ウィンディーネに会いに行こう!(ブラは貝殻じゃないと許しません(4)
そんな感じで、終始和やかなムードのまま、海底をてくてく歩いていると、いつの間にか他のマーメイドやマーマン達が集まってきた。それはまぁ良いんだけどね…
予想はなんとなくしてたし、覚悟もしてたから良いんだけど、マーマンの恰好どうにかならんのかね?いかにも海の男って言う感じの、上半身ムッキムキのナイスガイな人達が、所謂ブーメランパンツ一丁と言うね。
いやいや、あんた達そのモッコリ隠しなさいよ!明らかにマーメイドよりマーマンの方が、パレオか腰蓑着けるべきでしょう!!
元の世界だったら、公然猥褻罪で捕まりそうな人達が、あたし達の周りを回遊するもんだから、目のやり場に困るってのよ。おまけに、種族的な問題なんでしょうけど、やたらフレンドリーで明るい人達ばっかりだから、悪気が一切無くて質が悪いって言うね。
最初は愛想笑いして対応してたんだけど、あたしがよっぽど珍しかったのか、終には四方を彼等彼女等に囲まれてしまった。そうなれば当然、何処を向いてもモッコリが視界に入る訳で、結果…
「えぇ~いっ!!寄るな!触れるな!見せるな!!いくら珍しいからって、デリカシー無く、んな物乙女の目の前に見せつけんじゃ無いわよ!!モグわよ!?」
テンパった挙げ句に、右手でこうグリッと握りつぶす動作をしながら、そう叫んで仕舞いましたとさ。恥ずかしい…
何をモグって?言わせんな☆
あたしが動作付きで叫ぶと同時に、男性陣はモッコリ手で隠して、蜘蛛の子散らしたように退散していき、それを見て女性陣一同が爆笑したのは言うまでも無く。ついでに、あたしも笑われたのも言うまでも無いわね、けっ!どうせ処女ですよ!!
その流れで解ったんだけれど、マーメイドやマーマン達は、長命な精霊種の中で一番短命な種らしく、性に対して結構オープンなんだそうだ。だから恰好までオープンって言うのは、倫理的にどうなん?って思うけれど、彼等のコミュニティ内でそんな事言うのは野暮ってものだろう。
話を聞いて、知らなかった事とは言っても、自分の価値観で発言してしまった事を、素直に反省しました。けど悔いはありません!多分発言前に知ってたとしても、結局言ってたと思うから(テヘペロ☆
「ママ!見て見て!
「言われなくても見えてるわよ。」
そんな事があってから、更にてくてく歩いていると、不意に青い光の粒が現れた。それを見つけたオヒメが嬉しそうにはしゃぎ、あたしもそれに答えて視線で追うけど、それが見えないんだろうエイミーとクララは、あたし達のやり取りを見て何の事かと思っている様子できょとんとしていた。
それは、あたし達が進むにつれて次第に数を増していき、青色の濃淡も様々な蛍を思わせる動きをする光。精霊王の強大な力から産み落とされる、命の元となる微精霊と呼ばれる光の粒子達だった。
精霊と言っても、この全てに意思が存在している訳では無くて、この光の粒達の中から意思を持って産まれた存在が微精霊と呼ばれて、それ以外の光は意思ある精霊を成長させる糧なんだそうだけど、便宜上全部ひっくるめて微精霊と呼ばれているそうだ。
そんな微精霊達が見えていない筈のクララは、その光に導かれるように、あたし達を先導して移動して行く。やがて、微精霊達が沈着して結晶化したと言う精霊石が、あたりに目立つようになっていき、それまで筋だった光が、奔流と言える程にその数を増した頃、その洞窟はひっそりと口を開いて、あたし達の到着を静かに待っていた。
『着きました。あちらがウィンディーネ様の居られます、神殿の入り口になります。』
