ゲームスタート
初期エリア抜けるまでちょっとしたホラー表現あります。主人公楽しんでるのでほとんど怖くないですが。
キャラメイクの時点で分かるかもしれないですが、このゲームのレッサーヴァンパイアは羽生蛇村の屍人とか外場村の起き上がりとかサン・ミゲルのグールとかそんなイメージ。進化してようやく吸血鬼って状態になります。
5.ゲームスタート
魔方陣の中央に乗った瞬間強い光が降り注ぎ、思わず目を瞑る。ふわっとした軽い浮遊感のあと目を開けると……真っ暗なんですけど?
…とりあえず状況を整理してみよう。
身体の状態は?…今は横になった状態のようだ。
周りの状況は?…触れた感じだと箱の様なものの中にいるみたい。
これ動かせる?…正面を強めに押してみる。あ、動いた。少しずつずらしていくと辺りが見えるようになってくる。完全に開けて出てみる。周りを見ると穴の空いた壁に崩れた屋根、そこからのぞく月に所々床から草が生えているというどう見ても廃屋だった。そして足元には蓋の空いた棺。どうやらここにいたらしい。
気になるものは…ん?隣の部屋にあるバケツでぶち撒けた様な黒いものってもしや血痕?
…SANチェックか狂気判定でもやるべき?ソロだから狂気入った時点で死亡確定だけど。そもそも今吸血鬼なんだから血を見て狂気判定とかどうなのよって感じだけど。むしろ狂喜判定?
そんな下らない事を思いながら血痕の方へと歩いていく。そして部屋に入った時視界の端に人影?のようなものが…。そっちに目を向けると目の前に虚ろな目をした顔が…。慌てて飛び退いて武器を構えるも相手はそこに立っているだけで攻撃する素振りすらない。とりあえず武器を降ろし深呼吸して心を落ち着ける。
ビックリした……。こういう雰囲気あるところでそれは心臓に悪いよ…。落ち着いてきたので原因になった人?を観察する。
土気色の肌、生気を感じない虚ろな赤い瞳、左胸に大きな穴の空いたボロボロで血みどろな服。血痕はこの人のだったのかな?服の下の方はスカートっぽいので女性だったのでしょう。明らかに死んでます。その証拠に…
レッサーヴァンパイア Lv4
【鑑定】の効果が出てきた。同族…。種族スキルの【アンデット】ってそういう?とりあえず他の場所も見ていきますか。
今の時刻は現実時間で午後1時半ぐらい。ゲームは1日24時間は変わらずゲームで1日過ごすとリアルで4時間経過してるらしいのでゲーム内では朝の9時ころ…のはずだけど相変わらず暗いまま。月の位置も変わった気がしない。まるで時間を固定されているみたいな?そんな感じ。
軽く回ったところ、この場所は小さな町ぐらいのサイズでマップを見る感じ北端にスタート地点の廃屋が、そこから真っ直ぐに南門まで道が伸びていて十字を描くように中間から東西の門への道が続いていた。門とか言っても壁なんて残ってる方が少ないレベルだし、建物も道もボロボロ。数年どころか数十年、もしかしたら百年単位経ってそうな状態です。住人はみんなレッサーヴァンパイアのLv3~15。つまり死の町な訳で。移動中躱し切れなくて人身事故起こしたけどまあ問題無いよね。なお、途中から開き直って逃げていたら
<スキル:【不意討ち】が解放されました>
<スキル:【地形把握】が解放されました>
<称号:【通り魔】を手に入れました>
スキルと物凄く不本意な称号をゲットした。とりあえず解放されたスキルを見てみよう。
【不意討ち】…あなたは意識外からの一撃が得意だ。未発見状態の敵への攻撃力アップ。消費SP3。
【地形把握】…あなたは周囲の地形をよく見ている。悪路の移動に補正。有効範囲内にある目的地への進み方が分かる。消費SP3。
どちらも隠れる場所が多くて足場が悪い廃墟には便利なスキルだった。チュートリアルで貰ったSPを消費して両方取得。これで残りSPは4になった。
【地形把握】が思ったより便利なスキルだった。スキル無しと比べて明らかに動きやすい。しかもここに向かうという意識があれば楽な移動ルートを教えてくれる機能付き。まだレベル低いせいで有効範囲が狭くて少し使い辛いけど。
【不意討ち】の方は未発見時の最初の一撃だけ補正がかかるようで。対人(PvP)とかだとまた違うかもだけど攻撃入った時点で捕捉されて隠れててもその場所めがけて追い掛けて来た。一定以上離れるか数分間視界に入らないようにしてたら諦めたのか未発見に戻った。
