キャラにしようかと思っていたのですが、エドヴァルドがあんまり感じのいいタイプではなく、イキリ屋さんなのでその分母性的なキャラクターになりました。二人揃って感じの悪いキャラにするとバランス悪いかな、と思いまして。
ただし、二人とも敵には容赦なく殺意は高いです。
次章はラキシタ家の人々と関わるストーリーですが、ラキシタ家の名前の由来はインド北西部、今はパキスタンにある遺跡タキシラからです。関係者の名前もアレクサンドロスの侵入に立ち向かった人々の関係者からのアナグラムとか適当なもじりになっています。
【魔術師同士の戦闘について】
本編中にも解説していますが自分のMPを消費するのではなく周囲のMPを消費しているので、使える回数に限度があります。
何もない空間に火球を生み出すような事は出来ず、現場にある風とか地面とかを操って攻撃に使います。ファンタジーでよくあるファイアボール的なものを使う際は火の属性の強い魔獣を加工した霊媒を投擲して魔術で引火させるような形で可能ですが、この世界ではそんなことするより手榴弾でも投げた方が遥かに安くて効率的です。
【世界観について】
あらすじにある通り帝都は近世的な雰囲気で考えて頂ければと思います。
鉄筋コンクリートの高層建築物もあり、高価ですが透明度の高いガラス窓もあり、運河の護岸もコンクリートで覆われています。
日本橋の三越前あたりのイメージでしょうか。
自転車も開発されたので今後ちらほら街中で試験車が出回り始めます。
飛行船もあり戦争に使用されましたが、カールマーンの命令で開発、運用中止させられました。
この世界ではファンタジーの魔術的な要素は戦争より土木工事や日常生活の発展をメインに発達していきました。発達した科学は魔法と区別がつかないとよくいわれますが、魔法が使えるということは現代、未来の科学で出来そうな事も実現可能といえますよね。
雰囲気的に合わないのであまり作中には出しませんが貴族や上流階級の家ではボタンでお湯が出たり、冷暖房、温水シャワーも使えます。エネルギー源は魔力を多く含有している鉱石。貧乏貴族の血や毛、魔獣から作った魔石や素材等なので平民でも使用可能です。
ちょくちょく使われる魔導騎士用の『魔石』ですが、SFのインプラント技術をイメージして貰えればいいかなと思います。
【構成について】
第5章となる1430年は前・中・後編から前・後・外伝の形に変更いたしました。
この後少しお休みをして数週間後に外伝が始まりますが、あってもなくても第六章に影響は無いように仕上げる予定です。ちょくちょく名前だけ出てくるスパーニアという滅亡した国関連のお話です。
どんな国だっけ覚えてないやという方は末尾の【スパーニアについて】をどうぞ。
ご興味なければ外伝は飛ばして次章の開幕までお待ちくださいませ。
構成を変更して推敲し直してる関係で次回更新は数週間遅れる見込みです。
【文字数について】
本編は1話3,000字~5,000字を目途に書いています。
遂行する時たまに、書き足したり削ったりすることもあり増減しています。
やたらと短い時は削った時です。
セイラの友人ソフィアが登場した時、天馬について補足しようかと思っていたのですが、くどいので思いっきり省きました。設定資料的なものを無理やり本編に入れても話しの流れ的に邪魔かな、と思いまして後述する事にしました。
天馬については次の通りになります。
【天馬について】
天馬は生態が謎とされている動物で、馬の群れの中に忽然と姿を現していたりする。何も食べなくても生きるので排泄物も無い。
騎乗を許した人間が死ぬときに天馬も死んでこの世から姿を消し遺骸も残らない。
現象界の生物ではなく何かの間違いで精霊が実体化して高次の世界から迷い込んできたのだと考えられている。古代には天馬が出現しやすい地域は複数あったと伝えられているが現代ではヴァレフスカ家が管理している牧場だけが唯一残っている。
一族は代々天馬と愛称のいい人間と婚姻を繰り返しているが、一族の生まれでも天馬には必ずしも跨れるわけではない。
どれほど皇家が争っても代々の皇帝がヴァフレスカ家を保護しているのは天の使いとされる天馬を調教して管理できるのがこの一族だけで、皇帝の権威の補強になるからである。
初代皇帝スクリーヴァが人類の管理を神々から命じられたという正統性を天馬の存在が補強する事になる。
偶然発見された野生の天馬を乗りこなす者も数名いるが、現在の天馬の乗り手の大半は皇帝がヴァフレスカ家に命じて優れた業績を残した者に与えさせたものである。
【スパーニアについて】
要約すると帝国に次ぐ第二の大国があり、帝国の独立保障をかけられたウルゴンヌを条約を無視して攻めた所、フランデアンが出てきて女王を娶り、敵対してきて負けた。その間帝国は『マッサリアの災厄』への対処に精一杯で独立保障条約を守れなかった。
