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異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ  作者: トール
第4章

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214/303

212.とうとうバレた


な、何故それを!?


周りを見るが、トモコは笑いヴェリウスは何を今更と鼻を鳴らしているだけだ。

唯一ロードが殺気立っていた。


「先程、魔神様が帰り際に仰られていたが……まさか本当に…?」


嫌だなぁルーベンスさん!! 私が神王様ぁ? そんな風に見えますか? アッハッハ…笑って誤魔化すがルーベンスさんだけでなく周りからも白い目で見られる。


「みーちゃん、もう素直に白状しちゃいなよ~」

『?? ミヤビ様まさか今までこの男に素性を隠していたと? 力を隠す様子も見受けられませんでしたから、私はてっきり…』


トモコとヴェリウスがそんな事を言うものだから、もう肯定している様なものじゃないかと諦めた。

殺気立っているロードを宥めてからルーベンスさんに向き直ると、(ロードの膝の上だが)居ずまいを正してから白状する。


「そうです。私が神王です」


正直に伝えれば静寂が訪れ、息を飲む音が聞こえる程だった。

しかしルーベンスさんは次の瞬間、


「ロヴィンゴッドウェル第3師団長!! 貴様は…ッ 神王様を人間の世界(地上)へ墜としたのか!?」


何故かロードに激怒したのだ。

訳が分からずルーベンスさんとロードを交互に見るが、ルーベンスさんは困惑と怒りが混同したような表情をしているし、ロードに至ってはムッとした顔を見せている。


「そりゃ、もしもミヤビが天に居るなら引きずり下ろしただろうがなぁ…コイツは深淵の森で生まれたんだよ。俺が墜としたわけじゃねぇ」

「馬鹿な事を…っ あの“神王様”だぞ。何故地上で……」


あの神王様(・・・・・)が何なのかは知らないが、実際の神王など大したことのない人物…神物である。そして墜とすだ何だと人(神)を堕天使扱いしないでもらいたい。


「んなもん知るか。神王だろうが何だろうが、ミヤビが俺のつがいである事に変わりはねぇんだよ。何か文句でもあんのか」


久々にチンピラのごとくルーベンスさんに絡むロードは、彼の様子を見極めようとしているのか慎重だ。

確かに神よりも神王の方が利用価値があるのかもしれないが、すでにルーベンスさんはヴェリウスの手の内のようだし大丈夫ではないかと私は考えている。


「文句は数えきれん程あるが、これだけは言わせてもらおう」


ルーベンスさんはキッとロードを睨み付けると常にはない声音で言い放ったのだ。


「神王様をフラフラと人間に接触させるんじゃない!! 只でさえこんな調子だというのに、一体何を考えているのだね!!」


ヴェリウスがそれを見て良く言ったと称賛し、やっとまともな人間に出会えたと喜んでいるのが傍目に見えた。

ロードはそれに対して青筋を立てて、仕方ねぇだろ!! ミヤビが家で大人しくしている質か!! 止められるならとっくに止めてるわボケが!! と反論し、良い年した大人が本気で喧嘩を始めた時にはどうしようかと思った。


この反応の通り、ルーベンスさんは私の事を神王だと認識してくれたらしい。

落ち着いた所で謝られたが、突然腰が低いルーベンスさんを見せつけられても正直怖いだけなので、今まで通り接して欲しいとお願いしたのだ。

滅茶苦茶複雑そうな表情をされたが、結局相手は私という事で今まで通りに接してくれるようになった。

「まさか神王様がミヤビ殿とは……イメージが……」とぼやいていた事は聞かなかった事にする。



◇◇◇



「━━…ロヴィンゴッドウェル第3師団長が神王様のつがいとは……むしろ神王様のつがいが人間に混ざって働いているとは…っ いや、神王様が人間に混ざって働いている事の方が問題ではないか」


禿げるのではないかと思う程頭を悩ませているルーベンスさんは、そういえばこの国の宰相だったと思い出す。


「止めるべきか…いや、ミヤビ殿…神王様を止めるなど精霊様以上に不可能ではないのか」

『いい加減にしろルーベンスよ。神王様は我々神にでも止められはしない。それより貴様がする事は、ミヤビ様に常識というものを説いてもらい行動を改めていただけるよう努力する事にある』


あれ? ヴェリウスさんルーベンスさんを手に入れた目的が変わってないですかネ?


「神獣様……神王様(ミヤビ殿)に常識を説くのは難しいかと…」


ヴェリウスからそっと目をそらし、私を可哀想な子を見るような目で見てくるルーベンスさん。

ヴェリウスはそれを許容し、同調するようにため息を吐いたのだ。

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