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【改題】嶋左近とカケルの心身転生シンギュラリティ!  作者: 星川亮司
一章 疾風! 西上作戦開始!
55/399

55時生家の新しい食卓(現代、左近のターン)チェック済み

 ――時生家の食卓。


 フライパンで豚肉を炒めキムチを入れ最後に隠し味で焼肉のたれをぶち込み晩御飯のおかずを仕上げた母、清美が、豚キムチを大皿へ盛りながら、


 となりの清香へ、


「清香、茶碗にご飯をよそって配膳してちょうだい」


 清香は、食器棚からいつもの習慣で茶碗を取り出して、三人分取り出し配る。


 リーゼルの前で茶碗が足りないと気付く。


「リーゼルごめんなさい。ワザとじゃないのよスグに準備するわ」


 清香は、食器棚を物色するがそもそもリーゼルの茶碗などあるはずがない。


「おかしいわね。確かここにあるはずなんだけど。お母さん、リーゼルの茶碗知らない?」


 清美はさも当たり前のことを質問してこの娘はといった感覚でご飯をよそっていく。


「家族の食器はいつもお父さん以外の食器は重ねているでしょう」


「そうよね、でもリーゼルの茶碗がどこを探してもないのよ」


 清美は仕方なく立ち上がって、食器棚を調べる。


「へんね、ホントにないわね。どうしたのかしら」


 するとリーゼルが立ち上がって清美と清香の額へ手のひらを当てた。


 清美と清香のまぶたがトロンと落ちて、次の瞬間パチパチと瞬きすると、


「そうだった。こないだリーゼルの茶碗を洗ってる時に割っちゃて、カケルの茶碗をリーゼルに、カケルは大食いになったからお父さんの茶碗になったんだったわ。あはははは」


 清香は、ツッコむ。


「ほら、お母さんそそっかしい。やっぱりないんじゃない」


「ごめんねリーゼル。明日、なんばの高島屋へ行って茶碗買っておくわ。あれっ?」


「どうしたのお母さん?」


「みんなごめんなさい。ご飯が一人分足りない」


「お母さん今日はなんか変ね疲れてるんじゃない?」


「そうかもね。今日は早く寝ようかしら。カケル、ごめんなさい今日はあなたがパックのご飯食べてちょうだいね」




 ――カケルの部屋。


 左近が、リーゼルの腕を掴んで慌てて入って来る。


「おい、リーゼルお前はママ上と清香に何をした! お前はどうやってママ上たちをとりこんだのだ!!」


「心配ないわ。あなたの場合と一緒、脳波の波長を少し干渉して記憶を少し書き換えたの」


「心配ないってそんなことして大丈夫な訳がなかろう。こともあろうにワシの妹に成りすますなどやりすぎではないか」


「あら、その方がいろいろ都合がいいから」


「いやいやいや、リーゼルよく考えろ。時生家の女性は清美、清香と来てリーゼルって脈略を無視しておろうに、自然な流れなら清〇であろうに」


「あら、その方がよかったかしら。だったら清音きよねぐらいにしておこうかしら?」


「いやいやいや、そもそもお主の外見は金髪の伴天連じゃ、自然な形でここにおるのならば留学生のホームステイとやらがしっくりくるのではないか」


「ふむ、そうねそれが一番よさそうね」


 と、リーゼルは立ち上がって、一階へ下りてスグに戻ってきた。


「完了よ」


「おいおいリーゼル、生身の人間を相手に、そんな簡単に記憶を操ったり書き換えたりホントに問題はないのか!」


「それはわからない。理論値のデータをもとに推察すると多少の影響はあるかもだけど、誤差の範囲じゃないかしら」


「誤差の範囲の影響とはいったいどれくらいだ」


「そうねよく出れば、書き換えで、英語が話せなかった人が話せるようになったり、左近、あなたのように現代にありながら言葉の語尾がサムライ言葉『ござる』ってつけちゃったりするレベルでの誤差」


「ふーん、そうか……そうかちゃうわ!ママ上と清香殿に影響が出て見ろワシはどうやってカケル殿に申し開きすればよいのじゃ。リーゼル、ママ上と清香には脳波コントロールはせんでくれ!」


「わかったわ、左近」


「約束じゃぞ。それから……」


「それからなに?」


「カケル殿とワシはどうなるのじゃ?」


「そうね」


 と、リーゼルはパソコンへ向かった。


「戦国オープンワールドにいるカケルは、今、イベントの真っ最中。左近、あなたの生涯をたどって武田信玄の武将、山県昌景へ仕え、徳川家康との三方ヶ原の戦いへ向けて進んでいるわね」


「三方ヶ原か、徳川には本多忠勝という剛の者がおった。やつを相手にするには当時のワシでは力不足じゃ。生き残るには何かカケル殿へ知恵を授けねばならぬ」


「それは、簡単なことよ、イヤフォンレシーバーを買ってきて決戦になったらカケルへ声でアドバイスすればいいことよ。まさか、左近知らなかったの?」


「知るわけないであろう。ワシの生きた時代は離れた味方との連絡手段は、忍びを使った文のやり取り、戦場ならば狼煙ぐらいなものじゃ」


「あ~あ、テクノロジーギャップ」


「では、明日。そのイヤフォンレシーバーとやらをママ上へついていて、なんばの地で買おうではないか」


「そうね。大阪なんばへ出れば、電気街の日本橋も近いから、スグに見つかるわね。でも……」


「でもなんじゃ?」


「大阪のなんばは人込みが奈良のド田舎平群の比じゃないわ。もし、アインシュタインに敵対する者が、ワタシたちの行動に気付いたら間違いなく襲ってくるわ」


「それはどのように?」


「それは分からない。ただ、言えることは大阪なんばで敵対する者が襲ってくれば、左近あなたは関ケ原の戦いクラスの戦いを強いられる覚悟して――」




 つづく







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