最後の戦いの時に帝国の監察隊とイルエーナ大公の裏切りによりクーデターが発生し王妃と子供達は虐殺された。戦後の軍事裁判でスパーニア王国は消滅した。
■『マッサリアの災厄』『スパーニア戦役』『南方戦乱』の細かすぎる時系列
【1412年】
2月 ペリグーの戦い 蛮族によって帝国北方軍12個軍団が壊滅的被害を受ける
3月 ユッカ会戦 スパーニア五大公イルラータ公の家臣がウルゴンヌ公王を敗死させる
※スパーニア戦役開始
5月 マッサリアの戦い 再結集した北方軍20個軍団が全滅
※マッサリアの災厄開始
~6月 スパーニア軍がウルゴンヌ領に侵入、ウルゴンヌ公の遺臣と一進一退
帝国によるウルゴンヌ独立保障に違約した為、外交官や監察隊が派遣される
6月 蛮族軍、東方戦線においても侵入開始、東方軍は引き分け
7月 スパーニア軍が二城を落とし優勢となる。シュテファン王子戦死
9月 のちのフランデアン王がスパーニアに潜入開始、戦場跡で亡者に遭遇
9月 ヴェッカーハーフェンで火薬庫が大爆発、停泊中の火薬輸送船にも誘爆。市中に火災が広がる。市長が死亡、イーネフィール公女プリシラが行方不明(フランデアン王の従兄が救出)
ウルゴンヌに送る予定だったパスカルフロー王国の傭兵団が船団ごと爆死。
9月 ウルゴンヌ公の長男フィリップ王子がスパーニアに勝利
9月 リーアン連合軍がウルゴンヌ公領に侵入開始
11月 スパーニア軍がウルゴンヌ公都を陥落させる
11月 スパーニア軍がフィリップ王子の立て籠もるシエム城を陥落させ王子は玉砕
11月 リーアン連合の上王が蛮族を娶っている事をフランデアン王子と帝国魔術師イザスネストアスが発見。その場で討ち取る。蛮族との間に生まれた半獣人の娘は逃亡。
12月 リーアン連合を王女マリア、マーシャが撃退
【1413年】
4月 フランデアン王子マクシミリアンがシャールミンに改名し即位。
ウルゴンヌ公女と結婚、公女は女王となる。フランデアン=ウルゴンヌ二重王国成立
4月 フランデアン軍先遣隊がウルゴンヌ領に侵入、橋頭堡を築く。
~9月 フランデアン軍がウルゴンヌ全土を奪還
10月 フランデアン軍がスパーニア領に侵入
11月 フランデアン軍がスパーニアの鉱山都市アル・ダラス、要塞都市フォル・サベル占拠
12月 スパーニア軍が飛行船を駆使して魔導騎士隊だけで強襲降下しスパーニア~ウルゴンヌ間の橋を占拠
12月 アロッカ会戦、第二次ユッカ会戦
スパーニア領に取り残されたフランデアン軍壊滅。被害10万以上
※のちの近衛騎士ケレスティン捕縛
【1414年】
スパーニアで政変があり王が交代。
新王のストラマーナ公家で大規模な粛清が発生。反乱を起こしたイルエーナ大公を新王が屈服させる。
ウルゴンヌ戦線は膠着、新王は講和を図る。
4月 蛮族軍が東ナルガ戦線を突破、グランドーン、グランミセルバ要塞陥落
5月 スパーニア・フランデアン間で捕虜交換式
一万人の捕虜の目がくり抜かれていた為、フランデアン王が立ち合い人のアウラ神殿、スパーニアに対し激怒し講和交渉失敗
6月 中原の大国ガヌ・メリがフランデアンに対し宣戦布告
8月 ウルゴンヌ戦線でスパーニア軍が押し込み始める
9月 ブランネン会戦 フランデアン王自らガヌ・メリの大王を撃破
10月 リーアン連合の西部諸国が再びウルゴンヌ侵入
10月 帝国海軍の大規模海難事故発生、大陸西方を迂回してマッサリアの背後に送り込もうとしていた戦力が全滅
11月 フランデアン王がウルゴンヌ女王の姉マーシャが立て籠もる城を救援
12月 フランデアン王がリーアン連合軍を追撃するも逆撃により敗退
★コンスタンツィア誕生
【1415年】
リーアン連合西部諸国が独立宣言し神聖ピトリヴァータ王国を建国
1月 ナリン誕生
1月 フランデアンの援助によりガヌ人民共和国建国、ガヌ・メリに独立闘争開始
2月 ポンテ・ミアーム商会事件決着
3月 上記事件による被害、種苗法違反による損害を求めた南方候ヴィクラマがカールマーンに無下に扱われた為、反乱を起こす
8月 神聖ピトリヴァータ王国軍とリーアン連合軍が戦闘しリーアン側勝利
10月 スパーニア軍が再度降下作戦をウルゴンヌ王都に敢行
フランデアン竜騎士隊がスパーニア軍空中船団を撃墜して勝利
11月 フランデアン王と神聖ピトリヴァータ王が決闘しフランデアン王が勝利
両者は相互軍事同盟を締結。
【1416年】
蛮族軍が東ナルガ戦線を突破
フランデアン軍スパーニア軍、各国の軍隊は損耗が激しく立て直しを図り膠着状態が長引く。
3月 バルドリッド港の戦い パスカルフロー船団がスパーニアの王都に強襲するも敗退
3月 カレリア島の戦い スパーニア唯一の海外領土をパスカルフロー王国が占拠
4月 スパーニア王が幼馴染と結婚。王子誕生。
★フランデアンにおいても王子フィリップ誕生?
