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319 鶴岡砦の猛虎 下条智猛と島左近の攻防(左近のターン)

 鶴岡山が武田家の東美濃侵攻作戦において、織田家の援軍を防ぐための要衝であるということは先に述べた。明智の里を攻略するために西から攻める武田軍が、織田方の遠山一族の領する明智城及び支城を攻略するためには、西からの織田家の援軍を止めなければならない。鶴岡山は織田家の援軍を阻む要害の地だった。


 この城は、城というよりは砦と呼ぶ方がふさわしい小さなものだった。標高およそ700mの山頂に本丸櫓を組み、登り口から本丸櫓までの人道、獣道、水道に関所のような木組の柵を設け、開けた踊り場ごとに見張り台を置きぐるりと柵で囲い込む。本丸櫓、見張り台3基を切り立った山腹を境に人の背丈から両の手をのばして飛び上がっても届かない高さの柵で縄張りとしている。


 この鶴岡山砦を守るのは東美濃を治める遠山一行の家老で、明智の里ではその武勇で並ぶもののない下条智猛しもじょう ともたけ、才気活発な36歳の壮年である。織田と武田が先の戦いで、山県昌景の副将であった秋山虎繁とともに攻略した岩村城をはじめとする一帯の攻防。いわゆる”上村合戦(1570年)”において武田家を相手に一歩も引かない活躍を見せた。


 岩村城を攻略した秋山虎繁が広間に、武田信玄から東美濃攻防に付けられた与力の望月信永、原藤吾昌定、柴山主水、松本右京亮を集めてこう問うた。


「お主たちのところはあの芥子色からしいろの剛の者に何人討ち取られたな?」


 望月信永が眉を寄せて、


「ウチは3人」


 原藤吾昌定が手を開いてみせ、


「某のところは5人」


 柴山主水が悔しそうに膝を叩いて


「ちくしょー、我らは10人だ」


 松本右京亮が大きなため息をついて、

「はぁ、某のところはアヤツと真正面よりぶつかりましたゆへ、重臣おとなを1人討ち取られました」


 秋山虎繁は目を剥いて驚いて、


「なに、右京亮のところの重臣といえば、我が隊でも武勇で鳴らす強者もさ揃いではないか、あの芥子武者はそれほど強いのか。あやつをなんとかせねば、我が隊の損害は増えるばかりだ……」


 と、嘆いたという。


 この芥子武者下条智猛は、金色のから獅子の前立ての兜を被り、芥子塗の大袖、草刷り、胸二枚胴具足を付け、籠手こて脛当すねあてはその手元、足取りの挙動を相手に悟らせぬように紺色を使っている。そして、寸足らずの二本の手槍をぶん回し、突き、時に器用にいなして突き進む。それで挙げた手柄が、兜首1つに雑兵18騎を一人の武勇で討ち取った。これは、一個分隊を一人で撃破したことになる。


 そんな、武勇の士 下条智猛が鶴岡山砦を守っている。



 戦に勝ち岩村城、武田家の東美濃の経営を任された秋山虎繁も、智猛にはなんども調略ちょうりゃくを仕掛けたのだが、智猛は、


「某は、遠山家に満足しております。それに、鶴岡山の野山が好きでござる」


 と、言って首を縦に振らない。


 そこで、虎繁は仕方なく下条家の本家に当たるこれも武勇の士、下条信氏を口説いて、智猛を支える兵を削ぐことにした。


「信氏は、岩村城の北の備え恵那城を任せるとして、城と、御屋形様(武田信玄のこと)から直接、申し付ければ、名誉心をくすぐられ喜んで口説き落とせようが、智猛は、これといった欲が見つからん。ヤツを口説き落とす方法はまったく見当がつかぬ。まったく、アヤツは、獰猛な猛虎よ」





