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異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ  作者: トール
第1章

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12. 新たな出会い

ロードがいなくなってから2週間。私の日常は特に変わりなく過ぎている。

面倒な作業をしなくてもよくなったし、気を遣わなくていい事でのびのび生活している分、やはり誰も居ない方が楽である。



ロードは今頃は王都だろうか。

魔物避けの御守りを渡しているのだから森からは無事抜けられただろうけれど、そういえば王都までどの位かかるか聞いてなかったな…。


などとたまに思い出すのは、一応半月とはいえ一緒に暮らしたからだろう。

別にそれ以上の想いがあるわけではない。



そうそう。先程いつも通りの日常を過ごしているといったが、実はこの2週間、ただただ呆っと過ごしたわけではない。

ロードが言っていた魔物達について自分なりに調べてみたのだ。


まず家の周りに張っている結界から出て魔物に近付いてみた。

勿論念のため、自分の周りには攻撃されても大丈夫なように結界を張っているが。


結界があるから大丈夫とはいえ、巨大な恐竜に近付くのだ。かなり恐かった。


魔物達の反応は……

まずすごい数の魔物が集まってきた。

しかも皆が皆、ある一定の距離から近付いてこない。

しかし大量の魔物に囲まれ恐怖がピークを迎えたその時、魔物達が一斉にひざまずき、頭を垂れたのだ。


やはり私は魔物の女王なのであろうか…。


あまりの事に動揺したが、襲われる事はなさそうだったので一応挨拶しておいた。


2年前にやって来た事、挨拶が遅れた事への謝罪、そしてこれから宜しくという内容を伝えたら、魔物達は恐縮したようにより頭を垂れ、もう地面に頭がめり込んでいたので止めさせて解散した。


人の言葉を喋る事はないが、行動が案外と人間くさいというかなんというか…。


とにかく、この2週間ですっかり魔物使いのようになってしまっている。


しかしこの現象は深淵の森に限っての事なのか、それともこの世界の魔物全てがそうなのかはわからない。



そんなこんなで、最近は魔物達と交流を図っている。

まだちょっと恐いので自身への結界は取れないけれど、お手とおかわりを仕込んでいる最中なのだ。



今日も畑の収穫後、魔物達と遊んでいたのだが……。




『ああっ 貴方様が…っ お会いしとうございました!!』



突然現れた、真っ黒で3メートルはあるだろう巨大な身体をした犬に呆気にとられる私と魔物達。

それを無視して涙を流し、遠吠えし出したデカイ犬にドン引きしつつ離れた所から様子を見ていると、ハッとしたように遠吠えを止めた。


『申し訳ありませんでした。私ともあろうものが、感情を抑えきれず遠吠えをしてしまうなど…』


恥ずかしそうに目をふせて喋り始めた。


そう。“喋っている”のだ。目の前に居るこの犬が。



今まで出会った魔物は皆、こちらの言葉は理解しているが、人の言葉を話す者は居なかった。

が、この犬は確かに今、人の言葉を話したのだ。


どう見積もっても魔物だろう巨大な黒犬は、他の魔物と比べて小さい気もする。

もしかしたら子供の魔物で、魔物も子供の頃は人の言葉を話すのだろうか?



『まずは、神王様のご誕生を心よりお慶び申し上げます』



突然そんな事を言い出し、頭を垂れた黒い犬に、私は首を傾げる事しか出来なかった。


一体シンオウサマとは何なのだろうか?

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