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340 『笑いのたえない町:五個荘』(カケルのターン)

 五個荘の広場で、カケルたちと職人が焚火を囲んで談笑しながら晩飯を食っていると、そこへ托鉢僧として新堀城の主・下間頼廉が現れた。


 広場の空気がピリッと引き締まった。


 点・点・点と視線でぐるり一周見渡すと、鉄砲職人と車座になって握り飯を食うカケルに真っすぐ近づいて、いきなり、膝を折り視線を合わせて声をかけた。


「新顔だな、素直に教えてくれ、この町をどう思う?」


 見つかった!


 頼廉に声をかけられたカケルは、首を捻ってキョトンとしているだけだ。返って、周りにいた、お虎は懐に隠した忍び刀を握り、菅沼大膳は四方に目で人群れの薄い突破口に目星をつけ、義平はもし主のカケルがいきなり頼廉にいきなり手討ちにされても身を投げ出して盾になるべく踵を上げた。気の良い月代は、頼廉のことを気にかける様子もなく、職人たちに握り飯を配って回っている。



 カケルは、一介の托鉢僧に扮しても、頼廉の隠しきれない威厳と、見知らぬ人間にまで分け隔てなく話を聞こうとする率直さに、


(なんか、偉い人がやってきたな。山県のオジサンのように、また、無茶苦茶な人じゃなっきゃいいけど……)


 と、心中で呟いたが、お虎たちの不安とは裏腹に、「まあ、この人は坊さんだし悪い人ではなさそうだ」と踏んで素直に答えた。


「オレ、この町、平等で好きです」


 と、子供のように素直に答えた。


 頼廉は、カケルの子供のような答えではあるが、戦国時代の領主と下々の封建社会に風穴あける思想、仏教に基づく平等の実現を目指す一向宗の教えを突いた答えに目を丸くした。


「お主、この町が平等だとわかるのか?」


 と、興味深そうにカケルの顔を覗き込んだ。


「そりゃあ、わかりますよ。ここにいるみんな笑っていますから」


 頼廉は大きく頷き、、


「そうだな、皆、笑っている」


 と、大きく笑った。


 横から、親方の六蔵が割り込んでカケルの頭を無理から力任せに下げさせた。


「頼廉様、こいつは今日来たばかりの新参者でして、まだ、口の利き方も知らないんです。申し訳ございません」


 すると、頼廉は逆に六蔵を窘めるように言った。


「これ、六蔵、人の頭は力ずくで下げさせるものではないぞ、お前も修行してそれを承知しておるだろう。この者、私の問いに素直に答えただけだ。むしろ、良いことだ」


 六蔵は、肩をすぼめて小さく身震いし、


「修行が足んねぇーす。申し訳ございません」


 頼廉は、厳しい目つきで、しかし口元にはうっすら微笑を浮かべて、六蔵の肩に手を置いた。


「六蔵、修業ならいつでもつきあうぞ」


 そう頼廉に声をかけられた六蔵は、正座して、今にも泣き出しそうに口を真一文字に引き締め必死で堪えて頭を下げた。


「頼廉様、ありがとうございます」


 そっと、頼廉は、優しく六蔵の肩に手を置き、静かに首を横に振った。


 六蔵は、堪えていたものが一気にあふれ出したように泣き出し、頼廉に抱きついた。


「おうおう、六蔵。お前は、毎日、鉄を叩いて、操と子供の待つ家へ早く帰りたいのを。妙才と明日の仕事の段取りを決めるため遅くまで歯を食いしばって働いておるからの、私の前では素直に泣けばよい」


 10人ほどの荒くれ職人を束ねる親方の六蔵でさえ、頼廉の前では子供になる。


 それを目の当たりにしたお虎は「こいつは大物だ」と警戒し眉を寄せ、菅沼大膳は隙あらばこの場で首を絞めて殺してしまおうと指を動かし、義平はスッといつでもカケルの身代わりになれるように真横に場所を移した。