そう説明された場所は、目に見える範囲一面が精霊石で覆われていた。そして、ぽっかりと空いた穴からは、絶えず微精霊達があふれ出していて、辺り一帯に散らばっていく様は幻想的で、昔テレビで見た海流のうねりに併せて躍動する、海ほたるの群れのようだった。
クララに案内されるまま、洞窟の入り口まで来たあたし達は、1度立ち止まってエイミーと顔を見合わせ頷き合うと、意を決して洞窟の中へと足を踏み入れた。洞窟内は思った以上に広く、4~5人位は並んで歩ける程の道幅があった。
けど、進んですぐに行き止まりとなって、あたし達の行く手を遮るように、精霊石製と思われる両開きの門が、厳かな雰囲気で鎮座していた。イフリータの住処でも同じく門があったけど、それとは中央に描かれている彫刻が違う様ね。
『私の案内はここまでとなります。それでは御2人とも、どうかお気を付けて。』ゴゴゴゴゴ…
そうテレパシーで語りかけてくるクララが、門に手を添えると同時に、地響きを響かせながら扉が開いていく。そして、開かれた隙間から視界一面を埋め尽くす程の微精霊が飛び出してくる中、あたし達はその流れに逆らうように歩を進める。
そして、門を境界としたあちら側に、あたし達が踏み出した瞬間、『パァンッ』と空気の破裂する音共に視界が晴れる。するとそこは、先程まで居た海底の底ではない、全く違う別の何処かだった。
「ようこそ御出になりましたね。我が盟友エイミーと、新たなる精霊王ヴァルキリー・オリジンよ。」
広大な蒼い空間が果てしなく続く世界の中に、巨大化した貝や珊瑚がオブジェとして、辺りに所狭しと飾られているそんな場所で、珊瑚の木に支えられた巨大な二枚貝のベットに、サッカーボール位はありそうな真珠に、その豊満な身体を預けて寝そべる美しい女性。
鮮やかに輝くコバルトブルーの長い髪、その髪の隙間から、クララと同じ胸びれの様な突起物が、耳の辺りから飛び出ていて、その人物がマーメイドで在る事を物語っていた。切れ長で髪と同じ色をした瞳と小ぶりな鼻は、スッと通った目鼻立ちをしていて、そこに添えられた情熱を灯したかのような赤い唇が、いかにも大人の女性という雰囲気作りに華を添えていた。
それに加えて、胸からへそ下までがぱっくり開いた蒼いドレスは、出る所はしっかりと出て、引っ込む部分はちゃんと引っ込んでいる彼女の身体のラインを、余す所なくハッキリ解る様に、ぴったりと吸い付くようして着付けられていて、同性のあたしから見てもエロティシズムを掻き立てられる。
トドメが、男性が相手だったら真っ先に目が行くだろう、その凶悪な破壊力のある胸だ。巨乳が売りのグラドルも顔負けの大きさで、身体を横にして寝そべっている所為もあって、平べったく押しつぶされていながら、柔らかさを自己主張する様にプルンプルンと振るえている。
ただそこに居るだけで、女の最大の武器のフェロモンを、全身からまき散らしているかの様な女性。彼女こそ、この蒼の世界の支配者たる人物である事は、その全身から振りまかれているフェロモン以上の、余りにも似つかわしくない圧力から容易に察する事が出来た。
その醸し出すフェロモンと圧力が相まってか、もしも彼女が美の女神だと言われたら、素直に信じてしまう様な神々しささえ感じられる。それだけ美しく神々しい、完成された『美』がそこに存在していた。
彼女がウィンディーネ・オリジン…エッロい身体してるわね~腹立つわ~(主に胸の部分が
そんな高まった感情も、一周回ったらショートするらしく、なんだかんだ言って最終的にそんなおっさん臭い感想と、超個人的な感想で落ち着きました。思わず自分の胸をペタペタ触りながら、プリンみたいにぷるんぷるんしてるキョヌーを、羨望の眼差しで睨みながら、やり場のない怒りを感じて思わずため息。
