表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あまいろパステル 〜紡がれる恋の1ページ〜  作者: 神御田
1年生

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/32

10時間目 クリスマスの夜

今回はパーティーの服の買い物、学校、クリスマスパーティー、教会のイベント、ホテルの5セクションに分かれてます。

クリスマスで二人の距離が近付くといったら何かなと考えていた時、なぜかシンデレラが思い浮かんでダンスを入れてみました。

ホテルのセクションは、最後に入れる何か面白いネタ無いかなと考えていたら「終電、終わっちゃったね」のフレーズが思い浮かんで入れちゃいました。

2036年12月19日

〜放課後〜

俺はみゆきと一緒にこもれび市の商店街に来た

今日のホームルームで、24日に学校主催でクリスマスパーティーが行われることが発表されたのだ

ただ、その時の服装に指定があり、男女共に正装でなくてはならないらしい

パーティーへの出席自体は任意なのだが、クラスメイト全員が出るなら俺だけ出ないのはさすがに浮くだろう

とはいえ、パーティーに来て行くようなスーツなんて持ってないので、買いに来るしかなかったのだ


「どうせなら制服OKなら良かったのにな」

「私、会場になるホテル知ってるんだけど、あそこかなり格式高い場所なんだよね…。正直なところ、よくこもれび高校が貸し切れたなと思ったくらい…」

「マジか。てかなんで知ってるの?」

「先輩の結婚式に出席した時にね…」


どうやらみゆきは2年前、今代の歌姫として桜女子の先輩に呼ばれたらしい

ブロッサム・ディーバへの依頼は会社からしかできないと思っていたが、個人でもできるらしい

ただ、依頼料が曲数が多いほどかなり高額になるらしく、結婚式とか特別な場以外での個人からの依頼は無いようだ


「じゃあ文化祭の時40曲近くも歌ってもらったのも払わないといけなかった?」

「あれは例外。自分のクラスの出し物だったし、私もクラスに何か貢献したかったから、あれくらいでいいならいくらでもやるよ」

「え?あれくらいって、手抜いてたの?」

「そんなことはしないよ。ブロッサム・ディーバは言ってしまえば歌のプロだからね。だからプロとして最高のお仕事をしたつもりだよ」

「なんかこっちがタダで歌わせたことが悪いと思っちゃうな…」

「あれ、お気持ちだけで正規料金をはるかに超える額貰ったし、今も配信サイトからの売上がかなり入ってるって学園から連絡あったんだけど…」


みゆきの話によると、歌姫への報酬は一旦桜女子に入り、売上の70%と観客からのチップの全額が税金を引いた上で歌姫に支払われるらしい

文化祭での売上についてもこもれび高校から桜女子に振り込みと報告をしてもらい、分配してもらったようだ


「ちなみに歌姫辞めた後に入ってきた印税はどうなるの?」

「ちゃんとそれを歌った歌姫に振り込まれるよ」

「なるほど…」

「あ、そうそう」


そう言うとみゆきは鞄から1枚のチラシを渡してきた


「これは?」

「桜木市の教会のクリスマスイベントのお知らせ。クリスマスイブの日の夜、そこで聖歌を歌うことになってるの」

「へぇ…。それでこもれび高校のパーティーは欠席にしてたんだ…」

「うん…。本当は私も行きたかったんだけど、お仕事だから仕方ないよ」


そう言うみゆきの表情は寂しそうだった

こもれび高校の生徒なのにこもれび高校のイベントに参加できないのは確かにかわいそうだ

しかし、ある意味仕方ないという側面もあるだろう


「それで佐藤君、決まったの?」

「へ?」

「さっきから私に色々聞いてきてるけどパーティーに着て行く服は決まったの?」

「あ…」


俺はみゆきに見てもらい、パーティーに着て行く服を選んだ

少し値段は張ったが、良いものを買えたと思う


2036年12月24日

〜ホームルーム〜

「今夜のクリスマスパーティーですが、開始時間が変更になりました。開始時間は19時からになりますので、あまり早く来過ぎないように気をつけて下さい。あと、入る時には学生証が必要になりますので忘れずに持って来て下さい」


