異世界うるるん滞在記~子連れJKが、肩をぐるんぐるん回してアップ始めました~(9)
「それが嫌なら、素直に大人しくしてなさいっての。」
「う、うぐぅ…」
暫く顔芸維持して、一切取り合わない姿勢を見せていた私だけど、いい加減飽き――もとい話し合い進める為、表情緩めそう告げた。
直後にアクアは、納得いかなそうな表情で恨めしそうにあたしを睨みつけると、またもあの変な唸り声を上げてくる。見たところ、引く気はないけど反論も出来ないと言ったご様子かしら。
はぁ〜ん?随分反抗的じゃない…マジで追い出してやろうかしら?
と、そんな事を考えた直後アクアの態度が一転。不安そうな表情になったかと思えば、隣に立つエイミーをチラッと盗み見始めた。
全く…んな分かり易く心配そうにしないでよね。こっちの気が削がれるじゃないのよ、もぉ〜
なんて、心の中で独白して思わずため息を漏らした。
アホの子で、ダメっ子で…いつも肝心な所で間の抜けてるアクアだけど。エイミーを想う気持ちに嘘偽りが無く、どこまでも純粋だって事はあたしにだって分かってる。
もしかしたらその想いは、エイミーとパートナー契約を結んでいるあたしや、古くからの付き合いであるシフォンよりも、ずっと強いのかもしれないって事もね。
その想いが強すぎるからこそ、こうして我儘言ってるってのは、百も承知してるんだけど…今回ばっかりは、それを聞いてあげる訳にはいかんのよ。
だから、ここは心を鬼にしてはっきり言って、妙な気起こさないよう釘刺しとかなきゃね。ちょうど目が真っ赤でそれっぽいし、ってね。
「とにかく!駄目なものは駄目なの。これ以上物分かりが悪いんなら、本気でこの世界から締め出すからね?」
そう思うやあたしは、一切取り合わない態度を再び取り繕うと、強めな口調で最終勧告となるそのセリフをアクアに告げる。すると彼女は、一瞬肩をビクッとさせたかと思うと、恐る恐るこちらへと視線を戻してくる。
その様子が、また何と言うか…敢えて例えるなら、捨てられた子犬か子猫とでも言えばいいのかしらね?
哀愁たっぷりで、つい許してあげたく――なぁ〜んて、絆されるかってのよ!このポンコツ精霊‼︎
「そんな顔してもダメったらダメ‼︎」
「う、うぐぅ⁉︎」
その、あざと可愛い態度に対しあたしは、声を荒らげはっきり断言。直後、またあの変な唸り声が上がる。
これで諦めてくれる事を祈りつつ、様子を伺うあたし。しかしその祈りも虚しく、まだ諦められないのか、暫くして今度はエイミーにあの、あざと可愛い表情を向けた。
しかしてこれに対しエイミーは――
「…ごめんねマリー。けど解ってちょうだい、ね?」
――何時もの困ったような笑顔で笑いながら、やんわりとした口調で拒絶する。結果、それがトドメとなったようで、分かり易く肩を落として落ち込むアクア。
やれやれ…ようやく大人しくなったわね。全く引かないあの子が悪いんだから、こうなってしゃ〜ないっちゃ、しゃ〜ないんだけども…
そのしょんぼりした姿を見てたら、何だか罪悪感を感じちゃうわね。
まぁ、こんだけ一緒にいるんだもん。絆されなずとも、多少なり情が移ってる証拠か…
思えばアクアがこんなに引かなかったのって、メルクフィート山で縋り付いて来て以来ね〜何だか懐かしいわ。
あん時も大分鬱陶しかったけど、今回はそれに輪をかけて更に鬱陶しかったわ〜
特に、あの妙な唸り声ね。うぐうぐうっさいったらなかったわ〜
あんな連呼してさ。あれじゃまるで某ギャr――
「――何だかゲームのヒロインみたいな喋り方だったな…」
――………クワッ‼︎(分かり易く目を見開いた効果音
「…ん、なぁ〜にメアリー?今なんか言ったぁ〜⁇」
「あっ!う、うぅん⁉︎なんでもないよ夜天ちゃん!」
不意に聞こえてきたそのやり取りをあたしは、これでもかってくらいに目を見開いて、食い入るように見つめる。心なし、心臓がバクバクしてきた…
今…今確実に、メアリーってば言ったよね?明言した訳じゃないけれど、あたしが心ん中で思い浮かべたのと似通った事、ついうっかり漏らしちゃったよね⁉︎
やっべ!超やっべ‼︎
確認したい!今すぐ問い詰めて確認しt――
…いい加減にしろって?サーセン
ただ…ただこれだけは、最後に言わせてほしいの!
これがきっかけで、あたしん中に『メアリー同好の士疑惑』が芽生えました。かしこ――
一応ね?
いっちゃん初期にメアリーが登場した時に、『翌年日本に留学する』ってなってたんだけども
あれって、つまりソレがメインで留学する訳ですよ
随分前から、そういう目的で留学するけしから素晴らしい外国の方が、増えていると小耳に挟んだものですから
ちなみに原作の方で匂わせなかったのは良心です
オワカリカナ?




