間章・後日話を聞いてアホの子認定しました
「…すごい。」
赤い粒子の群れとなった『炎帝』が、優姫の手にした刀に吸い込まれていく光景を、最後まで目撃していたエイミーは、譫言のように呟いていた。その光景は、幻想的の一言で、彼女が思わず魅入ってしまうのも頷けた。
普段は何かとおちゃらけている優姫も、この時の横顔は凜々しく、幻想的な光景に更なる華を添えている。そして、残心の境地を残したままに、居合の所作である血振りの後、九字兼定を鞘へと収めた。
「ッ?!危ない!!」
すると次の瞬間、何の前触れも無く優姫の身体がグラリと傾き、まるで糸の切れた人形のように、前のめりに崩れていく。それを、瞬間的に察知したエイミーは、飛び付くようにその身体に抱きつき、間一髪の所で支える。
「優姫さ…ゆ、優姫!大丈夫ですか?!」
そしてすぐさま、優姫の顔をのぞき込みながら、その身体を揺さぶってみる。しかし、返ってくるはずの返事は無い。
「優姫!!ゆう…寝てる?はぁ…」
返事の無い事に心配して、何度か呼びかけた所で、エイミーの長い耳が、優姫の口元から漏れ聞こえる寝息を聞きつけてピクリと跳ねた。そしてようやく状況を飲み込んだ彼女は、安堵のため息を深く突きながら、優姫の上半身をギュッと抱きしめたのだった。
元々、1日24時間の世界からやって来た優姫が、この世界の1日30時間というサイクルに、未だ不慣れである事を彼女は知っていた。それが原因で、こちらの世界にやって来てからと言う物、毎日のように数時間仮眠を取って、体調を合わせようと努力していた事も。
時間的に考えてみれば、優姫が普段仮眠を取ろうとしていた時刻に、そろそろなる頃合いだった。とは言え、例えそうだとしても、睡魔が多少やって来ていた所で、普段の彼女の事を考えてみれば、このタイミングでいきなり寝落ちするとは考えにくかった。
それも、先ほどまであれ程の戦いぶりを見せていた優姫が、お手本のような残心の所作さえ見せていた彼女が、試練が終わったとは言っても、そんな簡単に気を抜くとは考えにくい。おまけに、揺さぶって何の反応も見せない程、そこまで深い眠りに一瞬で落ちてしまう物だろうか?
その考えに至ったエイミーは、安堵の表情も束の間、眉間に深く皺を刻んで、優姫の寝顔を改めて覗き込んだ。
「…寝てるなぁ。いい気なもんだ
「きゃっ!イ、イフリータ様?!」
よほど集中していたのか、すぐ側まで普通に近づいてきていたイフリータにさえ、全く気付いていなかったエイミーは、不意に声を掛けられて身体を強張らせる。
「あん?そんな警戒しなくても大丈夫だぞ?もう試練は終わったんだ。これ以上、おまえ等に危害を加えるつもりは無いよ。」
そう言われてもなお、警戒を解こうとしないエイミーに、困った表情を浮かべながら、燃えさかる炎の髪を掻きむしり、盛大なため息を吐いてみせるイフリータ。
「…済まなかったよ。そいつをその気にさせる為とは言え、オレも少し調子に乗っちまったようだ
「いえ…イフリータ様も、イリナス様のご命令があったのでしょうから、仕方無かったと思います。ただ…」
イフリータの謝罪の言葉に、少しばかり警戒を解いた様子で、エイミーはそう答えた。そして、そこで言葉を区切ると、心配そうな表情を浮かべて、自分の胸の内で眠る優姫に視線を落とした。
「ただ、この件が引き金となってしまった事を、きっと私は許せません
「そうかい、まぁ仕方ないね。」
どこか憔悴気味に、静かにそう呟くエイミーに、自嘲気味に苦笑を浮かべたイフリータが答える。そして、すぐさま真顔に戻ったかと思うと、エイミー同様優姫の寝顔を、マジマジと観察するように覗き込んだ。
「しっかし、よく寝てるなぁ。う~ん、こりゃ暫く起きないかもな
「え?!何か解るのですか?」
不意の一言に、それまでの憔悴気味な表情から一変、真剣な表情でイフリータに視線を向けて、詰め寄るように問いただし出すエイミー。その豹変ぶりに、さしものイフリータも面食らった様子で、引き気味に冷や汗を浮かべて見せた。
「お、おう…まぁ、元からの疲労や何かもあるんだろうけどな…一番の原因は、オレから受け取った魔力だろうな
「それでは…
「あぁ。さっきも言ったが、その刀とか言う武器と、その娘は魂魄レベルで繋がっているんだ。恐らく、その刀に吸収された力が、そいつを通じてその娘に流れ込んでいるんだろう
「そうですか…では、優姫の身体にイフリータ様の力が定着すれば、自然と目が覚めると?
