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剣道少女が異世界に精霊として召喚されました  作者: 武壱
第四章 軍国編
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異世界うるるん滞在記~実録!子連れJK24時!!~(9)

『それで、実際の所どうですの?』

「あぁ、まぁ…」


 そう漏らし、歯切れ悪く口籠もるリンダ。どうやら、場を整えて尚報告し辛いらしい。


 けど、このままという訳にも行かず。やがて観念した彼女が、深々とため息を吐き出して、真剣な面持ちで顔を上げる。


「あたいの方も優姫達と一緒さね。城に忍び込み、聞き込みを始めるまでも無く、例のチェコロビッチって奴の話で持ちきりだったさね。」

『成る程、そちらもでしたか。』

「そっちもそんな感じってなったら、これから先ずっとついて回りそうね。」

「えぇ、そうですね。」

「んで、肝心の聞いた話の内容って?メアリーに聞かせたくないって事は、目標の二人に関する事なんでしょ。」

「あぁ、まぁそうなんだが…」


 再び歯切れ悪く言い淀み、苦々しげに表情を歪める。


「先に言っておくけど、胸糞の悪くなるような内容さね。特に、あたいら同性にとっちゃね。それを踏まえて聞いとくれ。」


 次いでその表情のまま、あたし達に向かってそう前置きを口にする。


 この段階であたしは、話の内容が性暴力にまつわる物だと理解する。成る程、そりゃ言い辛くもなるわ。


「昨日の話だ。奴さん、黒影のを素っ裸にひんむいて、城内を歩き回っていたらしい。」


 その報告を耳にした瞬間、精霊界を満たす空気が確かに震えた。直後、あたしの肩にエイミーの手が載せられる。


「…優姫。」

「ん…平気。ありがと、エイミー」

「いえ、なら良いのですけど…」


 そう言いつつ、未だ心配そうにしている。そんな彼女にあたしは、苦笑を浮かべて誤魔化した後、うまれかけの悪感情をため息と共に吐き出した。


「それで、メアリさんはその後、何処に連れて行かれたか解ってるの?」

「あぁ。話しによると、奴さんが率いる部隊の詰め所に、連れてかれたらしい。」

「Oh My God...」

『むごいですわね。』

「えぇ。」


 連れて行かれて、その後どうなったのか彼女は口にしていない。けど、その後どういう扱いを受けているか、容易に想像出来てしまう。


 他のみんなも一緒だろう。一様に険しい表情となり、メアリさんの安否を案じている。


『状況は解りましたわ。内容が内容だけに、悪い方へと考えがちになりますが…しかしここは客観的になり、目標の一人の所在が判明したと、そう考えましょう。』


 誰もが悪い方へと考える中で響いたシフォンの言葉。一聴、冷たく聞こえたけれど、敢えてそう振る舞っているのだろう。


 思うところが無い訳無い。だって彼女は、件のチェコロビッチと対峙した時、性的暴言を直接吐かれているんだからね。


「そうね、そうするべきね。」


 先程の彼女の台詞にそう答え、残りの昼食を一気に口に運ぶ。あれだけ美味しかった筈なのに、それを愉しむ余裕が今のあたしには無いらしい――


 その後直ぐ、メアリー達が戻ってきたので、第1回目の報告会は終了となった。程なくして、みんなも食事を済ませたので、休息もそこそこに調査再開。


 オヒメと手分けして、みんなを元いた位置に戻した後、あたしも元居た位置に戻って移動開始。いざ下ブロックへ。


 下ブロックへ付くなり、兵士達の人数が増える方を選んで進んでいく。するとその内、兵士達が頻繁に出入りする建物を発見。


 民家とは明らかに違う造りの、如何にもな建物。暫く観察して、付近を通りかかった住民に確認を取り、其処があたしの目指していた場所だと確信を得る。


 ここに目的の人が居るとしたら、バァートンさんの方か。さて…


 周囲を警戒し、人目が無い事を確認した所で、インビジブルマントの複製品(レプリカ)を召喚。纏うと同時に、効果を発動させて姿を消し去る。


 サイレンスの腕輪は未召喚。日中で兵士の数も多いし、其処まで必要無いでしょ。


 だし、真っ昼間に正面から不審者が這入ってくるなんて、予想だにしていないっしょ。ってな訳で、正面の入り口から堂々と潜入。


 手近な部屋から一つ一つ、注意深く見て回る。30分掛けて、建物内の全ての部屋を確認後、入った時同様に正面から堂々と退出。


 案の定と言うべきか、残念ながらと言うべきか。この建物内に、お目当ての人は居なかった。


 再び周囲を見渡して、人目が無いのを確認した後、インビジブルマントの効果を解除し送還。気を取り直して、次の目的地を目指す事に。


『こちら銀星、定時連絡の時間となりました。皆さん、応答をお願いします。』


 移動を開始して直ぐ、通信リングからお知らせが届く。


「こちら優姫。現在下ブロックから、左下ブロックへ移動中。今の所、順調に予定通りで問題なし。」

『ミリアよ、左上ブロックを移動中。目的の場所について、これから聞き込みを開始するよ。』

『こちらリンダ、問題なし。』

『こちらエイミー、ジョンも一緒です。問題ありません。』


 事前の取り決め通り。通信リングを介し、現在の状況を仲間達が次々と申告していく。


 今の所、どこも問題なしの様で何よりだわ。


『了解しました。また一時間後に連絡しますので、引き続きよろしくお願いします。』


 その言葉を最後に、通信リングからの声がプツリと途絶える。


 何時もなら、此処で軽口の一つも叩きたい所だけど。問題なしだからって、余裕があるって訳じゃ無いからね。


 順調とは言え、ここは敵地のど真ん中。流石のあたしも、今は自重しますよっと――


 その後、更にもう一回の定時連絡を挟み、おっちゃんに教えて貰った左下ブロックに在る市民病院へと到着。


 真っ直ぐ行けたら、もう少し早く来れたんだろうけどね。蜘蛛の巣みたいに張り巡らされた細道避けて、一旦大通り迄戻ったから時間掛かっちゃった。


 ランニング出来たら一番なんだけど、悪目立ちするしね~


 それはそれとして。さてどうしようか…


 さっきみたく、インビジブルマント装備して、一つ一つ確認していくでも良いんだけど…


 思ってたより大きな病院だし。それじゃ時間ばっか掛かる上、途中で効果が切れたりしたら騒ぎになるわよね。


 まぁ民間向けだって事だし、そこまで警戒する必要は無いか。普通に管理棟の場所聞いて、そこで該当者が居るかどうか聞こっと。


 ってな訳で…


「すいませ~ん!」

「はい、何でしょうか?」


 手近に居た人に、体当たりコミュニケーション開始!

因みに銀星は、昼食時珍しく寝てました(記入漏れ

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