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異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ  作者: トール
第5章

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267. 魔石の秘密漏洩?


「おおぉぉ!! 何という美しさか!!」

「これはもう芸術です!!!」


おじいちゃんとジョナサンさんの言葉にヴェリウスは鼻を鳴らし、どや顔で水晶から前足を離す。


『ミヤビ様、いかがでしょうか』

「想像した以上に綺麗だね!!」


ぎゅうぎゅう抱き締め撫で回すと、『そうでしょう』と嬉しそうに尻尾を振るのだ。


「帰ったら魔石を研磨するから、同じようにやってくれる?」

『勿論です』

「ありがとう! それでお揃いのアクセサリー作ろうね!!」

『はい!!』


アクセサリーが嬉しいのか高速で尻尾を振り出し、その勢いで埃が部屋中に舞う。


「ぐっ げほッ し、神獣様っ 精霊様! アクセサリーとは一体!?」


埃でゲホゲホ咳き込みながら聞いてくるおじいちゃんに、これより小さい石で同じようにアクセサリーを作るんだと言えば、ぎょっとした顔をされた。


「ま、まさかこれの他にも同じような石があると!?」

「それよりうんと小さいのは沢山あるけど…ね、ヴェリウス」

『そうですね』


お揃いのアクセサリーの事で頭がいっぱいなのか、上の空で返事をするヴェリウスをよしよしと撫で、おじいちゃん達を見る。


「なんと素晴らしい!! ハッ しかしこの水晶はアクセサリーには難しいのでは? 魔力を流しても一瞬光るだけですぐ透明にもどってしまいます」

「そんな事ないですよ? 容量一杯になれば、使いきらない限りそのままの色をキープしますし」

「何ですと!? しかも使いきるとは…ここに魔力が溜まり、それを利用できると言うことですかな!?」


興奮してどんどん近付いてくるおじいちゃんに一歩一歩後退しながら頷く。


「そんな感じです! ちょ、近い近いっ」

「その石はどこで手に入れられますか!?」

「え? どこだっけ……?」


ヴェリウスを見るが、心ここにあらずで水晶をニマニマと見つめている。


「すみません。その辺はわかりかねます」

「そうですか…確かに貴重な石ですし、簡単には教えていただけませんよね…」

「いや、ただどこで手に入れられるか忘れただけで…」


見るからに肩を落とすおじいちゃんに気まずくなる。


「しかし精霊様のおかげで、この水晶が魔力を溜め、他に利用出来る事は知れました!! ジョナサンっ すぐ実験に取り掛かるぞ!!」


おじいちゃんは嬉々として実験の準備を始めたので、ヴェリウスを連れ研究所をそっと離れたのである。


「そういえば、魔石の事って話して良かったんだっけ?」


ヴェリウスを見ればルンルンと鼻歌を歌いそうな位ご機嫌で、足取り軽く歩いている。


「ヴェリウスも特に何も言ってなかったし、大丈夫だよね」


そう納得してロードの執務室に向かったのだ。





『ミヤビ様、ロードなど待たず早く深淵の森に帰りましょう』


執務室に戻ってきてしばらく、ヴェリウスが我慢出来なくなったのかそんな事を言い始めた。


「うーん…そうだね。ロードもしばらくは戻って来ないだろうし、一旦帰って一緒にアクセサリー作ろうか」

『はい!!』


お揃いのアクセサリーを作るのが本当に楽しみらしい。早く早くと急かされ、転移する。




深淵の森の家の前に移動し、変わった事はないかと周りを見渡すが特に変わりないようだ。

ヴェリウスに目を移すと、フンフンと家の周りを一生懸命嗅いでいた。犬ならではのテリトリーの確認だろう。しかし尻尾がパタパタ動いており可愛いなぁと後ろから眺めていると、異常はないようです! と戻ってきたので撫でてやり家の中へと入る。


『ミヤビ様、どのようなアクセサリーを作りますか?』

「そうだね~…ヴェリウスにはイヤーカフはどうかなぁ?」


普段付けるならイヤーカフが一番邪魔にならなそうだしと言えば、ミヤビ様もイヤーカフでしょうかと返ってきたので、私はピアスにしようかなぁと伝える。


『なら私もピアスが良いです!!』


とんでもない!! もふもふ動物は大概耳が急所なのだ。耳に穴を開けるなど考えられない!!


同じ耳に付けるアクセサリーなのだからと納得してもらい、よし作ろう!! と思った所でハタと気付く。


「魔石ってトモコかジュリアス君が持ってるんだっけ?」

『そうですね。あやつらならば様々な魔石を持っているかと』

「じゃあ譲ってもらいに行ってくるね」

『え? ミヤビ様、』


キョトンとしているヴェリウスを置いてトモコの元へ転移したのだが、よく考えれば能力で魔石を出す事は可能だったと後で気が付いたのだった。

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