「だろうな。身体に何かしらの変化は起きないだろうが、一部とは言え最高位精霊の力を受け取ったんだ。それなりに時間が掛かるだろうな。」
その説明を聞きながら、安堵したような、かと言って安心しきれずに居るような、なんとも形容しがたい表情を浮かべて、再び優姫に視線を移したエイミー。
「…ちょっとばかり、奮発しすぎたかな?まさか眠っちまうとは…
「…は?」
そして頭上から聞こえた、独り言のようにブツブツ呟きだしたイフリータの言葉に、実に間の抜けた声と表情で、彼女に向き直るエイミー。そんな彼女と目が合って、焦った表情で取り繕い出した。
「あ、いや!そのな?イリナスからは、渡す際は1割に満たない程度で良いって、言われてたんだがよ…」
言いにくそうに、せわしなく視線を動かしながら、弁解し始めるイフリータに対して、その説明を聞き進むにつれて、徐々に肩をふるわせ始めるエイミー。それに気が付いて、逆に徐々に声のトーンを小さくして、視線を完全に逸らしてモジモジしている大精霊の姿は、きっと優姫が起きていたならば、有無を言わさず抱きしめていたであろうぐらいに、とてもチャーミングで可愛らしかった。
「その~…オレも久しぶりに熱くなっちまったから、つい調子に乗っちまってさ…予定の3倍位増しで渡しちまった。えへっ☆
「イフリータ様…笑って誤魔化さないでくれますか?」
最後まで聞き終わる頃には、エイミーの肩の震えは収まっていた。変わりに、それまで見た事も無いような冷笑を浮かべて、静かに凍て付く程鋭く、イフリータに向かって呟いた。それを見て、流石の炎の大精霊も、背筋に冷たい物を感じたようで、引きつった笑顔でぐうの音も出ない様子だった。
「わ、悪かったよ!ほら、これで勘弁してくれ…」
そう言って、焦った様子でエイミーに向かって手を翳すと、そこから目映い光があふれ出し、徐々にその光が収まっていくと、そこには深紅の装飾品が現れていた。それがゆっくりと地面に向かって落ちていき、それをエイミーが途中で受け止めるた。
「…これは?
「精霊石で作った装飾品だ、オレの加護付きのな。それを身に付けて召喚術を使えば、オレの分身体が数段強化されるだろうよ。」
そう言ってイフリータは、腰に手を当てながら、真剣な表情を浮かべて、眠り続ける優姫へと視線を落とした。
「クロノスの思惑は解らないが…いずれ来るだろう邪神との戦いに、その娘を巻き込もうとしている事は確かだろうさ。その時が来たら…そいつで、おまえがその娘の助けになってやんな
「…はい。」
その言葉を聞いて、暫く受け取った赤い装飾品を、ジッと見つめていたエイミーは、やがて意を決した様子でそれを強く握りしめながら、その瞳に強い決意を宿しながら頷いた。
「…っと、ついでだ。おまえにもオレの加護をくれてやろう
「え?」
突然、イフリータが虚空に向かってそう言うと、言ってる意味が判らなかったのか、訝しげな表情を向けるエイミー。そんな彼女を、全く意に介していない様子で、虚空に向かって指を差すと、その指先から再び赤い粒子が溢れ出し、ある一定の空間に吸い込まれて消えていく。
「こいつはサービスだ。可愛がってやんな。」ポンッ!
