第20話 妖精兄弟と新入生歓迎会
新帝国歴1430年4月。
まもなく今年度のマグナウラ院が開校する為、フランデアン=ウルゴンヌ二重王国の王子フィリップは在学生と新入生をフランデアンの別荘翠玉館に集めて歓迎の宴を開いた。
その中には自身の弟シュテファンもいる。
通学が許可される年齢から二年遅れになったのは兄と同時に通学すると比較されてお互いの為にならないと思われてきたからだ。
フィリップは今年から五年生になり帝国の軍大学招待生と法務省の司法研修生として活動しほとんど学院には出席しない事になる為、シュテファンは留学を父王から許可された。
兄のフィリップの容姿は妖精の民特有の星のような瞳に、やや毛深い耳、緑がかった黒髪、そして低身長が特徴的だ。彼は既に青年期に入り成人の儀も済ませている。弟のシュテファンは母譲りの金髪碧眼で身長も人並み、妖精の民の特徴はほとんどない。
兄弟だが、父親似と母親似で別れていてシュテファンは生真面目なフィリップと違ってややおっとり屋だ。
父から歓迎会で一つ演説するよう言われてもシュテファンは逃げ回って、兄に押し付けた。フィリップとしてはシュテファンに今後、東方圏の留学生達の代表者として責任感のある所を見せて欲しかったのだが、自分より年齢が上の王子達、上級生がいる場で演説するのは傲慢に思えるとシュテファンに言われるとそれもそうかと例年通り自分がやった。
「皆、よく来てくれた。自国でも訓示を受けてから来ているとは思うが皆将来は国を背負って立つ身、くれぐれも言動には注意して貰いたい。まだ到着していない者も数名いるが今年は東方圏から17人の王子や王女が入学する事になる。休学している者も含めるとこれで53人が在籍する事になりこれは過去最大の数だ」
学費が払えれば王族でなくとも外国貴族を受け入れる方針らしく今後はさらに増える事になる。
「自国内でさえ風習の違う民族を持つ国もあるだろうし、ここは億単位の人間が暮らす国だ。面食らう事も多いだろうが落ち着いて行動して欲しい。困った事があれば来年までは私は帝都にいるからいつでも相談しに来てくれていい」
これまで長子だけを留学させていた国も次子や姫も寄越すようになってきていて年々フィリップの面倒も増えつつある。彼も来年には卒業予定で学院での役割を弟に引き継がなければならない。
これまで東方候の息子という事で入学早々に東方諸国からの留学生をとりまとめる役目を上級生から引き継いで来たが、今後は弟がその役目を担う。
毎年の事だが、フィリップは習慣の違いを例に挙げて短絡的な行動を慎むよう厳に戒めた。
「帝国人は我々とは名誉に対する考え方が大分異なる。父から聞いた話だが、昔他の留学生や帝国人と共に一つの例え話をしたそうだ。すなわち、家族が危機に陥っている時、誰から順に助けるかという命の選択だ。我々東方人は躊躇なく父親と答える。帝国人の場合は子供を慈しみ優先するという文化の為、か弱い子供から順に助ける。北方圏であれば女性、西方圏であれば賢き者、南方圏であれば強き者・・・みな家族に対しても明確に優先順位が異なる。日常の身の処し方、男女の恋愛についても考え方はまったく異なるが、我々の事を尊重して欲しければ我々も彼らの考え方を尊重し受け入れねばならない。それをくれぐれも忘れないように」
留学生の中には帝国貴族と決闘沙汰を起こした生徒もいたし、賭け事にうつつを抜かしたり、煌びやかな帝都で遊び暮らし、連日夜会に出かけてろくに登校してこなくなった学生など、道を踏み外した青少年達をフィリップはどうにか引き戻してきた。