5月 ポークナン・ニアズド城の戦い
神聖ピトリヴァータ王国及びフランデアン、帝国東方軍がリーアン連合の新上王を敗死させる
~7月 フランデアン、神聖ピトリヴァータ王国、帝国東方軍がアル・アシオン辺境伯領を救援
【1417年】
2月 開戦以来ウルゴンヌにおけるフランデアン軍を率いていたツヴァイリング公が戦死
3月 イグニッカの戦い、北方の要衝イグニッカにて蛮族と帝国北方軍が衝突
帝国の近衛騎士、帝国騎士の多くが死亡する。ヴォイチェフ重傷。
北方候アヴローラの魔術にて蛮族の大頭目が氷漬けとなり、北ナルガ河に沈められる。
4月 南方候ヴィクラマが5倍の帝国南方軍、フリギア家、アルビッツィ家他諸皇家連合軍を敗退させる。フリギア家はこの戦いで没落。ヴィクラマは後に暗殺された。
7月 スパーニア五大公のうち二公がフランデアンに寝返り、フランデアン軍の猛攻が始まる。
イーネフィール大公は長女プリシラを女公として継がせ隠居。(セイラの母)
スパーニア王にしてストラマーナ大公はマッサリア救援軍を帰還させ本国の防衛を指示。
9月 マッサリアにて救援に駆け付けた西方候ブラッドワルディン戦死。
10月 イルエーナ大公が息子ガルシアを騙しマッサリア戦線に置き去りにして臣下七将に引き上げを命じる
12月 難民を救出していたイルエーナ大公の長男ガルシアが蛮族により敗死
エイラマンサ大公ラミローは撤退に成功
【1418年】
7月 嘆きの谷の戦い フランデアン率いる連合軍がスパーニアに勝利
同時にスパーニア王都でクーデター発生。
イルエーナ大公の次男アデランタード公がスパーニア王の妻子を虐殺するもスパーニア王が王宮を奪還して失敗。この間に嘆きの谷のスパーニア軍は降伏。
騎士ケレスティンがエリンとナリンを伴ってフランデアンに帰参
★帝国の勅使天馬寮監がフランデアン王のもとを訪れてスパーニアとの戦争を止めるよう仲裁。フランデアン王も受け入れて以降は帝都にて軍事裁判が開かれる。
★エドヴァルド誕生、シュテファン誕生
【1420年】
第16回人類法廷にてスパーニア王は唯一信教を信仰している事を告白
第15回人類法廷の決議により信徒は無条件帝国追放刑に処すと決められている為、即時追放処分
スパーニア王国は解体された。
■スパーニア五大公の処遇について
【イーネフィール大公】プリシラの即位を認め、ウルゴンヌ王国の臣下となる
【イルラータ大公】大公ズュンデンの引退を命じ、大公国はウルゴンヌ王国に編入される
【イルエーナ大公】大公は帝都にて十年の幽閉処分、アデランタード公は三十年。
【エイラマンサ大公】人類法廷の最中に発狂した為、精神病院に送られる
【ストラマーナ大公】スパーニア王が唯一の後継ぎだったが、妻子が死亡している為、帝国が代理統治する(フランデアンについた二大公を除く三大公領全て)
★南方候ヴィクラマの戦死、東方三大国の安定により帝国軍は百万の大軍を北方戦線に送り込めるようになり、蛮族も順次引き上げマッサリアの災厄は終った。
※では次の章までしばらくお休みです。
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