イフリータが苦笑交じりにそう呟くと同時、赤い粒子が吸い込まれていった空間から、何かはじける様な音が響くと同時に、そこに人差し指サイズの小さな少女が現れた。
「ママ!
「えっ?!か、下位精霊!」
その少女の声と、驚きに声を上げたエイミーの声が重なった。赤い瞳と赤い髪に、着ている服もこれまた赤い、どことなく優姫を幼くしたような顔つきのその少女は、満面の笑みを浮かべながら、眠る優姫の頬に抱きついた。
「ママ!ママ!!
「その娘が起きたら、精々良い名前を付けてやるこったね。ルージュ!
「お呼びですか、イフリータ様。」
いまいち状況が飲み込めていないエイミーは、優姫をママと呼んではしゃぐ少女と、その光景をどこか母性を感じさせる表情で眺めるイフリータ、そして彼女に呼ばれて、音も無く突然現れた深紅の髪の女性へと、順繰りに視線を忙しなく移していく。
「オレの娘で、高位精霊のルージュだ。ルージュ、その寝こけたお嬢ちゃんを担いで、山の麓まで運んでやんな
「かしこまりました。」
ルージュと紹介された女性は、イフリータの指示に頷くと、眠る優姫に近づき抱き上げる。と同時に、座り込んでいたエイミーへと手を差し伸ばし、それを彼女が掴んだのを確認して立ち上がらせる。
「あ、ありがとうございます
「いえ。見たところ、貴女も大分魔力を消費されている様子ですが、大丈夫ですか?
「だ、大丈夫です。自分で歩けます。」
ルージュと呼ばれた女性に気遣われつつも、気丈に振る舞うエイミーはそう答え、イフリータへと視線を向けた。
「ありがとうございます、イフリータ様
「礼なんて要らね~よ。それより、戻ったらなるべく早くイリナスに会うこったな。」
ぶっきらぼうにそう言うイフリータに、少し落ち着いて調子が戻ってきたのか、普段見せる様な柔らかい笑みをエイミーは浮かべると、それを彼女に向けた。
「んじゃ、そろそろ現実世界に戻すよ
「あ、その前に1つだけ!
「あん?」
唐突にエイミーは何か思い出したのか、そう言ってイフリータを引き留める。そして真剣な表情に戻ると、再び眉間に皺を寄せて、イフリータへと詰め寄っていく。
「先ほどイフリータ様は、優姫に『死んでも再生する』と仰っていましたよね?
「あん?そ、それがどうしたんだよ…」
凄みをきかせて詰め寄られ、再びイフリータはたじろぎ後ずさる。それに対してエイミーは、構わず更に追い詰めるように詰め寄っていく。
「精霊の皆様は、実体の無い精神生命体の上、最高位精霊であるイフリータ様を始めとした、各属性の頂点の方々は、『不滅』の加護をイリナス様より授かっておいででしょう
「お、おう…それがどうした?
「ですが優姫は、実体を持っていますよね?それに、イリナス様の加護も、既に受けた身なのですか?
「あ…
「あって…」
エイミーの言葉に、今気が付いたと言わんばかりの表情で、何か思い出したかのように呟くイフリータ。その表情を前に、呆れた様子のエイミーが絶句する。
「すみません…うちの王は、基本的に自分基準でしか物事を考えていないのですよ…
「な!ル、ルージュおまえ!!もうちょいちゃんとフォローしろよ!!」
そんな2人を横目に、恥ずかしそうな申し訳なさそうな表情で、謝罪を口にするルージュに、慌てた様子で非難の声が上がる。その姿からは、大精霊としての威厳が、微塵も感じられなかった。
「イフリータ様?」
そんなイフリータに対し、エイミーの冷え切った薄笑いが向けられる。それに冷や汗を浮かべながら、後ずさっていたイフリータは、いよいよ耐えきれなくなったのか、遂に…
「じゃ!