べ、別に羨ましくなんて無いんだかんね?!胸大きくたって、身体動かす時当たって痛い(人から聞いた)とか、揺れて重心がずれる(人から聞いた)んだから!体験したいなんて思ってないんだかんね!!(精一杯の強がり
『胸大きくっても邪魔なだけだよ~』とか、『優姫はそのままが一番良いよ~色々やってるんだし、肩凝ったら大変でしょ?』とか、地味に抉る様な慰めの言葉なんて要らないんだかんね!!オギャーッ!!(思い出してギャン泣き
OKOK、落ち着こうかあたし、我が身体に恥じる要素など一切無し!これで理論武装は完璧(?)ね。そんな事よりも、確認する事がありそうね…
「始めまして、ウィンディーネ先輩。それより、どうしてヴァルキリーの名前を知ってるのかしら?まだ誰にもその事は喋っていないんだけど
「イリナスより伺っていますよ。何でも、御自分で名前を付けたそうじゃないですか?」
あたしの嫌味混じりの質問に対し、ウィンディーネは姿勢はそのままに、クスリと微笑んで事も無げに答えてくる。その予想通りの答えを聞いて、あたしは思わず頭を抱えてため息を吐いた。
「あんにゃろめ…人を監視するだけじゃ飽き足らず、盗聴までしてんのかい…
「あ、あはは…」
あたしの悪態に、いい加減馴れた感じのエイミーが、乾いた笑いを浮かべて頷いた。
「それより、思ったよりも早かったのですね。もう幾ばくかは掛かると思っていたのですが…
「馬よりも早い足を、運良く手に入れる事が出来ただけよ。まぁ疲れたけどね
「成る程、そう言う了見でしたか。異世界の道具か何かで?
「えぇ、正にその通りよ
「まぁ、それは頼もしい。」
その姿勢が楽なのかどうかは解らないけれど、相変わらず彼女は横になったまま、世間話でもする様な感覚で話を切り出してくる。それに答えつつも、何が起こってもすぐに対応出来る様に、辺りに意識を向けて警戒するのも怠らない。
「…何も、そんなに警戒する必要はありませんよ。」
そんなあたしの所作を見て取ってか、ウィンディーネは妖艶な笑みを浮かべて、そう告げてくる。
「我が盟友エイミーより、聞いているのではないですか?妾は争い事が苦手なのですよ。そう警戒せずとも、手を出したりしませんから安心しなさいな
「安心しろって言われてもね~いきなり精霊界に引きずり込まれたんだし、安心なんて出来ないでしょう
「あら、それはごめんなさい。水中では落ち着かないと思いましてね。」
あたしの言葉に、彼女は悪びれた様子も無く、変わらぬ妖艶な笑みを浮かべながら答えてくる。それを聞いてあたしは、鼻を鳴らしながら腕組みしてみせ、ウィンディーネを静かに見据えた。
「イフリータは、あたし達を精霊界に閉じ込めて、問答無用で攻撃してきたのよ?あたし達にとっちゃ、こっちの方が水中よりも落ち着かないってのよ
「あらあら、イフリーったら相変わらず単細胞ね。ごめんなさいね?けど、妾から攻撃する意思は本当に無いのよ?」
相変わらず貼り付けたかの様な、妖艶な笑みを崩さず答える彼女に、あたしは心の中『よく言うわ』と、吐き捨てる様に呟いた。その言葉は暗に、こっちから手を出したら手を出すと言う、意思表示の現れに他ならないし、そもそも彼女の隠そうともしないあたしへの圧力は、無理矢理首根っこを押さえつける気満々だった。
何よりも、終始笑みを浮かべたままで、自分と同等の存在のイフリータを、単細胞と(まぁ事実だけど)切って捨てた辺り、高級魚のノドグロもビックリして漂白しちゃう位、喉から真っ黒になってそうで怖いっての。この世界に来て、今までで一番ヤッベェ奴だって、あたしの本能がガンガン警鐘鳴らしてんのよね~
「…話をとっとと進めましょうか。イリナスに言われて、貴女の力を受け取りに来たんだけど
