表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/14

戦闘チュートリアルとミニゲーム

2話同時投稿の2話目です。


チュートリアル後半戦です。

「それじゃ早速戦闘…といきたいとこだがこれを渡してなかったな。初心者アイテムセットだ。」

 そう言って投げてきた小箱を開けて中身を確認する。

<初心者武器チケットを手に入れました>

<初心者HPポーション×5を手に入れました>

<初心者MPポーション×5を手に入れました>

<初心者アイテムセットLv5を手に入れました>

 中身の方が外側より明らかに大きいとか流石はゲーム世界。それよりもアイテムセットLv5は何となく分かるけど初心者武器チケット…?


[消費] 初心者武器チケット レア度Ex

使用すると初心者の~と名前についた武器と交換できるチケット。見習いの証。


 なるほど。人によって違う部分だけ自分たちで選ぶ形にしたと。納得したところで早速武器に交換。


[武器] 初心者の長棒 レア度Ex 耐久力-/-

初心者の使う練習用の木の長棒。軽くて扱いやすいが戦闘には向いてない。譲渡不可。売却不可。


 耐久力の表示が-/-なのは初心者武器だから壊れないってことで合ってるかな?ってレア度Exには耐久力が存在しないってレア度のヘルプに書いてあったよ…。っと装備しておかないとね。


「装備したな。武器は…長棒か。面白いところ取ったな?これは楽しくなりそうだ。」

 なんかひとりで納得してるけど多分聞いても教えてはくれなそうだなぁ。言い方だと何か噛み合う組み合わせでもあるのかな?答えが出るような事でもないので続きを聞こう。

「それじゃ使い勝手を確認してくれ。準備ができたら始めるぞ。」


 少し動いてみて大体分かったのでオーケーを出す。


「よし、本番行くぞ?『スペシャルサモン:ウルフ』。」

 GMの前に魔方陣が現れて回転し、光の粒が中心に集まり狼の形をとる。回転が収まったと同時に光が弾けて体長1メートルくらいの狼が現れた。

「さあ、開幕だ。いけ、ウルル!遊んでこい!!」

 GM の ルーガ は ウルル を くりだしてきた

…GMあの()に名前つけてるんですか。ウルルってことは女の子かな?

って速いっ!かろうじて回避出来たけどギリギリすぎる…。飛び掛かる前の踏み込みで小さくクレーターもできてるし絶対これ戦闘練習用の相手じゃないよね?GMもやっちゃったって顔してるし…って目を逸らされた!


 多分10分くらいは戦えていたと思う。結果?当然負けましたよ。ゲーム(こっち)の身体は現実(あっち)の身体よりも高スペックなようでかなり動けたのとスキル活用でなんとか瞬殺されない程度には持ち堪えられてたけどMP切れになって崩れた瞬間に一撃終了。残り8割位はあったはずなんですけどねぇ?


「さて、GMよ。言い訳を聞こうか?」

「正直スマン…。レベルを落として召喚されるはずが反映されてなかったみたいだ…。っとちょっと待ってくれ、運営コールだ。」

 どうやら他の運営からチャットのようなものが入った様子。向こうの声は聴こえないけど反応から見るになんか揉めてるっぽい?あ、折れたみたい。

「あー、今回のミスに対するお詫びとしてこいつを贈ることになった。俺的にはこれはやりすぎだとは思うが楽しかったお礼も兼ねてだと。いい趣味してるぜ全く。」

 そう言って渡されたのは赤いラインが中央に入った黒い腕輪と…これは指輪?


[装飾品] 黒血の腕輪 レア度Ex 耐久力-/-

血のような紅色のラインが入った腕輪。妙に腕に馴染む。


[装飾品] 蝙蝠のリング レア度Ex 耐久力-/-

蝙蝠の意匠が施された血色のリング。微かに魔力を感じる。


 なるほど、全くわからない。お詫びの品だしただのファッションアイテムでは無さそうだけど…。

「これは何なのだ?名前からして吸血種である私に関係あるとしか判らん。」

「【鑑定】のLv1じゃそんなもんだ。簡単に言えば種族スキルに補正がかかる特殊アクセだ。これ以上は自力で調べてくれ。」

 最初に貰って良いような装備ではない気がするんですけど!

「良いのか?そんな装備を貰っても。」

「ちょっと面倒だが早いうちに手に入るヤツだ。吸血種でもなければちょっと強いだけの見た目装備だからな。スタートダッシュだと思って気にするな。」

「ふむ。そういう事ならありがたく貰っておこう。」

 スキル重視な装備もあるんですか。集めてみたくなるね。メニューから装備すると腕輪は右腕に、リングは左手親指に嵌まった。


 私が装備を着けたのを確認してGMが口を開く。

「さて、あそこまで動けるなら戦闘はもう大丈夫だろう。最後にちょっとしたゲームがあるがやっていくか?クリアは勿論だが参加だけでも報酬あるぞ?」

「面白そうだ。参加することにしようじゃないか。」

 報酬とやらも気になるしね。

「それでこそだ。それじゃいくぞ?『ディメンション・ステージ:Lv5』!」


 一瞬の視界の暗転とともに風景が様変わりしていた。白い通路と足場が迷路のように複雑に絡み合い、空中に漂っている。所々広場のようになってるところも見えるけど、あれは何かありそうだなぁ。