 山裾から鶴岡山砦を見上げると蒼天の白い月が浮かんでいた。この厄介な城と下条智猛の攻略を任された山県昌景の嫡男昌満、家老広瀬景家、孕石元泰が、どう攻略したものよと男たちを囲むだけの小体な陣幕で額をつき合わせた。


広瀬景家が、昌満に、話を向けた。


「昌満殿、この鶴岡山砦はなかなかに堅固なれど、我ら1500の兵で力推しに圧せばそう攻略は難しくはありません。城兵もおそらく50、多くても100を超えますまい」


孕石元泰が話を受けて、


「そうだ、この鶴岡山砦の問題はあの秋山虎繁殿でも討ち取れずあべこべに反撃した下条智猛だ。あの猛虎をなんとかいたさねば、これからやってくる織田の援軍を迎え撃つ前に思わぬ損害を被りますぞ」


昌満が、腕を組んで難しい顔をして、


「力攻めはなしか。ならば、虎退治をする武勇の士は家中におらぬか、どうだ景家、元泰?」


広瀬景家は、難しい顔をして、


「我らは、赤備え、平場で騎馬を駆って本領を発揮いたします。この度の戦場は山。勾配と上り下りのうねにどんな罠を仕掛けられているか分かったものではございません」


元泰がつづく


「確かに、某や広瀬殿の元には武勇の重臣おとながございます。しかし、彼らは赤備えの騎馬隊を指揮する際に手足の関節が如く重要。こんな手柄の薄い戦いで、もしもケガを負い大事な戦で騎馬を操れないとなれば、これは大きな痛手」


昌満は、唇を噛んで、


「ううん、一騎打ちもできぬか、他に、なにか策はないか?」


昌満に打開策を振られた景家と元泰は、俯いて押し黙ってしまった。


床几に腰掛ける昌満は、イライラと手で膝の上でそろばんを弾くように指を遊ばして必死に策を捻り出す。


「そうだ、父上に付けられた島左近に聞いてみてはどうだ?」


景家が、眉を寄せて、


「確かに、左近は、殿から直接我らの軍師として指名されました。しかし、我らは左近の実力を知りません。ヤツの采配に乗り兵を動かし、もし、思いもよらない損害が出ればその責任は、誰にあります。殿がご不在の今は、昌満殿の責任ですぞ!」


元泰が被せる。


「ただでさえ、殿は勝頼の若殿に嫌われて打擲されて動けなくされました。鶴岡山砦攻めで失態があれば、もしかすると昌満様にどんな言いがかりをつけられ、どんな処罰をされるかわかりません」