「えぇ、存じておりますとも。精霊の先達として、後進に力を分け与える事は、もちろん吝かではありませんよ。しかし、妾の力の一端を授けるに値するか否か、見極めさせて貰います。」
そう告げて、彼女はようやく姿勢を僅かだけ崩した。と言っても、左手を前に突き出しただけだけどね。
「可愛く愛しい子アクアマリン、いらっしゃい。」
ウィンディーネが左手を突き出しそう告げると、手の翳した先に蒼い光が集まりだして、それが次第に人の姿を取り始め、やがて青いゴスロリ風のドレスを身に纏った、17~8位の女性へと変貌していった。
「お待たせしました、ママ。」
そしてその姿がハッキリすると、少女は屈託の無い笑顔をウィンディーネに向けて、スカートの裾を持ち上げて可愛らしくお辞儀する。その後、くるりと反転してあたし達へと向き直ると、同じく屈託無く笑ってみせて、スカートの裾を持ち上げお辞儀する。
「アクアマリンです。よろしくお願い致します、エイミー様ヴァルキリー様
「妾の出す試練の概要を説明します。ヴァルキリー・オリジンよ、汝にはこの妾の愛しき娘、アクアマリンと行動を共にしていただきます。」
そう語るウィンディーネと、未だお辞儀し続けるアクアマリンから、一旦視線を外してエイミーへと向ける。その視線に気が付いた彼女が、頷いてきたので頷き返して応えた。
どうやらここまでは、エイミーから聞いていた通りの展開のようね。違いがあるとすると、エイミーの時とは違って、下位精霊じゃ無いって事だけど…
「…その様子ですと、妾の試練は予想通りと言った所でしょうか。大方、妾の娘を連れて、他の場所を巡ろうとでも思っていたのでしょう?盟友エイミー
「恐れながら、その通りでございます、ウィンディーネ様
「責めるつもりはありませんよ。こちらとしても、その方が都合が良いですし…
「は?それは一体どう意味でしょうか?」
相変わらず妖艶な笑みを浮かべつつ、ウィンディーネはエイミーを一瞥して、そんな風にして問いただし、その事実を素直に認めた彼女は、苦笑を浮かべながらに敬意に膝を折って頭を下げる。そして、返ってきた答えに、エイミーは下げた頭を上げて聞き返し、あたしも訝しがりながら首を傾げた。
そう言えばさっき、あたし達の移動手段について、なんか食い付いてきたわよね?ただの世間話かと思って、流してたんだけど…あ~、嫌な予感しかしない。
「…妾の力の一端を、アクアマリンに預けています。その子が貴女を認めたら、それを渡すようにも伝えてあります。」
エイミーの問い返しが、まるで聞こえなかったかの様に、ウィンディーネが話の続きを口にし出すと、ようやくアクアマリンと呼ばれた少女は、お辞儀を解いてあたし達の元に向かって、ゆっくりと降下してくる。
「アクアとお呼び下さい!よろしくお願いしますね、エイミー様、ヴァルキリー様。それに、えぇっと…
「姫華だよ!
「よろしく姫華
「よろしくねアクアさん。それと様付けは止めて頂戴、あとそのヴァルキリーって呼び方もね。一応、あたしが精霊として召喚されたってのは、まだ内緒にしておいてくれって頼まれてるのよ
「まぁ!そうなんですね!!では、なんとお呼び致したらよろしいでしょうか?
「優姫で良いわ
「私の事も様付けで呼ぶ必要はありません。これから旅を共にするんです、堅苦しいのは無しにしましょう
「わかりました、改めてよろしくお願いします。エイミーさん、優姫さん。」
あたし達の申し出に、アクアは屈託無く笑って応える。彼女のその姿は、ウィンディーネを幼くして、髪を短くしたと言った感じなんだけど、あの妖艶な雰囲気の危ない系美女も、彼女みたいな姿だった頃があるのかしらね?
