異世界うるるん滞在記~子連れJKが、肩をぐるんぐるん回してアップ始めました~(14)
「…優姫?いい加減にしましょうね。」
ファッ⁉︎さ、サーセン‼︎
…って、めっちゃタイミング良く突っ込まれちゃったから、思わずモノローグで誤っちゃった(テヘペロ☆
「お茶目な顔して誤魔化さないでください。」
「サーセン…」
物っっっ凄い冷めた表情で怒られちった…
『?エイミー、どうかしたのですか?』
「いえ、気にしなくて大丈夫ですよシフォン。また優姫の悪い癖が出ただけですから。」
『あぁ…』
と、何やら納得した様な呟きが聞こえた後、リング越しから盛大にため息を吐く息遣いが響いてくる。これはいよいよ、諦められてちゃったかしら?
う〜む…これ以上ギャグパートを続けるのは、あたしの沽券に関わってきそうだわね…
しゃ〜ない。そろそろ真面目に成って、物語を先に進めますかね。
なんだかんだバタバタあって、この章開始してから既に半年過ぎようとしてるしね――(メタ注意
「ともあれ話を纏めるけど…」
そんな事をふと考えた後に、直ぐさまスイッチを切り替えてあたしは、みんなに向かってそう切り出した。
「犯罪組織の規模や、想定しているよりも捕まっている人達が多かった場合は、今相談して決めた通りに、ミリアがエイミー班の応援に駆け付けると言う事で。」
「わかりました、よろしくお願いしますね。」
「OK!任せてよ!!」
そう言ってミリアは、右腕をエイミーに向かって突き出すと、グッと親指をおっ立てサムズアップポーズ。そのやり取りを苦笑交じりに見届けた後あたしは、何とはなしに通信リングへ視線を落とす。
「この際だし、敵アジトに複製品設置するって成った段階で、あたし達の探索が終わってミリアの手が空くようなら、その時点で手伝いに向かってもらう?」
『そうですね…』
『私は、それでも良いと思いますわよ。』
『シフォンさんが平気というなら、そうしましょうか。』
「って訳なんだけど、平気?」
そう言いつつあたしは、顔を上げて再びミリアへと視線を向ける。すると彼女は、それまでエイミーに向けていた右腕を、今度はこちらへと向けて――
「――OK!All Right!!何でもするよ!!」
と2つ返事で快諾され、思わず肩を竦め苦笑する。こうも快く快諾されると、負担に思ってたりしないかななんて、チラッとでも考えちゃったあたしが、まるで馬鹿みたいじゃ無い。
「って訳で銀星。最後に総括お願いね。」
『解りました、マスター』
なんて事はさておき。再びリングへと視線を落としたあたしは、苦笑したまま銀星に対しそう告げる。
これに対して彼女は、まるでこうなると解っていたかのような口調で、間髪入れずに返事を返すと、淡々と語り出した――
『一部繰り返しになりますが、今一度段取りの確認をさせて頂きます。敵アジトを発見した後、エイミー達にはアジト内の調査をお願いします。アジト内の詳細間取りと内部構造、敵と捕まっている奴隷達の正確な人数、可能な限り詳らかにして下さい。』
「解ったわ、銀星ちゃん。」
「が、頑張ります!」
起伏の無い事務的な銀星の語りの途中。ふとした瞬間にエイミーが、和やかな表情で相づちをうつ。
これに倣ってか、直ぐさまジョンも相づちをうつけれど…打って変わって、こちらは随分と表情が堅いわね~
『エイミー達からの報告を元に、敵アジトの何処に複製品を設置するか、私とシフォンさんで話し合います。この話し合いに多少時間が掛かると思うので、エイミー達には一旦敵アジトから撤退して下さい。身を隠せそうな場所は、予めピックアップしておきますので、そちらで待機をお願いします。』
『姫華さんとミリアさんが合流なさるなら、このタイミングがベストですので、忘れないで下さいましね。』
「は~い!」
「Noted!覚えておくよ」
而して銀星の語りは更に続き、今度は場違いなくらいに脳天気な返事と、自信たっぷりな返事が交互に上がる。何とも頼もしい限りだわ~
『複製品を設置するポイントが決まり次第、再びアジトに潜入し作業を開始して下さい。』
そんな風に、思い思い個性的な返事が返される中であっても、銀星の語りは一切ブレる事無く淡々と続けられる。流石銀星、あたしと違って真面目ね~
と、感心した直後――
『解ってると思うけど、姫華はこの時何もしないで待機だからね?エイミー達に着いて行こうとしないでよね!?』
――急に感情的になり、姫華に対しそう確認しだした。信用無いわね…
「え?や、やだな~銀ちゃん!ちゃんと解ってるって!!」
『なんで今ちょっとどもったのよ!あんたさては忘れてたわね!?』
「わ、忘れてないよ!!ちゃんと大人しくしてるよ!!」
な~んて考えてた直後、姫華の見せた反応と銀星との掛け合いに、思わすプッと吹き出してしまった。どうやら彼女の読みは、ここでも正しかったらしいわね。
これまた流石の銀星ね~頼りになるは脳天気な長女じゃく、しっかり者な3女だわ~