ホームルームが終わると、みゆきは急いで教室を出て行った

その様子を見た上山と加藤がふと呟いた


「最近みゆきちゃん、終わったら急いで帰ってるけどどうかしたのかな…」

「確かに最近帰るの早いよな…」

「実は…」


俺はみゆきが桜木市の教会で聖歌を歌う話をみんなに話した


「おい佐藤…」

「そんな大事な話…」

「なんで黙ってやがったんだー!!!」

「ちょっ…!」


俺はクラスの男子たちに襲い掛かられた


「全く…うちのクラスの男子は…」

「でも今回は黙ってた佐藤君が悪いような…」

「だからってあれはちょっと…」

「お前ら落ち着け!イベントは21時からで入場自由なんだからお前らも一緒に行けばいいだろ!」


俺の一言でクラスの男子たちは大人しくなった


「いてて…。…ったくお前らあいつが絡むと本当に容赦ないなぁ…」

「お前は愛野さんと幼なじみって地点で俺らより親密な関係なんだから隠し事すりゃなぁ…」

「あいつら本当にバカなんだから…。別にこのクラスに愛野さん以外に女子がいないわけじゃないんだからさ…」

「ただ、男子たちがみゆきちゃんに群がるのも分かる気がするなぁ…。うちのクラスの誰よりも女子って感じだからさ…」

「まあ…確かにうちのクラスの女子全員が束になっても愛野さんには勝てない気がするわね…」

「まあ…胸の大きさ無視すればな」

「あー…」


うちのクラスの女子たちのバストはそこそこ大きい

それに対してみゆきのは、もはや小学生レベルだ

色々な点で周囲の女子を圧倒するみゆきだが、運動能力とバストだけは周囲の女子に完敗しているのだ

だからこそ、男子内で密かに行われた人気女子ランキングで1位を取ってはいるが、2位とは僅差なのだ


「佐藤君はみゆきちゃんの3サイズ知ってるの?」

「さすがに知らないよ。胸小さいのだって水着の上から見たから分かる程度だし。ただ…俺の予測ではAAAとか?」

「それは無いんじゃない?この前の体育の授業の着替えの時に見たんだけど、私が中1の時くらいだったよ」

「いやそう言われても分からんって…」


ただ、上山の口ぶりからすると、おそらく少しは膨らんできているのだろう

今年の夏に初潮が来たって言ってたのを考えると、全くあり得ない話ではない

もしみゆきもバストが他の小さい子たちと同じくらいの大きさに並んだら、場合によってはみゆきがランキングでもぶっちぎりになるかもしれない

そんなことを思いながら俺は一旦家に帰宅した

そして、金曜日にみゆきについて来てもらって買ったスーツを着て家を出た

直後、みゆきがそこそこ大きめなスーツケースを持って出てきた


「よう」

「あ、佐藤君」

「何それ?」

「え?ドレスだけど…」

「着て行かないの?」

「汚すと大変だからね…。それにこれ着て移動するのはさすがに大変過ぎるよ…」

「ん?」


移動が大変過ぎるドレス?

パーティー用のドレスでそんなものがあるのか?