昌満は、俯いて、


「そうか、父上がせっかく我らのために付けてくれた軍師 島左近を使えぬのか……」


三人は、俯いて押し黙ってしまった。


「よろしいか」


陣幕の外から左近の声がした。


三人は、顔を見合わせて頷いた。


昌満は、一瞬呼吸が遅れたのを取り繕うように「入れ!」と左近を呼び入れた。


景家が、左近に振り返り、


「なんだ、左近。お主は、後で呼ぶと申し付けたではないか」


元泰もつづく


「そうだ、左近。お主の出番はまだ先だ」


左近は、土に汚れた手をパッパと払って、


「山で1つ虎の尻尾を狩ってまいりました」


昌満が、左近の言葉に目を開いて、


「左近、どういう意味だ?」


左近は、自信満々に昌満を見つめて、


「おい、ワシが山で狩った獣を連れてこい」


左近がそういうと、足軽が、顔を青く腫らした芥子色の借具足を着た男を引っ立てた」


昌満は、目を見開いて、


「その色は、芥子色! もしや、下条智猛の手の者か!」


左近は、さもありなんと言った表情で、


「左様にございます。こやつが、鶴岡山砦から出て、明智城へ向けうところを連行いたしました」


広瀬景家が、左近に膝を向けて、


「そやつは、なんと!」


左近は、落ち着いて、近くにいた元泰に文を手渡した。


元泰は、すぐさま、文を読んで、昌満に申し出た。


「これは、智猛から、明智城の遠山一行に宛てた文にございます」


景家が、元泰から、文を奪い取って、


「ええい、ワシに文を貸してみろ元泰」


景家は文を初めから終わりまで目を通して、昌満に申し出た。


「智猛と遠山一行が交わした”約束”とあります」


昌満が、首をかしげて、


「約束とな?」


景家は、頷いて、


「はい、しかと約束と……」


景家は、左近を見て、


「左近、この意味わかるか?」


左近は、左右に首をふり、


「今は分かりませぬ。しかし、『虎穴に入らずんば虎子を得ず』と申すように、下条智猛に会ってみればわかるでしょうな」


元泰が、勢い盛んで、


「左近、お主、下条智猛を誘い出して、一騎打ちでも仕掛けるつもりか!」


左近は、首を振る。


「いいえ、いたしませぬ」


景家が、身を乗り出して、


「ならば、兵を動かして下条智猛を罠にはめ捕獲するのか」


左近は、尚も首を振り、


「いいえ、面白うござるがそれでもございません」


のらりくらりと返事をする左近にしびれを切らした昌満が、


「では、左近、下条智猛をいったいどうするのだ」


左近は、しっかり、昌満をみつめて、


「某は、下条智猛に会って籠絡ろうらくいたしまする」


すると、景家が、左近を殴りつけんばかりに顔を近づけた。、


「馬鹿を申せ、下条智猛の調略は、すでに、なんども秋山虎繁殿がやっておるわ! それも、ことごとく失敗し諦めた。代わりに下条の家を割って、智猛の手勢を削ぐことで精いっぱいなのだ。それがどうしてお前にできる!」


左近は、景家が握る文を取り返して、自信をもってこういった。


「すべての答えは約束にござる」



 つづく




超一流の回でも取り上げたオオタニさんの謎の奥様が判明した。元・社会人バスケットボール選手で、ユニバーシアード代表にも選出されるトップアスリートだった田中真美子(27)らしい。



どうも、絶賛46歳独身のホシカワですこんばんは。ついに、野球のために命を賭ける男オオタニさんの奥様と御一緒の写真が公開されましたね。


以前にも紹介しましたが、オオタニさんの奥様はいったい誰なのか?


連日、ワイドショーを賑わせていましたが、所属するドジャースの韓国での開幕シリーズにあわせての発表のようです。





ネットでは、姿を現した真美子さんに対して、男女で注目ポイントが違うようです。


男性は、


「秘密を守り、27歳でキャリアに終止符。はにかんだ笑顔、半歩さがる」

と、真美子さんのオオタニさんに立てる姿勢を絶賛です。


女性は、

「肌が白くて均一、色ムラがない。ナチュラルな眉毛は意志の強さ、健康的」

と、真美子さんの美容に注目が集まっていました。



私、46歳で未婚の独身者なので、ネットの男性の絶賛の声の理由がイマイチわかりませんが、とりあえず超一流のオオタニさんと四流のホシカワさんで比べて見ましょう。


まずは、男性視点から比べて見ましょう。


1 秘密を守り、27歳でキャリアに終止符 


オオタニさんは、日ハム時代、夜遊びに誘う先輩の誘いを、そんなことより、トレーニングか睡眠の時間に当てると断るほど、野球に集中しています。野球に集中するため雑音の元になる原因は作らないために真美子さんにキャリア最盛期に終止符を打ってもらってまで秘密を守ってもらった。

 

ホシカワさんは、遊びに誘われたら、書き物ホッポリ出して飛んで行く。トレーニングや睡眠、知った事か! 今が楽しければそれでいいんだ‼ 奥さんのキャリア? ビンボーだから仕事辞めてもらっちゃ困るよ。そうだ、USJでのデートの様子を友達にSNSで発信だ。



2 はにかんだ笑顔、半歩さがる


オオタニさんは、その野球に対する姿勢、誠実な人間性、人生哲学、どれをとっても尊敬できる。そりゃ、笑顔もこぼれます、一歩だって、二歩だって、ついて行きますどこまでもーーーー!