「お坊様も、お腹がお空でしょう」


 職人たちに握り飯を配って回っていた月代が、ニッコリ、盆に乗った最後の一つを頼廉に差し出した。


 頼廉は、月代の淀みのない顔を見つめ、振り返って、握り飯を貪り食うカケルを見て、再び、大笑いした。


 菅沼大膳は、隣のお虎に肩を寄せ、尋ねた。


「お虎、あの糞坊主は、何がおかしくてあんなに笑っておるのだ。修行のしすぎで気でもフレておるのではないか」


 お虎は、キッと菅沼大膳を睨むと、いきなり大膳のつま先を踏みつけた。


「痛てて! いきなり、何をする‼」


 菅沼大膳が、文句を言うのも空振りにお虎は背を向けた。


 菅沼大膳が、目を剥いて口を尖らせて、義平にぼやいた。


「なんだ、お虎は、月のものでも来ておるのか、まったく、いきなり殴ったり、脚を踏みつけられたり、ワシはとんだとばっちりだ!」


 義平が、哀れな者でも見るように、菅沼大膳の肩にそっと手を置いて、


「某も詳しくは知りませんが、女心というやつじゃないですか」


 菅沼大膳は、回ってきた握り飯を掴んで貪り食い


「まったく、女というやつは訳がわからん!」


 と、言い捨てて、いきなり隣の職人が食らおうとした握り飯を奪い取り丸飲みにした。


 ごほごっほ!


 大膳が握り飯で喉を詰まらせ苦しんでいると、すかさず月代が腰に差した竹筒を渡し、


「お水です」


 と、咳き込む大膳の背中を摩った。


「月代殿は、まったく女らしゅうて良く気が利く。お虎にも月代殿爪の垢を煎じて飲ませてやりたいところだ」


 ピキリッ!


「おのれ、菅沼大膳!」


 背を向けていたお虎がいきなり振り返って、今にも菅沼大膳を噛み殺さんばかりの般若の形相で首を絞めにかかった。


 お虎が、いくら戦場を走る女武者とは言え、所詮女の力だ。大柄で膂力自慢の菅沼大膳は今にも絞殺されそうな所をなんとか跳ね返し命からがら悲鳴のように問い返した。


「殺す気か! お虎、ワシがいったい何をしたのだ。お前は、いつもワシに怒りをぶつけおるがなにが気に入らんのだ」


 お虎は、一瞬、眉間を曇らせて言い捨てた。


「何もかもだ。私は、一旦、席を外す。しばし、ここを任せる」


 と、行こうとした。


 すると、管沼大膳がニヤリとして、お虎の背中に言葉を放った。


「ほっほっほ、お虎、鶴の方か、亀の方か?」


 お虎は、クルッと笑顔で振り返た。


 菅沼大膳は、どんな言葉を返されるのか身構えていたが、お虎の表情に安堵した。


「うん、しっかり大物を生むのだ!」


 と、大声でお虎に言った。


 お虎は、ありがたい後光を放つ観音様のような微笑みを向けて菅沼大膳に答えた。


「菅沼大膳さん、後で、必ず、殺しますから」


 と、背を向けて、席を離れた。


 義平は、菅沼大膳に気の毒そうに肩を寄せ、


「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」


 と、手を合わせて唱えていた。




 一連のやり取りを黙って見ていた頼廉が、カケルに言った。


「私の寺に面白い物がある。今夜は、お主たちと話がしたい。どうだ、仲間を連れて見にこないか?」


 カケルは、一も二もなく、ただ一言で。


「いいすよ!」


 と、答えた。


 頼廉は驚いたように眉を挙げ、頭を掻いた。



 つづく


どうも、こんばんは星川です。連載をつづけてますが、なかなかお金には繋がりません。そこで、ある本との出会いで、目が見開きました、


『商業作家を目指して、noteはじめました』


小説家になろうで書いても、カクヨムで小説をいくら書いても一向にお金につながりません。


いや、好きなジャンルを自由に好き勝手書きたいのもあって、「趣味で……」趣味じゃねー、結構苦しんで書いてる。かなり神経すり減らして戦ってる。まあ、読んでやってちょーよ♡