女子の服って奥が深いんだなぁ…


「…っと、そろそろ行くか。ここからだと遠いから早めに行かないと」

「え?私、行けないよ」

「へ?あ、そっか。悪かったな」


俺は一人で駅へ向かった


「あれ?じゃあみゆきがスーツケースで運んでるっていうドレスって何だ?」

「なに独り言言ってんだよ」

「なんだお前か。いや、ちょっと気になったことがあってな」

「ふーん。ま、俺には関係ないかな」

「お前なぁ…」

「そういや最近、よく愛野とデートしてるけど上手く行ってるの?」

「微妙。進展はあんま感じられない」

「うーん…もしかしたら幼なじみっていう壁を越えられずにいるのかな…」

「ある意味幼なじみってステータス、不利なんだなって思うよ。小さい頃からの友達っていうイメージがかなり強く刷り込まれてるから」

「鍵は愛野にお前を幼なじみじゃなくて男として見てもらうことだろうな…」

「だな…」


俺たちは特急に乗ってこもれび高校に行き、電車を乗り継いで会場まで行った

この会場はみゆきが行く教会とはそこそこ近い

だから途中で抜けて行くのは意外と容易い話なのだ

会場の入口には先生たちと警備員が学生証のチェックをしていた

俺たちは学生証を提示して中に入った

会場になっている部屋はダンスパーティーにも使われるだけあって広く豪華だ

そしてテーブルも壁の方に寄せられているためダンスもできる

授業でも社交ダンスは習っているが、実際にちゃんと踊れる人はあまりいない


「そういえば愛野は?」

「この近くの教会に行った。なんかそこで歌うとかなんとか。お前こそ牧野はどうしたんだよ」

「あいつもこの近くの教会行ったぜ。あいつ、聖歌隊のメンバーだから」

「ほう…。ちょっと意外だな」

「だろ?俺も聞いた時はびっくりしたぜ」


その時、音楽が流れ出した

すると、上級生たちが男女で組んで踊り始めた


「さすがは上級生だな…」

「まあ…俺らよりもたくさん練習してるんだろうからな」


その時、白いドレスに身を包んだ女の子が会場に入ってきた

その姿はまさにどこかの王国のプリンセスといった感じだ

会場が一気に騒がしくなってきた


「ん?誰だろう…」

「さあ…って、こっち来た」

「何してんの?」

「うおっ!!…って牧野かよ…。お前聖歌隊の練習行かなくていいの?」

「思いの外早く終わったから来たのよ」

「てか牧野、あのこっちに来てる子だけどさ、あんな子うちの学校にいたっけ?」

「あー…あたしもびっくりしたんだけど、あれ、みゆきよ」

「ほへ?」

「だから、みゆき」

「マジで?」

「あ、本当だ」

「え?あ、マジか…」

「ごきげんよう、お二方」

「ご、ごきげんよう?」

「どうしたの?その姿」


みゆきは事のあらましを話してくれた

どうやら練習の時はみゆきまで来る必要は無く、開始時刻に来れば良かったらしい

そのため時間を持て余したからこっちに来たらしい

ただ、元々来る予定じゃなかったためパーティー用のドレスの準備をしてなくて、仕方なく今日のイベントで着るドレスを着たらしい


「ただそのドレス、動きにくくない?」

「着慣れたものだから大丈夫だよ」

「てかそのドレス、何?」

「これ、桜女子学園の歌姫(ブロッサム・ディーバ)の衣装なんだって」

「マジか」

「ねえ佐藤、みゆきと踊ってみたら?」

「は?いやいや、俺、ダンスあんまり得意じゃないんだけど」

「愛野除けば俺たちの中では一番上手いだろ」

「私は除外なんだ…」

「お前は桜女子にいた時からやってたから飛び抜けて上手いじゃんかよ…」

「うーん…自信無いなぁ…」

「ミスっても気にしないからやってみなよ」

「………。……分かったよ」


俺は服を正してみゆきに向き直った


「みゆきさん、僕と踊っていただけますか?」

「謹んでお受け致します」

「違和感凄いな…」

「まあ…マナーとしては良いと思うわよ」

「だな」

「お前ら茶化すなよ。恥ずかしいんだから」


俺はみゆきの手を取り、真ん中の方へ移動した


「もしミスったらごめんな」

「気にしなくても大丈夫だよ」


曲が始まった

俺たちはステップを踏み始めた


(何だろう…凄い踊りやすい…。いつもならこんなに上手く踊れないのに…)