「…お互い、自己紹介も済んだ様ですね。それでは、海底洞窟では無く海岸に送るとしましょう。アクアマリン、頼みましたよ?
「はい!もちろんですママ!!お任せ下さい。」
あたし達の会話が済むまで待って居たんだろうウィンディーネは、会話が一段落付いた所で、アクアに向かってそう告げる。それに対して、自分の胸をドンッ!と叩いて見せて、彼女が力強く頷くのだった。
「では、貴女方の旅路に幸あらん事を祈っています。アクアマリンの事をよろしくお願いします。アクアマリンも、本当に本当にお願いしましたからね?
「はい!」
そして視界が揺らぐと、アクアの元気な声が海の向こう側へと吸い込まれていっき、あたし達は数分前に立っていた波打ち際へと戻ってきていた。
「…なぜウィンディーネ様は、あんなに念押しされたのでしょうか。」
一瞬の間の後、海岸線を眺めながら、エイミーはそんな事を口にした。
「…気付いてんでしょ?1度は経験してんだから。これで判らないなんて言ってたら、どんだけ鈍感なのよって話よ?」
そう言いながら、半眼になって彼女に視線を向けると、あたしが居る向きとは真逆に顔を背け出す。その行為から、彼女がちゃんと理解した上で、現実逃避でそう呟いたんだと察した。
うん、まぁね。こんだけヒント在れば、流石に気が付くよね?
ヒント1,馬より早い乗り物を所持しています。
ヒント2,アクアを乗っけて各地を回ります。
ヒント3、精霊さんって精霊界に戻る時は、精霊王さんの元に行くらしいですよ?
ヒント4、ウィンディーネさんは魚に飽きてるそうです。
ヒント5、ウィンディーネさんは、物のついでに人をパシらせる精霊さんです。
「じゃぁ行きましょうか!さし当たって、セゼリで何か美味しそうな物を買っていただきたいです!!
「え?!姫華も!姫華も!!」
と言う訳で、たかる気まんまんでセゼリへと向き直るアクアと、右に倣えで着いくオヒメ。そんな2人の背中を見ながら、あたしとエイミーどちらからとも無く、深いため息を吐いた。
この度、どうやら精霊のパシリから、精霊のアッシーにランクアップしたらしいです、ファッキュン!
「…ひょっとしてさ。あの人、単にお腹苦しくて横になってたんじゃない?だったらあたし、警戒してたのがアホらしいんだけど…
「そ、それは流石に…無い、と信じましょう
「はぁ…このモヤッとした気持ち、何処にぶつけようかしら?
「あ~…ではアレにぶつけますか?」
そんな調子で会話をしながら、セゼリとは逆方向へと身体を向け歩き出す。その先には、人が隠れるにはもってこいの岩場が広がっていて、ある地点からこちらを伺って身を隠している、複数人の分の視線を感じた。
その視線が、突然現れただろうあたし達に対する、ただの驚きや奇異の視線だったら、まだ良いんだけどね~明らかに悪意を感じるのよね~
まさか、ここに来てクララさんの建てたフラグを、回収する羽目になるとは…もしかしてウィンデーネは、コイツ等に気が付いてて、あたし達を直接ここに送り飛ばした?…んでしょうね、ったく。
「…しゃ~ない。運転前の準備運動といきますか。」
そう呟きながら、あたしは竹刀を召喚して、右手で軽く素振りする。ちょうど同じタイミングで、岩場から如何にもって感じの、柄の悪いごろつき達が十数人姿を見せる。
その手に、銀色に光る剣呑な道具を持っている辺り、状況証拠で有罪判決間違いなしだろう。どう見たって、お茶会の招待状持ってきたって雰囲気じゃ無いもんね。
「エイミー、半分任せるわ
「えぇ、承知しました。」
そう答えて、エイミーは魔法の詠唱を開始して、あたしは砂浜を蹴って駆け出した。はてさて、セゼリに向かったお馬鹿ちゃん達は、一体何時この状況に気が付くのやら…