女生徒の場合はもっと厄介で軽い気持ちで男女関係になる帝国人と違って東方の姫君達は本来自由恋愛が御法度。それでも親の目の届かない留学中に一生を預けるつもりで親に内緒で相手と付き合ってしまうのだが、相手にとっては遊びだったとわかって自殺してしまった姫君もいた。親も親でそんな娘を国の恥として遺体も引き取らず危うく畜生塚に葬られる所をフィリップが引き取って同国人の墓地に弔った。
10歳の時からこの何の得もない立場を引き継いだのだが、彼一人だったらそんな重責には耐えられなかっただろう。幸い父の従兄にして王の右腕、イーネフィール女公爵の伴侶、騎士リカルドの息子のフランツも一緒に留学して支えてくれたおかげで毎年王子達の決闘騒ぎだの、姫の駆け落ちだの、運悪く病死した学生の死因を認められず暗殺だといいはる国と帝国政府の調停だのをこなしてきた。
時折悪所で性病を貰ってしまう困った王子までいて生活面にまで口出しをしなければならない。
相手も10歳の新入生ならいいが10代の王族であれば入学可能なせいで中には10代後半で自分より年上の新入生までいる。そんな相手にまで同じ訓示を言わなければならないのは非情に馬鹿馬鹿しいのだが定型作業だと諦めて華やかな帝都に浮かれずに節度を持って行動しろといつもの訓示を垂れた。
◇◆◇
16人ほど集まった新入生に一通り訓示が終わった後、庭園で新入生同士の懇親会も兼ねた宴が始まった。フィリップは帝都で活躍している東方出身の奇術師や楽団を呼んで彼らの目と耳を楽しませた。
「ね、フィリップ様」
一人の新入生の女性がフィリップに問いかけた。
「ん?君はアンガーティのエレクトラ姫か」
「ええ、そうです。覚えていて下さって嬉しいわ。ね、ね、私との婚約は考えて下さいまして?」
他の女性達も耳をピクっとさせて側耳を立てた。
「新入生なんだから覚えているに決まっているじゃないか」
エレクトラは14歳でフィリップより一つ下だが、今年入学してきた。
縁談の話は聞いていたが、会うのは初めてだった。父王はまだどこの国とも国内貴族ともフィリップの婚約相手を決めていない。
「そうそう、僕らには帝国政府から魔術で念写した皆の絵姿が回って来ててね」
フランツが話に口を挟み、身分証明書の形を指で作ってあれさ、と示して見せた。
特殊な念写用紙で本人の内なるマナの波長まで念写し魔力を持った王侯貴族用の身分証明書を作る。
高価で複製は不可能だった。
これを持っていれば不逮捕特権を帝国内で得られる。
一枚は帝国政府、一枚は本人、一枚は予備として法の神の大神殿に預けられて保管される。フィリップは帝国から特別扱いされている為、事前に閲覧して顔と名前を覚えていた。
「さすがはフィリップ様、責任感がお強いんですね。それより近年そちらとオージラ湖の漁業権問題が持ち上がっているでしょう?私達の結婚はその解決に向けた糸口になると思うんです」
フランデアン王国の中央を走るリージン河はクンデルネビュア山脈を水源として王国の中央部から北北東に抜けオージラ湖に大量の水を注ぎ込む。海かと思われるほど巨大な湖を隔てフランデアンとアンガーティ王国は接していた。
先のスパーニア戦役の際に東方商人達はそれまでの隊商路だった中原諸国を迂回しこの国を経由してフランデアンや帝国、北方圏と交易を行っていた。アンガーティ王国は小国だったが、戦争中に食糧保存技術が発展した事と、戦乱を避けた交易商人達がこの国の珍味を帝国に紹介した事で一気に活性化し始めた。特に蝶鮫の卵は手のひらサイズの一缶で金と同額になるまで高騰し、フランデアンとの領土問題にまで発展した。