会場がかなりざわついてきた

どうやら俺たちのダンスを見て感激しているようだ


「すげー…」

「佐藤の奴、結構上手くないか?」

「佐藤君は元々センスがあったからね。あのパートナーの子がそれを上手く引き出せるように合わせてくれてるから上手く踊れてるんじゃないかな?」

「なるほど…。てかあんな子、うちにいたか?」

「あれ、みゆきちゃんだよ」

「え!?あれ愛野さんなの?」

「羨ましすぎるけど今回ばかりはお似合いと認めざるを得ないぜ…」

「ああ…。普段なら粛正だけどあればかりは…」


どうやらみゆきと気付いてる子は1年の中でもわりと少ないようだ

歌姫の衣装着てるならもっと気付くと思うのだが、ほとんど気付いていないらしい


「何が起きてるんだ?」

「このドレス、いつもステージで着てるのとは違う特別なステージで着てるドレスだから。今年は教会の100周年記念だからってことでこれにしたの」

「なるほど…。それでみんなが知らないのか…」


曲が終盤に差し掛かった頃には、踊っているのは俺たちだけだった

そして、俺たちのダンスをみんなが見ていた

それに気付いた俺は緊張してきてしまった


「緊張しなくて大丈夫だよ。佐藤君は元々かなり上手だったんだよ」

「え?でも授業だと…」

「それは男子と踊ってたからだよ。男性用のステップ同士だと相性は悪いからね」


そういうことだったのか

授業では男子と練習で踊っていたから踊りづらかったのだ

でも今みゆきが踏んでるのは女性用のステップ

男性用のステップを踏む俺とは相性が良いのだ

さらにみゆきは俺に合わせて踊ってくれている

だからさらに踊りやすいのだ

そう思うと俺の緊張は自然と解れていった

それと同時に足取りもかなり軽くなったような感じだった

そんなことを思いながら踊っていたら、いつの間にか曲が終わりを迎えようとしていた

そして曲が終わると、周りから大きな拍手と歓声が上がった

俺たちはクラスメイトたちのところに行った


「佐藤、お前本当は得意だったのか」

「いやいや、そんなことはないよ」

「愛野さんも凄かったわよ」

「私は中学生の時からやってたから…。それに佐藤君がかなり上手だったからね」

「いやいや、俺なんてお前に流されて踏んでたようなもんだよ」

「佐藤君は基本を完璧に押さえられてるから、あとは回数こなせばしっかり定着すると思うよ。でも相手は女子じゃないと意味ないからね」

「あ、ハイ…」

「じゃあ私はこれで…」

「ちょっと待ってよ。愛野さん、俺とも踊ってくれよ」

「あ、その次俺と」

「立花君は身長差があり過ぎて私と踊るのは難しいと思うよ。田中君は実力的に無理だと思う」

「ガーン…」

「それに私、そろそろ行かないと間に合わないから。それでは皆様、ごきげんよう」


そう言うとみゆきは会場をあとにした


「なんか…シンデレラみたいな感じだったな」

「確かに…って二人ともいつまで落ち込んでるのよ」

「背が高い自分が恨めしい…」

「実力不足な自分が恨めしい…」

「あんたらバカか…」

「まぁ…立花はかなり上手い方だから悔しいよな…」


立花の身長は194cm、それに対してみゆきの身長は確か150cmだったはずだ

40cm以上も差があると、身長の低い方であるみゆきにはかなり負担がかかるだろう

田中は168cmらしいので身長的には大丈夫だが、実力があまりにも無さすぎる

そう考えると、二人がみゆきに断られたのは必然だったのかもしれない


「田中は論外だから置いといて、立花、40cm以上も身長離れてると、低い方がかなり大変だし、お前だってまっすぐ立てないだろ。お前だってみ…愛野に負担かけるのは本意じゃないだろ?」

