表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ  作者: トール
第5章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

274/303

272.創造主達の反省会


調味料の世界の創造主視点




拝啓


調味料の世界の創造主様、お元気ですか?


貴方に地球に堕とされてから、中々に面白おかしい“人生”というものを経験させていただきました。


我々のような“創造主”という存在であっては経験するはずのない地球での“人生”、本当に貴重な体験をどうもありがとうございます。


さて、今回このような手紙を差し上げたのは、その素敵な体験を貴方にも是非経験していただこうと思ったからに他なりません。


そこで、貴方を私の創造した世界へご招待したいと考えております。


詳細はまた決まり次第ご連絡させていただきますので御覚悟下さい。


私の世界でお会いするのを楽しみにしております。


敬具




『うぉぉぉぉーーーー!! ヤベェよ!! アイツオレを()る気だよ!!』

『まぁ自業自得だよね』

『一時はどうなる事かと思ったけど、創造主に戻れて良かったよ。しかも力は前より増しているし』


“動物の”は相変わらず毒舌でオレの傷を的確に抉ってきやがる。“ロボの”は頷いているだけだし、“地球の”は“魔法の”が地球に落ちてからずっと見守っていたからか、ようやく肩の荷が下りたというようにほっとしているが、オレはそれどころじゃない!!


何故なら、“魔法の”が地球に落ちたのは、酔っ払ったオレがアイツにぶつかってしまったからなのだ。

つまりアイツはオレを滅茶苦茶恨んでいるはずだ。

何しろ何万年も自分が創った世界に手を入れられなかったのだから。最悪その世界が無くなっていても仕方ない状況だった。


オレ達創造主は創った世界を自分の意識以外で失う事は、大切なものを失う事と同義である。

したがってオレがやってしまった事は冗談ではすまない事なのだ。


『こんな手紙を送ってくる位オレを恨んでいるんだァァーーーー!!』

『そりゃ恨んでるに決まってるでしょ。今さら何言ってんの?』


うるっせぇよ“動物の”!! 分かってんだよ!! オレだって分かってんだ! それだけの事したってよぉ…っ

でも仕方ねぇだろ。酔っ払って良い気分だったし、オレは“魔法の”がすき……き、気に入ってるわけだし!!


『“調味料の”、きちんと謝罪すれば“魔法の”は許してくれるさ』

『ち、“地球の”…っ』

『無理じゃない? 僕なら絶対許さないよ』


だからお前は黙ってろよ!! “動物の”!! あと“動物の”の後ろでうんうん頷いてんじゃねぇよ!! “ロボの”!!


『てかさぁ、“調味料の”の“器”がヤバくて笑えないんだけど。何その気持ち悪いの』

『はぁ!? ものすげぇオシャレだろうが!! なぁっ“地球の”!!』


“魔法の”の“器”が若い女だって聞いたから、地球の若い女に人気のあるオシャレなのを“器”に選んだんだからな!!


『あ~…うん。確かにオシャレではあるけどね…』


そうだろ。そうだろう。


『君、お洒落をはき違えてるよ。“調味料の”』

『はぁ!? 一体これのどこがオシャレじゃねぇってんだよ!!』

『だって君の“器”、調味料入れだよ』

『ったりまえだろ!! オレは“調味料の世界”の創造主だぜ』


だから“器”も、調味料入れってわけだ! しかもただの調味料入れじゃねぇ。透明なガラスの器に木のふたが付いた、地球の調味料入れを参考にした最高にオシャレな調味料入れだ!! 更に中身はピンクペッパーというオシャレさ。イケてるだろ。


『そうだね…彩りは綺麗だよね』

『ピンクペッパーとやらは美味いのか?』

『調味料入れに手足が生えてる“器”とかキモすぎ』

『“地球の”はさすが見る目があるな。“動物の”、お前はオシャレってのが分かってねぇんだよ。てか味なんて知らねぇよ!』

『それが君のオシャレなら分からなくて良いよ。てかさ、“調味料の”が“魔法の”の世界に落とされたら、喋る調味料として生まれ変わるの? なにそれ引く』


コイツ本っ当に、一言も二言も多いな!


まぁ良い…“魔法の”が気に入りそうなオシャレな調味料入れを“器”にしたんだ。これで謝りにいけば“魔法の”も許してくれるよな!!


『“調味料の”、“器”は自分の世界でないと着用出来ない事忘れてるのかな?』

『放っときなよ。どっちにしても落とされるんだからさ。地獄にね』


この時の、“地球の”と“動物の”の会話は、“魔法の”に会えると張り切っていたオレの耳には届いていなかった。




まさか“魔法の”につがいが出来ていたなんて、オレは一切知らされていなかったんだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