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異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ  作者: トール
第4章

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215.因果応報は世の理


まず用意する材料はこれ! バイリン国にあった隷属の首輪を模した魔道具です。


それを人数分コピーしておきます。


ちなみに他に転用出来ない仕組みとなっており、勿論取り外しは不可であります。無理に取り外そうとすれば、首がしまり、生きるか死ぬかのギリギリを味わう事になるという恐ろしい仕様になっているので良い子の皆は真似をしないようにお願いします。



『ミヤビ様、それはバイリン国にあった魔道具では…』


鼻の頭にシワを寄せて私の取り出した首輪を嫌悪感いっぱいに睨むヴェリウス。

それをよしよしと撫で、自分達がやった事は返ってくるのだという事を身を以て知って欲しいんだと伝えれば、それは良い考えですと賛同してくれた。


「それで、この首輪を嵌めて奴隷にしてしまうの~?」

「これはね、隷属の首輪を模した魔道具だけど“御主人様の言う事を聞くもの”ではなくて、暴力をふるえないとか、悪口を言えないとか、要は悪いことが出来なくなる魔道具なの」


恐ろしい事をさらっと言うトモコに、バイリン国の魔道具との違いを教えると、こてんと小首を傾げたのだ。


「それは神罰になるの?」

「今回事件を起こした関係者にこれを嵌めたら、フォルプローム国の人々に渡すよ。罰になるかならないかは、被害者であるフォルプローム国民に任せる」


そもそも、神域侵攻は失敗しているわけだし、神へ直接被害がないなら神王(ワタシ)の出番ではないと思う。

人間同士が解決すべき事だ。


ただ、神にちょっかいだそうとしたらこんな風になるよという見せしめには十分なると思うのでこの方法にしました。


フォルプローム国民はどんなお仕置きをするのか分からないが、残酷な事をするようなら私は警戒するし、何もせず許してしまうようならそれはそれでそんな国なんだと警戒するだろう。


「ヴェリウス、ショコラ達に帰ってくるよう伝えて? 今からこの魔道具を事件関係者に嵌めて国民に曝すから」

『かしこまりました』


ヴェリウスの返事を聞いてから、事件関係者の首に魔道具が嵌まるよう願い、更に国民の前へ転移して事件に関係した者がどんな事をしたのかあらいざらい自供するようにも願う。


どうなったかはいずれ報告があるだろう。


「みーちゃんは優しいのか、人間に興味ないのか分からないよね~」


トモコが溢した言葉が耳に入りヘラリと笑う。


「人間は怖いと思うよ。だから森に閉じ籠ってたんでしょ」


ただ、どうやら嫌いじゃないらしいんだよね。

だって今もこうして人間と触れ合っているのだから。


「みーちゃん……あのね、みーちゃんの知り合いの人間ってさ、神格化していってない~? 人間じゃなくなってるよね~」


良い風で締めたと思ったのに、トモコの余計な一言で全部ぱぁだ。


「神格化したのはロードだけでしょうが」

「え~でも結局エルフは浮島で暮らしてるせいか精霊に近い存在になっちゃってるし、リン君も人間離れした力を付けてきちゃったし、ルーベンスさんだって魔力が上がってるよ」


何だって!?


ぎょっとしてヴェリウスの顔を見る。


彼女は、ミヤビ様のお力の影響でしょう。と落ち着いた様子で答えたのだ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




ロード視点



第2師団の騎士を捕まえリンの居場所を聞けば、レンメイが用意したという王宮内の客室に案内された。

王子という情報があるのだ。地下の留置所ではなく客室という選択は正しいだろう。


「入るぜ」


扉をノックして返事がある前に開け放てば、リンは呆気にとられたような顔をして。レンメイはいつもの事だと表情も崩さずこちらを見た。


「返事を待ってから扉を開けろと何度も伝えたはずですよ」


お小言もはいはいと流して二人に近付けば、リンが立ち上がり敬礼するので「よぉ」と声をかけて、まぁ座れやとソファへ促し自分も少し離れた椅子へ腰かける。

机の上には食べかけの菓子とお茶が入ったカップがあり、午後のお茶をしていたらしい事がうかがえた。


「さて、リンは何で拘束されてんのかまだ説明されてねぇって顔してっから、俺から説明すんぞ」


言えばリンは姿勢を正して俺を見据え、はいっ お願いしますと声を張ったのだ。

その様子に、コイツは何を言われても、知っても大丈夫だろうという確信が俺の中に生まれた。


「お前は、フォルプローム国出身の一般人だと自分では思ってるだろうが、それは間違いだ」

「え?」

「お前はフォルプローム国第3王子として生を受け、食糧難により前王の腹心であった当時の騎士団長の養子となって城を出された。これが真相だ」


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