150/161
閑話休題 雄介、春風の気持ちいい季節に。
学校…。
クラスメイト達は、もうすぐ来る春休みに
胸を躍らせている。
季節は三月の半ば。
今頃異世界では、リノンが魔王を追いかけてるころ
だろうか?
それとも、もう追い詰めているのかも…。
「ふふふ…。」
ちょっと、おかしく感じた。
これが僕の現実。
そして、魔王を追い詰めているリノンも、
リノンにとっての現実。
仮に、僕とリノンが逆の立場だったら、
どうなっていただろう?
「…まねできないな…。」
やっぱり、笑いがこみ上げる。
「新田~。何がおかしいんだ?」
「すみません…。」
クラスメイト達はクスクス笑う。
リノンの日常って、どんな感じなんだろう…。
僕は春の陽気に照らされながら、
ぼ~っと、考えてしまう。
「頑張って、リノン…。」
僕は小さく、そうつぶやいた。




