リノンの日記 これが私たち二人の最後の日記だよ?
ユウスケへ。
待たせてごめんね…。
これが私たちの最後の日記です。
私ね…自分の気持ちも整理してたの。
そしてね。
ユウスケにどうやって伝えればいいか、
分からないでいたの…。
でも…これは日記で書くって決めたの。
えっと…。
魔王なんだけどね…。
弱らせてから、ファンファーレ・レイを使ったの。
そしたらね。
実はファンファーレ・レイって、
汚れた心を浄化する魔法でもあったの。
魔王はね…実は昔、天使だったんだって…。
人が大好きで…人も天使の事が大好きで…。
でもね、ある日、人間の裏切りにあってしまったの…。
その恨みが…彼女を魔王に変えたんだって…。
歴代の勇者たちは、
彼女を浄化してあげることが出来なかったの…。
でも…私は、浄化しちゃったの…。
だから…魔王は、天使に戻ったの…。
…私、ひどいことしちゃったから、
いっぱいごめんなさいしたわ…。
けどね、天使は微笑んで…。
「私を浄化するために、必要なことだったのです。」
って、言ってくれたの…。
天使はね。
浄化してくれたお礼に、願いを叶えててくれるって、
言ってくれたの。
私はね。
「現実世界に行く方法…ユウスケに会う方法を知りたい。」
って、言ったの。
そしたらね。
この日記を使えば、現実世界…日記の持ち主のところに
行けるって言ってくれたの。
ただし、戻ることはできないだろう…って…。
…ごめん…。
正直、迷ったの…。
私の世界…異世界を捨てて、ユウスケの所に行くの…。
異世界を捨てるのも怖かったし…。
それに…ユウスケが…本当はどんな気持ちなのか、
考えると怖くなって…。
でも…悩んだ私が、バカだった…。
ユウスケはいつも真剣で、私に優しくて…。
…それに、初めての告白をくれたのに…。
ユウスケ…本当ゴメンね…。
本当はね、魔王の事は、会って話そうと思ったの。
でも、きっと…。
ユウスケを見たら、話しが出来なくなるって…。
だから、日記にしたの。
…2回も短い返事、ゴメンね?
じゃあ…私そっち行くから。
これを読んだら、日記を床に置いて?
そして、次のページに呪文が書いてあるから、
それを声に出して唱えてほしいの。
じゃあ…。
ユウスケ、会いに行くね?
準備出来たら、呪文唱えてね?
私は、いつまでも待ってるから…。
リノンより。




