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異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ  作者: トール
第2章

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59.今度は竜王爆誕!?


「あーーーッッ 何で先にお前らが居んのー!? ずっりぃ!!」


ヴェリウスとランタンさんがダンスホールに行ってからすぐ、先程の声の主が叫んだ事で知り合いなのだろうことが伺えた。


『それは此方の台詞だ馬鹿者。何故貴様がすでにここに居る? 神族はまだ入り口付近のホールで茶の持て成しをされているはずだろう』

「だってすっっげぇうまそうな匂いがしてきたんだもんよぉ!! 確かにあっちのホールにも珍しい菓子と茶が用意してあったけどもう全部食っちまったし、こんな良い匂いがしてんだから我慢出来ねぇっての!!」


ヴェリウスと侵入者とのそんな会話が聞こえ、そういえば神々はもう天空神殿に集まっている時間だったなと気付く。

つまり侵入者は神の1人という事だろう。


「相変わらずの食欲です事。けれど欲に負けてダンスホールに侵入するとは神としてあるまじき行為ですわよ」

「神としてあるまじきなのはお前の性別偽造だろ」


ランタンさんもっともな事を言われてるぅぅ!!


「んまぁ!! 偽造ですってぇ!? アタクシはただ生まれた性別が間違っていたから正しているだけですわ!!」

「の割にゃ男女関係なく恋愛してんだろ。似非メーロンが」

「アタクシの豊かな胸を似非ですってぇぇ!?」


いや、似非だろ。それ創ったの私。

というかランタンさん、バイセクシャルな方だったのか。てっきり男性が好きなのかと思っていたが。


ギャーギャーと仲が良さそうに騒いでいる為か、マカロンが楽しそうな声につられて様子を見たくなったようだ。

尻尾を振りながらカーテンへと近づき向こう側へ顔だけ出して見ている。


「あっ ドラゴン居んじゃん!! ランタン何ペット連れて来てんだよ。今日は神王様に拝謁出来るパーティーなんだぜ!?」


案の定速攻で見つかったマカロンに温い目を向けるロードとショコラ。勿論私もね。


《あわわっ 見つかっちゃった!! ミヤビ様どうしよう!? あっあっ カーテンが離れなくなっちゃった!!》


侵入者に見つかってパニックになったのか、見たこともないバカデカイカーテンがマカロンの凹凸のある身体に引っ掛かり、絡まってうごうごしている。


これは破れるな。


と思った瞬間ビリビリビリーー!! と豪快に破れた。しかもそれがマカロンの首に絡み付きマントのようになるというミラクルが起きたのだ。


高級そうな紫と金色のカーテンの裾がビリビリになっている事で過酷な修行に耐え抜いた猛者感が出ており、黒緑の身体と相まって……



おま…っ それどこの竜王ォォォ!!!?



「うおー!! 流石ランタンっ 竜王を連れて来るとは恐れ入ったぜ!!」


おぃぃ!! 侵入者が完全に見た目だけで判断したぞー!!


「はぁ? 竜王ぅ?? 何を言ってるの?」

「カッケー!! ドラゴンってやっぱこうじゃねぇとな!!」



竜王爆誕の瞬間であった。



困惑するランタンさんを無視して、少年マンガの主人公のようなノリでマカロンを褒める侵入者。

マカロンよ。何だか嬉しそうだな。


「おーいっ 竜王! そこは神王様の席だから無礼にあたんぞー! さっさとこっち来いよ。見つかったら殺されるぜ~」


殺さねぇよォォ!? 神王を何だと思ってんの!?


《何か呼ばれてる…》


チラリと此方を伺うマカロンは、褒めてくれた侵入者の元へ行きたいようだ。

滅多に褒められないもんね。


《ミヤビ様、行ってきても良いですか?》


おずおずと聞いてくるマカロンに、行っておいでと言えば、ショコラを見る。


「私は主様のおそばにいるわ!」


ショコラの答えに肩を落とすと、今度はロードを見た。

やはり知らない人の所へ1人で行きたくはないようだ。


止めろ。暗黒騎士を連れて行こうとするんじゃない。お前は今(見た目だけ)竜王なんだぞ!! 誤解される! ダークサイドと誤解されるから!!


「…仕方ねぇなぁ。一応相棒だし、ちょっと行って来るわ」



そう言って渋々私をソファへ降ろしたロードは、外した兜をまた被りマカロンと共にダンスホールへ移動し始めたので、神から攻撃されても大丈夫なように鎧に色々と付与しておいた。

一応侵入者だし、あの並びを見るとこっち完全にダークサイドだしね。


暗黒騎士と竜王コンビの後ろ姿を見送りつつ、ハッとしてロードの大剣にも攻撃力アップの魔法を付与する。念のためだ。





「ランタン!! ヴェリウス!! 竜王がやべぇ奴連れて来やがった!! 俺らと戦う気だぜ!?」


侵入者が若干ビビった声で警戒している。やり過ぎただろうか…?


「あらぁ神王様ってば心配性でいらっしゃるのね~。アレ、神々にも対抗出来る代物に変わってますわよ」

『またもや神の至宝が誕生したか…』

「おい2人共!! 何悠長に構えてんだよっ」


マカロンに破られたカーテンを直していると、切羽詰まった侵入者の声にやはりダークサイドと誤解されていると思ったが、もう気にしない事にした。


「“ジュリーちゃん”、あのドラゴンはマカロンちゃんって言ってアタクシの眷族ですわ。隣に居るのが竜騎士のロードちゃん。ロードちゃんはマカロンちゃんの相棒ですのよ」


ランタンさんがホホホと笑いながら紹介しているので大丈夫だろう。竜王が爆誕した事で忘れかけていたが、まだ侵入者の正体が分かっていなかった。

丁度自己紹介の流れなので聞き耳をたてる。


「え……あ、お、おうっ 敵じゃねーんだな! あ、俺は“魔神のジュリアス”ってーんだ。ヨロシクな!!」


動揺しながらも爽やかに自己紹介した侵入者は、やはり神の1人だった。しかも“魔神”らしい。

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