「そりゃまぁ…ってか佐藤、お前もう無理して愛野さんのこと名字で呼ばなくていいぞ」

「はあ…」


立花が何を言いたいのかがよく分からなかった

ただ、みゆきのことをいちいち名字で呼ばなくていいのはこちらも気が楽だ


「それはそうと、そろそろ出ようぜ。イベント、もうすぐで始まるからよ」

「あ、本当だ」


俺たちはパーティー会場をあとにして、教会まで歩いて行った

道中、女子たちが少し寒そうにしていたが、周りの男子たちが上着を貸していた


教会に入ると、聖歌隊が歌っていた

周りを見渡してみたが、まだみゆきはいなかった


「それでは次に、桜女子学園の歌姫の独唱に入ります」


シスターがそう言うと、みゆきがゆっくりと歩いてきた


「さっき踊ってたから間近で見てたけど、改めて見てみてもかなり綺麗だな…」

「確かに。でも愛野さん、あんなドレスあったんだ…」

「あれ、歌姫のドレスの中でも特別なものだからね。言ってしまえばあれがブロッサム・ディーバの正装だよ」

「え?じゃあ私たちがいつも見てたのは…」

「あれは簡易的なもの。まあ…そうはいっても歌姫として恥ずかしくないように作られてはいるけど」

「じゃああれは学園から借りたもの?」

「さすがに違うよ。歌姫に選ばれると衣装を完全にオーダーメイドで作るの。そうしないと体型は人それぞれだからね」

「なるほど…」

「ちなみにみゆきちゃんの前の歌姫、胸は小さく見積もってもCはあったと思うよ。もしオーダーメイドじゃなかったら…」

「あー…」


なんとなく察した

大は小を兼ねるとはいえ、話を聞く限りではその先輩とみゆきとではサイズ差があまりに大きい

そうなるとたくさんあちこちに詰めないととてもじゃないが着ることができない


「あ、始まるよ」


俺たちは歌を静かに聴いた

みゆきが最初に歌ったのは「主よ、御許に近づかん」だった


「素敵…」

「ギリギリだったけど来れて良かった…」

「あ、さくらちゃん、間に合ったんだ」

「なんとかね」

「それにしても、心が洗われるみたい…」


そして、1曲目が終わるとすぐに2曲目に入った

みゆきが2曲目に選んだのは「アメイジング・グレイス」だった

この曲は知ってる人も多い

教会の中にはさらにたくさんの人が入ってきた


「凄っ…。曲自体は何度も聴いたことあるけどこんなに凄いのは初めて聴いたかも…」

「私、何度も歌ったことあるけどなかなか上手く歌えないのよね…」

「じゃあ愛野さんに教えてもらったら?」

「それいいかも」


それからも人はどんどん増えていき、気付くと客席は満員になっていた

そして、曲が終わる頃には教会の中はお客さんでいっぱいになっていた

俺たちはみゆきと聖歌隊の歌を聴きながらクリスマスイブの夜を過ごした

イベント終了後、俺はみゆきと合流した

時計を見ると、すでに終電は終わっていた


「終電、終わっちまったな」

「そうだね。もしかして、私をホテルかどこかに連れ込もうと待ってたの?」

「お前まで俺をからかうんかい。違うよ。こんな時間だし、女の子が一人で出歩くのは危険だよ。それとも本当にホテルに連れ込んでやろうか?」

「もう…冗談だよ。佐藤君がそんなことする人じゃないっていうのは分かってるから」

「でも真面目な話、二人でホテルに泊まるのも考えないとじゃない?さっき親父に電話したら看護師さんが、親父たち、今てんやわんや状態って言ってたし」

「なるほど…。だからメールの返信が無かったんだ…」


俺たちはスマホで空室を調べてみた

しかし、どこも空いてても1部屋しか空いてなかった


「………同じ部屋でもいい?」

「仕方ないよ…」


俺たちは一緒にホテルに向かい、同じ部屋に泊まった

部屋に行くとベッドも1つしか無く、他に眠れそうな場所も無かった


「マジか…」

「一緒に寝るしかないね…」

「ああ…」

「ちょっと後ろ向いてて」

「え?うん…」


俺が後ろを向くと、背後で物音が聞こえてきた

そして、少し経つと物音は聞こえなくなっていた


「もういいよ」

「あ、うん…」


俺が振り返ると、みゆきはすでにしっかり布団にくるまっていた

近くのハンガーにはみゆきがさっきまで着ていた制服がかかっていた

つまり今、みゆきは下着姿でベッドの中にいるということだ


「全部脱いだの?」

「脱がないとシワになっちゃうから…。シワになったら明日シワだらけの制服で行くことになるから…」

「なるほど…」


俺は制服を脱ぎ、同じベッドに入った


「やばい…。かなり近いな…」

「仕方ないよ。緊急事態だから…。でも、あんまり見ないでね」

「も、もちろん…」


俺はみゆきに背を向けて眠りについた

しかし、背後に下着姿のみゆきがいると思うと、ドキドキしてなかなか眠れなかった

ダンスって男性用のステップと女性用のステップってのがあるらしいですね。そして、男性用同士、女性用同士だと動きにくいのかな?詳しくないので知らないですが…。

今回、教会のイベントが一番入れたかったとこなんですが、歌って入れるのが難しいんですよね…。あと自分自身が讃美歌とかそういうのほとんど知らないんですよ。それで調べててびっくりしたのが、アメイジング・グレイスって讃美歌だったんだってことでしたね。

ホテルの部分は一歩間違えるとR-18になるからどうしようと思ったんですけど、間違いを起こさない、下着を見ないってやれば下着でお布団入って二人で寝ても大丈夫じゃねっていう結論に至りました。

でも好きな女の子がすぐ横で、しかも下着姿で寝てるのに過ちを犯さない幸二君、相当な紳士だなと書いてる自分自身がめちゃくちゃ思いました。こんなイベントがクリスマスに起きてたら、最悪の場合9月くらいからベビーカー押して公園で日向ぼっこすることになりそうですけどね(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