中原諸国の戦乱が小さなアンガーティ王国を富ませたが、さらなる利益を欲した為、大国フランデアンとの国境紛争になってしまっている。
「その辺にしておきなさいな。あまりお兄様を困らせるものではありません」
自分が決められる事ではないので返答に窮しているフィリップに助け舟を出したのはプリシラとリカルドの長女セイラだった。今回は新入生の親睦会だが、フランデアンの別荘に一緒に住んでいるので彼女も出席していた。
母譲りの輝くような黄金の髪、美貌に加えて背の高さも受け継いでいるので兄と呼ぶフィリップよりも既に背が高い。
彼女の登場に新入生の男子だけでなく女子も憧れの溜息を漏らす。
イーネフィール公爵家は彼女が受け継ぐと見られており、フランツの方は父の爵位を受け継いでフランデアンに残ると思われていた。帝国政府からも王国待遇を受ける家柄の為、彼女を射止めれば逆玉の輿になる、帝国貴族からも求婚が殺到する高嶺の花だった。
「そうそう、周りに注意しないとこれから六年間辛い思いをするよ」
エレクトラはセイラを無視してまだフィリップに言い寄ろうとしたが、フランツがエレクトラに近寄ってそっと囁いた。他の新入生の女性達は隣国だからといってフィリップを独占しようとするエレクトラに冷たい視線を向けていた。
唯一、まだ10歳のディシア王国のカトリネル・モルドヴァンだけが周囲の空気を気にせずフィリップに話しかけた。
「ねえねえ、フィリップ様。今度は私ともお話してくださいまし」
「ああ、いいとも。カトリネル、キャットと呼んでもいいかい?」
「ぜひ!」
近年、大抵の国はもう少し成長してから女性は留学させるものだが、ディシア王国は早い段階から帝国での教育を与える事にしたようだ。以前は東方圏において女性に教育など必要無いという国が多くマグナウラ院での男女比も10対1くらいで男性が多かった。
今年はプリシラやセイラの前例のおかげか17人中6人が女性だった。
「あ、ちょっと」
「いいからいいから」
キャットは大分甘やかされて育ったのか、フィリップの膝の上に乗ってしまいセイラが窘めようとした。フィリップはそれを笑って許した。小柄なフィリップの膝にのるほど幼いキャットに周囲も苦笑するだけで流し和気藹々と親睦会は終わった。
◇◆◇
親睦会が終わった後、使用人達が片付けに忙しく働く中、フィリップ達は侍女のナリンからお疲れさまでしたと労わられ茶を出して貰いひと休みしていた。
セイラも労いの言葉をかけ、ついでに新入生達の感想を聞く。
「今年も人気ですのね、お兄様。そろそろ心に決めた人はおりませんの?」
「どの方も皆、美しく、賢く見えて選びようがないよ」
フィリップは無難な返事をする。
「つまりお兄様が心惹かれる女性には出会えなかったというわけですね」
セイラは嬉しそうにフィリップの隣に座って腕を取った。
成長の早いフランデアン王家の血と体格のいいスパーニア系ベルク人の血のいいとこどりをしたセイラは早熟だった。
「こら、セイラ。あんまりくっつくな。その反則乳を押し付けられてフィリップが困ってるぞ」
フランツも母の血のおかげで中部フランデアン人にしては背が高い方だったが、セイラとほとんど変わらなかった。線の細い東方系と肉付きの良い帝国系をいいとこどりしたような体型のセイラは帝国貴族の女生徒達から陰で反則女と呼ばれている。
「あら、意識して下さっているんですか?嬉しい!」