「ルールは簡単だ。時間内に俺のとこまで辿り着け!死亡か時間切れで失敗だ!地面に落ちてしまうと落下ダメージとスタート地点まで戻されて2重の意味で痛いからな!」

 遠くでGMが叫んでいる…。距離は1000メートルはありそうかな?ってちょっと遠くない?制限時間は10分と余裕あると思うしスタートしないとカウントされないようだからルートも決めて動けそうだけども。

「準備ができたら始めてくれ!待ってるだけなのは退屈だからな!」

 遂にぶっちゃけてきましたね。とにかく準備は出来てるので始めましょうか。


 本当にこの身体は便利です。現実の身体基準で無理そうな距離も簡単に跳べるので強引なショートカットすら可能なんだから。お陰でゴール間際でまだ3分しか経ってません。

そして問題はゴール前の広場。ここを必ず通る必要がある上に他の広場よりも少し広めになっている。どう考えても最後の関門として何か出てくるのが見えてます。さっさと倒して通ろう。

 予想通り広場に着いた瞬間にウルフが現れた。って多い!5体同時はまだ戦えない!ここは予定変更で逃げ切ろう。


 端に追い詰められないように立ち回りながら隙を窺う。よし今だっ!攻撃が止んだ瞬間にゴールへ向かって走る。やった、逃げ切れ…ぐえっ!見えない壁に顔面強打して弾かれた…。GMが大爆笑してる。絶対あとで一発殴ろう。ってヤバっ!

 追い掛けて来ていたウルフの追撃を転がってなんとか躱す。危なかった…。激突でかなりダメージ受けたせいでもうHPに余裕がない…。対して守りに徹していたから相手はそれぞれかなり残ってる。残り時間はすでに3分切ってる。


…なんて絶望的状況。でもなんだろう?凄く楽しいっ!


 ウルフの一匹が追い討ちをかけようと飛びかかってきた。お前にも壁にぶつかる痛みをやろう!下から掬い上げるようにして壁に向かって飛ばしてやる。

 さぁぶつか…らない?そのまま通過して落ちていった。少ししてグチャッとか嫌な音聞こえた気がするけどナニモ聞コエテナイヨ?うん。とりあえずこれであと4匹。敵には場外が有効なのが分かったのでチャンスにはダメージ覚悟で狙っていこう。こっちは落ちないのだから端に寄るべきかな。

 一匹が減って緩くなった連携を【闇魔法】の初期スキル『ダークボール』で牽制しつつ処理していく。

近くでダークボールにかかって怯んだ隙に場外に蹴り飛ばして2匹目。

後ろに回り込んだのをフルスイングで落として3匹目。

相手の攻撃に合わせて地面に叩き付けて4匹目。

最後のは怯えて伏せていた。よしよし、だいじょうぶ怖くないよ?ちょっと死ぬまで血を貰うだけだからね?……では、

い た だ き ま す


ごちそうさまでした。全部倒して残り時間は…あと10秒?急いでゴールに滑り込みます。


<称号:【挑戦者】を手に入れました>

<称号:【スペシャルステージ:Lv5クリア】を手に入れました>

<称号:【無慈悲な者】を手に入れました>


ゴールと同時に何か称号を貰っちゃいました。ついでにGMがドン引きしていた。

「うわぁ……、容赦ねぇ………。落としたのもそうだが……。うわぁ…。」

「全て倒さねばならないものに容赦など必要があるか?」

全滅させないと越えられなかったのは確認済みです。

「その通りではあるんだがな。なんというか……。まあいい、クリアはクリアだ。ギリギリの難易度選んだつもりだったが思ったよりも余裕あったしLv7くらいでも良かったか?」

 止めてください、死んでしまいます。

「冗談だ。こいつが報酬だな。」


<SPを10手に入れました>


随分と大盤振る舞いで。ありがたく貰っときましょうか。

「あとは個人的にこいつだな。狩りとか情報提供は無理だが過干渉にならない程度には相談に乗ってやるぞ?」


<GMルーガからフレンド申請が届きました。許可しますか? Yes/No>


 …何かと思えばまさかのフレンド申請でした。あって困るものじゃないので承認しておきます。

「フレンドありがとうな。これでチュートリアルは終了だ。この魔方陣に乗れば種族毎のスタート地点に転移する。お前の活躍期待してるぞ?」

「なかなか刺激的で面白いチュートリアルだった。今度はもっと闘えるようになっておくとしよう。ではさらばだ。」


 魔方陣の中央に乗った瞬間強い光が降り注ぎ、思わず目を瞑る。ふわっとした軽い浮遊感のあと目を開けると…真っ暗なんですけど?

Tips:レア度と品質について

レア度は低い順からN→R→SR→Lがあり、それぞれ+付きとExの合計9種類からなります。Exはイベント品などの特殊枠で、基本的にLに近い方が珍しいです。

品質はF~Sのそれぞれ±付きとSSの22段階あり、当然高い方が良いものとなります。


Tips:レア度Exについて

レア度Exのアイテムは品質の変動が存在せず、どのアイテムでも常に中間であるCで固定されます。また装備中の場合PKによってドロップする事がなく、耐久力も存在しません。


~裏話~

スペシャルステージのレベルによる難易度は

Lv1:初心者の慣らし用コース

Lv2:慣れてきた初心者用のコース

Lv3:ノウハウが分かってきた初級コース

Lv4:そこそこやれる中級コース

Lv5:戦場で生き残る半上級コース

Lv6:ベテラン戦士の上級コース(この辺から初期装備は無謀なレベル)

Lv7:片足人外に突っ込んだコース

Lv8:半分人外用コース

Lv9:人間卒業試験コース

LvMAX:哲学

だいたいこんなぐらい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