「え?あ、ちょっ!?イフリ…」
エイミーに向かって手を翳すと同時に、その姿が霞の如くかき消えた。そしてそれは、彼女だけでは無く、それまで身内の恥に耐え忍んでいたルージュも、そのルージュにお姫様抱っこされて眠る優姫も、その頬に飛び付いたまま、いつの間にか眠りこけていた下位精霊の姿さえも無くなっていた。
「…ふぅ。やっばいわ~」
赤い世界に1人取り残されたイフリータは、冷や汗を拭う仕草をして見せ、安堵のため息を大きく吐いた。そしてすぐさま、赤い空に視線を向けると、ある一角を鋭く見据える。
「いい加減出て来いよ、シルフィー。」
その空間に向かって、言葉を投げかけると同時に、その一角につむじ風が巻き起こる。その風が徐々に収まっていくと、そこに1人の羽を生やした少女が姿を現した。
エメラルドグリーンに輝く髪に、幼くあどけなさを色濃く残す、子供特有の中性的な顔立ち。背丈は人間の子供程度で、その身に純白のワンピースを纏っていた。
彼女こそ、炎の最高位精霊・イフリータと並ぶ、風の最高位精霊・シルフィードその人だった。
「ったく…相変わらず人の領域に許可無く入り込みやがって…
「アハハ!ごめんごめん!!けどさ、ボクも心配だったんだよね~リッタが熱くなって、あの子殺しちゃうんじゃ無いかってさ~
「オレをリッタって呼ぶな。ったく…」
シルフィードの言葉に、バツが悪そうにイフリータはぶっきらぼうにそう答える。その姿を見て、ニヤニヤと思い出し笑いを浮かべるシルフィードは、見た目の年相応な子供にしか見えなかった。
「…んだよ?
「いや~?エイミーちゃんにすっごい怒られてたな~と思って、プーックスクスクス!
「焼き鳥にすっぞコラー!!」
シルフィードの態度に、腹を立てたイフリータは、何の前触れも無く火球を無数に産み出して、それらを彼女に向かって撃つ出した。それをヒョイヒョイと躱して見せながら、イフリータに意地の悪い笑みを向け続ける。
そんな暫くのじゃれ合いの後、イフリータは火球を投げつけるのをピタリと止めて、真剣な表情でシルフィードへと向き直る。
「どう思う?
「ん?それはイリナスちゃん達の思惑の話?それとも、あの優姫ちゃんの事?
「イリナス達の考えてる事なんざ、今更知ったこっちゃね~よ。このタイミングで、新たな精霊を生みだそうってんだ、穏やかな話になる訳がねぇ。」
そう言ってイフリータは、既に痕すら綺麗に残っていない、優姫に一太刀入れられた部分を、なぞるようにその燃えさかる手で撫でた。
「イリナスが言うには、どうもあの娘、オウ・スメラギの血統らしい
「…へぇ。それは興味深いね。」
オウ・スメラギ…その単語を耳にした途端、明らかにシルフィードの目の色が変わった。それはまるで、新しいおもちゃを前にした子供のような、ワクワクとドキドキが抑えられないと言った、無邪気な子供そのものと言って良い表情だった。
「ん~…まぁ、そうだとしたら、あの戦いっぷりも納得だよね~それが気に入ったから、リッタもあんなにサービスしちゃったんでしょ?