セイラはやっかまれてもめげない。
「・・・君がこんなに甘えんぼうだと知ったらきっと世の男達から幻滅されるだろうなあ」
フィリップも年頃なのでセイラの事は意識していたが、アンヴェルスの王宮で共に育ったのでどうしても妹という意識が強い。セイラの方も迫る割には兄と呼んでしまっている。実兄のフランツも二人が結ばれれば良いと思っていたが、妹が体を利用して迫る事は許さなかった。
「むしろ喜ばれるかも。でも、お兄さんは許しませんからね!」
フランツは父リカルドからセイラに男を近づけるな、と厳命を受けている。
一方母のプリシラは自分がリカルドを説得するから帝都でいい男を見つけて来いと焚きつけた。
傍目に一番幼く見えるのはフィリップだった。各国の少年少女達から羨まれる美貌の持ち主のセイラにも悩みはある。愛しい男の方が身長がかなり低く、本人も劣等感を持っていて伴侶は自分より小柄な相手を選びたいと思っているフシがあった。
「ねえ、お兄様?」」
「なんだい?」
「将来、フランデアンとウルゴンヌのどちらの王になるかを選ぶ時が来たらウルゴンヌを選んでくださいな。わたくしを妻とすればウルゴンヌは安泰です」
イーネフィール公領はウルゴンヌ王国に編入されているが、本国であるウルゴンヌよりも広大で歴史も長い為、女王マリアの後を継ぐ者はかなりの苦労が予想される。その点でイーネフィール女公とウルゴンヌ王が夫婦となれば統治は各段に楽になる。
「皆には悪いけど、私はそれほど結婚を急いでいないんだよなあ・・・。お婆様はあと100年は生きるって噂だし、ひい爺様もまだまだ元気だし、父上も妖精の民の血が強いし・・・後継ぎが必要になるのは孫の代なんじゃないかな」
あちらこちらから迫られるフィリップは押されれば押されるほど引いてしまって、当面誰も相手を選ぶ気はなかった。弟もいるし、10年経ったら考えてみるかとさえ思っている。一方セイラは普通の人間同様の寿命なので焦る日々だった。
同じ館に兄が住んでいなければとうの昔に夜這いに出ていたかもしれない。
「ねえ、お兄様?」
「なんだい、セイラ」
「お母様から聞いたのですけれど、陛下は東方候としての業務に忙しく国内の統治に専念できないご様子。お兄様のお考えよりも早くフランデアンとウルゴンヌの統治を分離して実質的な統治をお兄様とシュテファン君に任される筈です」
ウルゴンヌ本国より編入されたイーネフィールやイルラータ領の方が大きいので諸侯は女王のマリアより共同統治者のシャールミンに従う傾向が強い。マリアも運河の完成で莫大な収入を得られるようになったが、帝国鉄鎖銀行への借款の返済はこれからだった。
「確かに、伯母上もそんな事を言っていたな・・・」
叔母のマーシャは伯母上と呼ぶと鉄拳を振りかざしてくるので直にそうは呼べないが、母親の姉なので本人のいない所ではそう呼ぶフィリップだった。
「協力的なイーネフィールの貴族より問題はイルラータ系の貴族達だね。国家の安泰のためならシュネーラインの娘さんを娶るのが近道だと思うけど」
「まあ、お兄様ったら意地悪ばっかり」
恋敵を持ち出されてセイラは頬をぷくっと膨らませてむくれた。
フィリップは笑って彼女の頬を突いた、二人は仲良さそうにくすくすと笑う。
(あ、あざとい。我が妹ながらあざとい、あれ、絶対わざと子供っぽく振舞ってるよな、ナリン)
(自分の身長を気にしてるんでしょうねえ・・・。時として牛みたいな反則乳を強調して誘惑したり、年下に思われようと子供っぽく振舞ったり必死ですね!)