第336話『汗と笑み、そして自由う:五個荘の活気あふれる職人たちの日常カケルのターン

【改題】タイムスリップ×魂入れ替わり! 歴史オタクの高校生が戦国武将に!?(旧・歴史オタクと嶋左近の心身転生シンギュラリティ)/星川亮司 - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16817330651641805242/episodes/16818093081394210377


宣伝は、こんなもんで締めくくります。



では、本題「noteはじめました」はい、拍手――――888888888888.


この度、星川亮司は、金の亡者としてnoteに転生いたしました。


小説家になろうや、カクヨムでこれまで、無料で連載してきましたが、


「世の中金だーーーーーーーーーーーーーーー!」


と、自分の商売下手を痛感致しました。


いや、こないだね、原作:堀口恭平さん 漫画:道草晴子さん の


『生きのびるための事務』を読みまして、ああ、オレは、つくづく商売が下手なんだと思い知りました。


すこし、掻い摘んで申しますと、A4の紙に大きな丸〇を2つ書いてください。


そして、1つ目の〇の上に、現在の私と書いて、24時間の時間の使い方を円グラフにしてください。

恥ずかしながら、私、ネットサーフィンの時間が5時間もありました。あわわわーーー♡


それじゃ、行けませんね。私は、小説家になりたいんです。一千万円は稼ぎたいんです。


そこで、2つ目の〇、ここにタイトルをつけて下さい。「10年後の作家になった時間の使い方」


円グラフの中身の時間の使い方必然的に変わるでしょう?


そう、ここに気がつくまでに、男性の平均寿命40年を7年も超えた。


気がついた時が、一番若い時、今すぐ、変えて参ります。


で、毎日書く時間増やして、小説書いてます。


上手い下手じゃなく、心が喜ぶ小説とエッセーです。



「生きのびるための事務には」こうもありました行動を起こせ!


私、書き物⒛年してますが下手クソです。


生来の勉強嫌い、体力のなさ、メンタルの病気などもあって、かなり足踏みしています。


それでも、どん底人生の私が、浮かび上がるには、唯一、可能性のあるスキルは書き物しかありません。


なにくそーーーー!


やったるでーーーーー!


決して、躁うつ病ではないのですが、無理すると、病院送りになったことがあり、家族もいないので無理できません。


それでも、歴史時代小説が好きで、人間ドラマも好き。例えば家族とか、愛する人とかを大事にする。困っている人が居れば、こちらから手を差し伸べるぐらいの心の人間を描きたい。そうありたい。


まあ、あたしゃろくでなしですがね。


でも、フィクションの世界を借りて、大切な人の心を描きたい。


あたし、案外、自分が悪人だから、世の中には、イイ人であふれて欲しい願いがあります。


で、noteで商売っ気を見せつつ、色々、関係者の了解を取り、どうせやるなら紙の書籍作家になりたい。


まだ、色々調整中ですが、岐阜の鈴木輝一郎先生小説講座の門を叩こうかなんて思っております。


あたしゃ、性格の軸がガタガタで褒められたもんじゃないから、恥ずかしい、情けないんだよな。で、足踏みしています。


でも、オレは本気で作家で飯食うぞー! 

10年後1000万稼ぐぞーーーー!


と、野望だけは、大きく持ってます。


でも、メンタルダウンが時にあって、寝込んじゃうのがネックです。


まあ、とりあえず、時間の使い方を変え、行動変えて、商業作家になるぞ! 


えい、えい、おーーーーーーー!


〈了〉


それでは、

・☆5つ

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・がんばれ! ポジティブな感想おねがいします。


それでは、また来週に。

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