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異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ  作者: トール
第4章

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204/303

202. 2人の関係


口コミ作戦が功を奏したのか、それともあの3人組の女の子のお陰なのか、誰も来なかったお店に一日2~3組と人が訪れるようになった。


獣人の女の子の来店も増え、パンツを購入していく子も多い。

皆穴を空けるのに苦労していたのだろうか?


ストックを出しながらそんな事を思う。



今日はルーベンスさんが視察に来るらしい。

ところがルーベンスさんのお目当ては、私達のお店ではなくトリミーさんのお店ではないかと考えている。

トリミーさんの紅茶がとても気に入っているようだったからだ。



「トモコ~今日はルーベンスさんが来るって言ってた日だから宜しくね~」

「ウィ~。ロードさんは来ないの~?」

「何で来るの? 来るわけないでしょ」


真顔で返せば「何怒ってるの~?」と小首を傾げられたので、ここの所毎晩のセクシー衣装攻防戦に思いを馳せて頬を膨らませ、発端のトモコを睨む。


「みーちゃん頬っぺたぷっくぷくになって可愛いけど、お客さん来たらびっくりされちゃうよ~」


頬っぺたをつついて空気を抜いてくるので口からぶふぅ~と音が出る。


「ほら~お金数えて開店準備しましょ~」

「ハイハイ」


いつも通り開店準備をして、10時の鐘が鳴ると共に扉を開ける。今日は珍しく曇りのようだと空を見上げる。

一雨きそうだ。


お隣のトリミーさんに挨拶して店内へ戻ると、カウンターへ戻っていつもの暇な時間が始まる。

そう思っていた。



◇◇◇



「やっと会えたね。ホワイトローズ」


片膝をつき、トモコの手をとって恭しくキスをする。

そうして言うのだ。


「君に会えない日々は空虚だった」


それはもうキラキラと周りに花を飛ばしながら。

実際一輪の、それはもう立派な白薔薇をトモコに手渡していたがな。


そう。ルーベンスさんがやって来る予定だった時間に、何故かカルロさんがやって来たのだ。

まるで王子様のごとく白薔薇を持って現れた時には噴き出しそうになったが、カルロさんだしなぁと遠い目で様子を伺っていると、冒頭のセリフと行動を始めたわけである。


「ふむ、ここが神の経営する店かね」


あ、ルーベンスさんも一緒だったようだ。

滅多に見ない組み合わせだなと他人事のように思う。


「イラッシャイマセヨー」

「何だねそのやる気のない挨拶は」


等と店を視察しているルーベンスさんは、やはり服には興味がないらしい。

婦人服だし、奥様用に買って行くにも貴族用のドレスはないからなぁ。

例えドレスがあってもオートクチュールで作るのだから既製品は買わないだろう。


「なかなか良い所に目をつけたようだ」

「あはは~。先見の明があるでしょう?」


ヘラリと笑えばルーベンスさんはぴくりとも表情を動かさずに「客足は遠退いているようだが」とこぼす。

何気に失礼である。


「場所柄人があまり来ないので」

「ふむ。中央通りなら賑わっていただろうにな」


どうやら店は認めてくれていたらしい。


「あ~あまり賑わう必要もないので、ひっそり穴場スポットみたいにやっていく所存です」

「商売に手を出した割にやる気のない事だな」

「スタンスがスローライフなもんで」


ゆったりまったり生きていきたいのだ。ズボラにな。


「にも関わらず店舗だけは立派な事だ」


そりゃどうも~と苦笑い、横目でトモコとカルロさんのやり取りを見てげんなりする。

カルロさんはどこまでもキザなセリフを口にしているし、トモコは目が死んでいるのだ。

ルーベンスさんも見て見ぬ振りなのでいつもあんな感じなのだろうか。


「さて、私は噂の茶葉専門店に顔を出して来よう」


やはりそれが目当てだったか。

一瞬の視察だったな。


ルーベンスさんがお店を出ようとしているのに気付いたカルロさんもトモコを口説く事を止めて付き従う。

成る程、どうやら護衛にカルロさんを連れてきたらしい。

とはいえ、店の外にも2人程護衛の騎士が居るようだが。さすが宰相様だ。


「あまりトリミーさんに無理言わないようにしてくださいよ」

「君にだけは言われたくないがね」


ルーベンスさんらしい返事をして、踵を返し店を出て行った。

カルロさんはウィンクを飛ばしてきたのでトモコと共にお辞儀をして見送ったのである。


「仰々しい団体だったけど、視察は一瞬だったね」


団体の姿が見えなくなり、そうトモコに言えば


「あれはお忍びで来てるんだよ~。視察が一瞬だったのも、お店の迷惑にならないようにする為だろうね~。みーちゃん愛されてるね~」


と返ってきたので、あれはただ茶葉専門店に早く行きたかっただけだと思うと苦笑したのだった。


しかしルーベンスさんとカルロさん。あの関係は……


「みーちゃん、お客様来たみたい~」

「ん? はーい」


私はルーベンスさんに初めて会った時、ステータスを覗き見た事を思い出していた。




名前: ルーベンス・タッカード・ルーテル

年齢: 156歳(人族で言えば50代半ば)

種族: 魔族

職業: ルマンド王国宰相

LV: 35

HP: 30

MP: 42

装備: ルマンド王国産のシルクの服(効果: 防御力4)

ルマンド産の革のブーツ(効果: 脚力向上5)

家宝の魔剣(効果: 風魔法lv.5)


スキル: 風魔法(lv.3)

火魔法(lv.2)

魔力感知(lv.8)

魔力耐性(lv.5)

平等の愛情


称号: 知識人

好色王

常識人(女性関係は除く)


備考: ロードのつがいが神という噂を聞き、敵対はしていないが、警戒はしている。

北の国“スドゥノーム国”の国王“カルロ・ブラン・スドゥノーム”王への忠誠心は王国一。

王の為に自身の子を捧げた。


※現在スドゥノーム国王は、カルロ・ノーム・ブランチャード第2師団長と名乗り、ルマンド王国で暮らしている。


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