「リッタ呼ぶな!あぁそうだよ
「リッタが気に入るんだから相当だよね!精霊一の武闘派のリッタに、認められるなんてさ!!リッタが認めたとあっちゃ、ボクもちゃんと試練を出さないとね!!ボクだけじゃ無くて、みんなだってリッタが認めたと聞いたら、きっと同じ思いになると思うんだよ!ね、リッタ?!」
わざとらしく大仰に、リッタリッタ連呼するシルフィードに対し、握り拳を作って肩を戦慄かせるイフリータは、しかし終いには諦めたのか、拳を解いて大きくため息を吐いた。
「ま、ボクに言える事は1つだけだね~」
そんなイフリータの様子に満足そうな笑顔を作ると、シルフィードはその笑顔のまま言葉を繋ぐ。それを聞き、再び真剣な面持ちで視線を上げて、未だ楽しそうに笑みを浮かべている彼女を見据える。
「優姫ちゃんはきっと、ボクたちの誰よりも強くなるんじゃ無いかな?いくら元が異世界人とは言え、中位精霊にも届かない魔力量で、最高位精霊に傷つけたんだから、いくら何でも異常だよ。キミもそう思ったから、あんなにサービスしたんでしょ?
「…まぁな。」
楽しそうに、それでいて困った様子で、肩をすくめてそう続けるシルフィードに、同じく困った表情を浮かべて、自嘲気味に苦笑しながらイフリータも答える。そして、炎と風の最高位階精霊同士、あり得ない現象を目の当たりにした事に対して、どう受け止めて良いのか解らないといった風な表情で笑い合う。
そもそも、精霊にとって位階とは、超えられる事の出来ないと言っても過言では無い、それ程までに大きな隔たりがあった。属性による優劣は在る物の、基本的に上の位階の存在を、下の位階の存在が傷つけると言う事は、不可能に近かいのだ。
精霊の位階は、イフリータ達最高位を頂点に、高位・上位・中位・下位・低位に別れる。更に、精霊の保有する魔力量によって、位階の中でも幅広く強弱のランク分けがされる。
それだけ魔力量が強さに直結する精霊達の中に置いて、最高位の精霊ともなれば、属性の優劣があったとしても、その身を傷つける事は困難なのだ。ましてや、属性の優劣無しに位階が3つも下の相手なら尚更な話だった。
実際、優姫が最後に放った刀の一撃は、イフリータが受け止めた手に、かすり傷の1つも着ける事は叶わなかった。にも関わらず、その身体には確かに刀傷が着けられていたのだ。
「…あれが、オウ・スメラギが言う所の『技の境地』ってヤツか。全く、末恐ろしいぜ…」
ふと、それまで浮かべていた笑みを消して、戦いを思い出したのだろうか、無意識に傷つけられた箇所を撫でながら、イフリータは独白するように呟いた。
カザンウェル山・参道入り口
眠る優姫を、お姫様抱っこして運ぶルージュを従え、山道入り口まで戻ってきたエイミーは、目の前に広がる光景に、困惑の表情を浮かべていた。
「えっと…」
外気温50度を超える暑さの中、見ているだけで暑苦しくなりそうな、パリッとした燕尾服を身に付けた、金髪に青い瞳をした青年が、汗1つかく事無く彼女達の行く手を遮っていた。
一見して武器らしい物は何も身に付けておらず、敵意さえ感じられない。所か、その表情は、清々しく白々しい程に爽やかだった。
その理由はきっと、その青年の肌の色が、不健康な程白いせいであり、一目で彼が異世界人だと、エイミーが見抜いたせいだろう。
全く知らない異世界人が、執事姿で爽やかな笑みを浮かべ、おまけにその背後には、豪華絢爛な作りの純白の馬車と、それを引く為に繋がれた白馬が2頭。これ以上無いという位に、怪しいその光景を前にして、困惑するなと言う方が無理な話だろう。
そして金髪の紳士は、淑女の皆々様に恭しくお辞儀をして一言。
「お迎えに上がりました、エイミー・スローネ様、ユウキ・ツルマキ様。ヤマト王、および女神イリナス様が、帝都ヤマトにてお待ちしております。」
と、そう告げた。