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剣道少女が異世界に精霊として召喚されました  作者: 武壱
第四章 軍国編
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異世界うるるん滞在記~子連れJKが、肩をぐるんぐるん回してアップ始めました~(5)

先週、土曜に親父の49とか、日曜に弟の部屋の整理とか諸々遣ってました

今週は今週で細々遣る事在って、こんくらいしか出来ませんでしたz


「次に、エイミーとジョンだけど…」


 続け様にそう切り出した直後、毎度おなじみの困り顔で苦笑するエイミー。


「そんな申し訳なさそうな表情をしないで下さい。」

「ごめん…」


 直後彼女にそう言われて、思わず謝罪の言葉を口にするあたし。昨日散々話し合って決めた事だけど、やっぱまだ抵抗感があるのよね…


「謝るのも無しですよ。もう…まだ気にしているんですか?」

「そりゃそうよ。だって、あたしの我が儘で余計なリスクを、2人に強いる事になっちゃったんだから…」

「でも優姫は、メアリーさんと同じ犠牲者が、この先も出るかも知れない事が、どうしても我慢ならなかったんでしょう?」

「そうなんだけど…」

「なら尚のこと気にしないで下さい。私もジョンも、優姫の気持ちに共感したからこそ、協力したいと思ったんですから。」


 諭すようにそう言って、不意に視線を隣へと移すエイミー。


「ねぇ?」

「はい!任せて下さい、優姫さん!!」


 次いで彼女は、そこに立つジョンに向け語りかける。それに彼は、間髪入れずに力強くハッキリと答えた。


 そのやり取りを見てあたしは、肩を落としつつ深くため息を吐き出す。腹の底に貯まるわだかまりを、全て出し尽くすかのように…


 そうやって、独りよがりなわだかまりを全て吐き出したあたしは、気持ちを切り替え改めて2人に対し向き合う。


 元はあたしの我が儘から始まった事だから、あたしの口からハッキリ告げないといけないもんね。


「2人には奴隷の格好に扮してもらって、国内で働く奴隷達から情報を集めてもらうわ。」

「えぇ。」

「頑張ります!」


 意を決しあたしがそう告げるや、すかさず2人が力強く頷きながら答える。それに対し、あたしも同じ様に頷いて応えた後、続けて語るべく口を開く。


「あたし達が求めている情報はただひとつ――メアリー達をバージナルまで連れてきた犯罪組織、そのアジトの割り出し。その場所が判明し次第、作戦を次の段階に進めるわよ。」


 そう言ってあたしは、徐に腕を持ち上げて通信リングを口元へと近づけ――って、そうだ。またやっちゃったけど、こんな近づける必要無いんだったわ。


 でも、ここまできて腕下ろすと逆に恥ずかしいから、気付かなかったことにしよう。そうしよう――


「銀星、ここから先の説明をお願いね。」

『解りました――』


 そう言って、シフォンのサポートに戻った銀星にバトンタッチ。発案者に流れを説明してもらった方が、確実だからね~


『――無事アジトが発見出来たら、引き続きエイミー達にはアジト内の調査をお願いします。』

「解ったわ、銀星ちゃん。」

「が、頑張ります!」

「アジトの規模や人数が、詳しく解れば良いのよね?」

『はい。敵のアジトを一瞬で壊滅させるのに、十分な量の複製品(レプリカ)を姫華が揃えてくれましたが…』


 エイミー達の重要な役回りについての、大事な話し合いの最中。なんとなく、邪魔しちゃいけないと思って、会話の行方を黙って見守る。


 そんな折、ふと裾を引っ張られたような気がして視線を向けると、満面の笑みを浮かべるオヒメの姿。


 どうしたん?と思っていると――


「ママ!姫華頑張ったよ!」


 直後にオヒメが、あたしに向かってそう誇らしげに告げてくる。見ると彼女の指には、いつの間にか通信リングの眷属が填められている。


 ようやく自分で気が付いたのか、それとも誰かから言われたのか…


 どちらにしても、ようやく自分の分を用意したと。そんで自分の事が話題に出たもんだから、ここぞとばかりにその頑張りを、あたしに知ってもらいたかったと。


 そんな所かしら?まぁ、それはそれとして、褒めて褒めてと言わんばかりの可愛い愛娘の姿に、大事な話し合いの最中だってのに思わずほっこり。


「偉い偉い。」

「えへへ~♪」


 そんでそのまま、褒めて欲しそうにしているオヒメの頭を、思わずなでなで。勿論、場違いなのは重々承知しているので、会話の邪魔にならないよう声を出来るだけ小声にして、通信リングに拾われないよう魔力を遮断してね。


『規模によっては、更に追加で姫華に頑張ってもらわないといけませんからね。』


 なんて事をしていたから罰が当たったのか、次に聞こえてきた銀星の台詞を聞いた途端、それまで満面の笑みだったオヒメの表情が、突然引きつり強張った。


 無理もないわ…1個2個ならまだしも、大量に能力付き複製品(レプリカ)造るのって、結構しんどいからね~


 それが解るのって、現状あたしだけだかんね。だから、場違いなの承知で褒めたげたんだけど…


「マ、ママ…」

「う、うん。そうなったら、あたしも出来るだけ手伝うから。」


 一拍置いて、強張っていたオヒメの表情が緩んだかと思うと、今度は瞬く間に暗い表情へと変化する。その表情を目の当たりにして、他にどう声を掛けろと?


 ってか銀星…脳天気が取り柄のオヒメにこんな表情にさせるなんて、一体どんだけ作成させたのかしら…

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