(牛は言い過ぎだろう・・・)
「失礼しました。セイラ様はお腹もよく引き締まっておいでです」
「え?」
小声で話していたフランツ達だったが、ナリンがつい声を大きくしてしまいフィリップに気づかれた。
「確かに。よくその細腰にそんな大きい風船が乗るもんだ」
「ちょっと、お兄様!」
ウルゴンヌの武術師範ヨハンネスに師事していたセイラは体術にも秀でているので腰回りも引き締まっていた。
「セイラはよく鍛えてるよね。立派なもんだ。ひょっとして腹筋とかしてる?」
「し・・・してますけど。お兄様はもっとふくよかで柔らかいほうがお好みですか?」
「いや、今のセイラがいいと思うよ」
体を寄せてくるセイラの腰を抱き寄せてフィリップは頷いた。
硬すぎない程度に鍛えられている。筋力よりも体の柔軟性を重視したヨハンネスの一派らしくしなやかな体つきだった。
セイラは今の自分がいいと言ってくれるのは嬉しかったが、相変わらず妹として扱われて接触にも無頓着なフィリップに不満を持った。
◇◆◇
「ああ、どこかに背を縮めてくれる神様とかいないかしら」
自室に戻ったセイラはナリン相手に愚痴を言った。
「残念ながら、そんな神様に心当たりはありませんねえ・・・。いっそ自分で作ってみては如何ですか?」
「作る?」
「離婚を司るデーヴァディーム様って人間が作った神様だっていう話ですよ」
婚姻の守り神エイラシーオの加護の力はあまりに強く、恋人達が誓約を違えた時の反動が大きい。その奇跡の力は呪詛とさえ呼ばれる。燃え上がった恋人達はあまりに強く加護を願う為、破った時の反動も大きく、神の呪詛で爆死するような死に様を遂げてしまう事があった。それはあまりに厳しいとして破約の神に願って誓約を無かった事にして貰うのである。
その破約の神こそがデーヴァディームであり、古代の統一聖典には登場していなかった為、人間が後代になって創り出した神といわれる。
「神様を作るなんて不遜だわ。背の低い神様に願ったらどうにかならないかしら」
「それならアノエデア、アノプデアとかエイファーナ様・・・じゃなかったファウナ様がいいですよ」
「ファウナ様って医神の?」
「そうです、神話では背が小さくなる薬を開発したっていわれてますね」
なんでそんなものを開発したのかしら、と首を傾げながら他の妹や弟たちは小柄なのになんで自分だけと嘆くセイラだった。
◇◆◇
「今年もモテモテだね。どうも見た目で甘くみられてるフシはあるけど」
「フン!」
留学に来てからというもの背の高い帝国人や他国人達に囲まれてどうにも劣等感に苛まれているフィリップだった。妖精の森にいればむしろ自分は大柄な方なのに、と不満だ。
「真面目にお嫁さんの候補者考える時はそんなの気にしてたら駄目だよ、将来フィリップの奥さんは王妃になるかもしれないんだし。セイラが駄目ならダルムント方伯家のお嬢さんとかどう?」
「嫌だね!あんな高慢ちきな女。いちいち人を見下しやがって。自分より背の高い女は絶対御免だ」
「ちっちぇ~、我が王子ながらちっちぇえ~」
「うっせ!」
フランツは主筋の少年をからかった。
「ああ、どこかに背を伸ばしてくれる神様はいないものだろうか」
「いないね。イザスネストアス老師に頼んで幻惑魔術で背が高いと錯覚させるくらいしかないね」
「そんなの意味ない!僕は見下ろされるのが嫌なんだ!それに自分より背が高い王妃に隣に並ばれると威厳に欠けるだろ。父上みたいに誰にも何もいわせないくらいの実績があればともかく、今は平和なんだ、誰にもわかるような実績なんて簡単に作れないし戦争なんて望めない」
フィリップはそういってせめて姿勢を良くして立派にみせようと日課の体操に励んだ。
帝国にも古代にコンプレックスに悩まされる王がいた。
自分が左利きの為、道路を右側通行にしようとしたり、背が低い為、ラバにしか乗れなかったが、自分の戦果を記す肖像画や彫像はラバでなく馬に乗った威厳のある絵を描かせた皇帝だ。蛮族領奥深くまで攻め入り連戦連勝で人類史上最も大きな戦果を残した皇帝だが見た目の威厳が足りず内政官はあまり皇帝に心酔していなかった。
内政が回らず、兵站にも影響が出て補給も滞り皇帝は遠征中に餓死者を多数だして虚しく帰還した。
つまらないようでいて、王者にとり威厳というのは大事なのである。