見て回った感じ知能低そうだし某ゾンビゲームのように窓ハメできるかな?と窓枠っぽいのを挟んで対峙してみたら同じ作品の白い怪物の様な気味悪い動きで越えようとしてきてかなり焦った。服着てたりと細部違うけど大体同じ見た目なんだもの。迫力がありすぎる。
さて、敵やここのマップについてはだいたいわかったので、今度は自分のスキルについてレベル上げしながら確認してみようか。
<種族レベルが5になりました>
<【長柄】がレベル5になりました>
<【長柄】アーツ『スマッシュ』が使えるようになりました>
<【闇魔法】がレベル5になりました>
<【闇魔法】魔法名『ダークアロー』が使えるようになりました>
<【敏捷強化】がレベル5になりました>
<【跳躍】がレベル5になりました>
<条件を満たしたのでスキル【脚力強化】が解放されました>
<【血液操作】がレベル5になりました>
<【血液操作】アーツ『ブラッドリール』が使えるようになりました>
とりあえずレベルが5になりました。スキルも色々上がって途中使えるようになったものも確認したところ、『スマッシュ』は縦か横に叩き付ける形の強攻撃。威力は通常の1.5倍ぐらい?【不意討ち】も乗るようで弱いのなら背後から一撃で倒せるほどだった。…発動後硬直あるせいで辻斬りしようとして転んだのは内緒の話。
『ダークアロー』は黒い矢がまっすぐ向かっていくだけの魔法だった。最初の『ダークボール』と比べるとボールは弾速全く無い換わりにホーミング力が高い魔法で、アローは逆に弾速は速いけどホーミングをしない魔法らしい。威力は正直分からなかった。
そんな気はしてたけど闇属性に耐性ついてるのか弱すぎて落ちてる適当な石を投げた方がダメージ出る有り様なんだもの。
【敏捷強化】【跳躍】は特に何か増えたわけでもないし効果もちょっと良くなったかな?くらいの誤差レベルなのでスルーして【脚力強化】?
【脚力強化】…あなたは力強い脚を持つ。移動など足を使った行動に補正。足技の攻撃力アップ。
主に機動力強化のスキルみたいだね。かなり良さそうなので即取得。やっぱり格闘戦に機動力は必須だよね。種族レベルアップで増えてるので残りSPは8。これでもう少し効率的に闘えるようになった。
そして最後。【血液操作】で最初のアーツは『ブラッドアンカー』で、HPを消費して目標としたところに血のワイヤーを撃ち込むといったもので、解除するか攻撃による一定ダメージで壊れる効果だった。これそのものには攻撃力は無さそうで、最初は逃走防止か【吸血】や【HP自動回復】用に自傷するくらいしか使えないと思っていたのだけど…。
『ブラッドリール』を使用できるようになって考え方が変わった。これ自体は自分の血液を回収して少し回復する擬似的な回復技でしかないのだけどアンカーを敵や建物に撃ち込んだ状態で使うとその場所へ向かって引っ張られる。これを利用して3次元的な高速移動できることが分かったのだ。なお、移動方向バレバレなうえに結構消費激しいので多用はできない模様。
結果に満足したところで夕食の準備する時間が近いのでログアウト。夕食後もレベル上げ頑張ろう!
~ステータス(一部)~
ノワール:レッサーヴァンパイアLv5(女)
【長柄Lv5】【敏捷強化Lv5】【跳躍Lv5】【感知Lv3】【鑑定Lv4】【闇魔法Lv5】【血液操作Lv5】【吸血Lv2】【HP自動回復Lv2】【不意討ちLv1】【地形把握Lv1】【脚力強化Lv1】
称号:【挑戦者】【スペシャルステージLv5クリア】【無慈悲な者】【通り魔】
Tips:称号について
称号は特定の条件を満たすと現れる実績のようなものです。ほとんどはただのコレクター要素ですが、取得しているだけでボーナスがつくものもあります。
Tips:スキルの解放について
キャラクタークリエイト時に登録したスキル以外は条件を満たすことで解放され取得できる様になります。条件は様々なのでぜひ見つけてみましょう。
~裏話~
吸血種と不死種はデフォルトスキル【夜の住人】で暗視能力がありますが完全な暗闇は彼等でも見えません。人よりも遥かに少ない光量で見通せるというだけです。