ホシカワさんは、書き物にたいするテキトーさ、不誠実な人間性、その場しのぎの行動原理、どれをとっても軽蔑できる。そりゃ、般若のような顔になります、一歩だって、二歩だって、前へ前へ自分が出にゃきゃ生活もままなりません。



……自分で、書いてて泣きたくなるぜ。それくらい、男性視点では、オオタニさんの前では女性は、無防備で居られるんですね。




次に、あくまでホシカワが想定する女性視点で見て見ましょう。


1肌が白くて均一、色ムラがない


肌の白さは七難隠すと申します。意味は、色白はいろいろ欠点あっても目立たないこと。つまり、これは、真美子さん上手くやりやがったぜ……と、オオタニさんを……、ゾゾゾゾッ! この先は言うまい。


2ナチュラルな眉毛は意志の強さ、健康的

今はおとなしそうに見せてるけど絶対、気が強いわ。健康的は、つまり、媚を売って取り入ったようなタイプではないから好感持てるわ。



こんな、女の本音恐ろしい。想定しなければよかったわ。女性は怖いわ。((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル



と、男性は真美子さんを比較的を都合よく夢見がちに捉え、女性は、本性を見抜いて上々の評価をしているのではないかと想像します。




皆さん、オオタニさんと一緒に公開された写真、真美子さんの写真見ましたか? お二人とも黒と白でカジュアルに装いを統一しされていました。 


オオタニさんは、キャップを後ろでかぶり、首にBeastSのヘッドホン、白のTシャツ、ナイキの黒のパーカーに、白のニューバランスのシューズ。


真美子さんは、黒のインナー(ユニクロか?)、黒のパーカー、ナイキの黒のジャージパンツ、白のニューバランスのシューズ。



しかも、オオタニさんは193cm、真美子さんは180cmのモデル以上のスタイルを誇る。



一応、ホシカワさんも比べて見ましょう。


ホシカワさんは、175cm(至ってフツー)ダイソーのニット帽をかぶり、ダイソーのブルートゥースイヤホンを付け、垢まみれのヨレヨレ丁シャツ、靴のヒラキのニューシューズ!


あかん、やっぱり、自分で書いてて落ち込んできた。。。


ホンマにベストカップルですよ。おめでとうございます。




ここまでならネットを調べれば簡単に出てくるかな。


それだと、面白くないから、ここから、ホシカワさんの独断と偏見情報をお送りします。


オオタニさんの公開した写真は、真美子さんと二人の写真ではなかった。


公開された写真に写っていたのは6人だ。


中央に、オオタニさんと真美子さん。


右手に、水原一平通訳と奥さん。


左手に、今年、オリックスバファローズからポスティングでメジャー挑戦した山本由伸投手とその通訳の園田芳大さん。



この写真すごくない?


中央に生活を共にする奥さん。


右手に、プレー以外の仕事まで円滑に支える通訳の水原さん。


左手に、自分の後輩になるチームメートとその通訳さん。



まさに、”チームオオタニさん!”

(え? 強引にまとめたなって、、、いや、まだつづきあるから)




そう、オオタニさんが公開した写真はチームオオタニさんだった。


オオタニさんがどこかで言っていた言葉がある。


「憧れるのをやめましょう」


これは、おそらく真美子さんが教えた言葉で、出所は、少年ジャンプで連載していた『黒子のバスケ』のキセキの世代のどんな技でもコピーできる能力の”黄瀬涼太”が、追いかけた憧れの青峰に負けた試合で発した言葉。


「憧れてしまえば超えられない。憧れるのは、もう……やめる」


から来ている。


オオタニさんが2023年の野球の世界大会WBCの決勝でアメリカとの試合前のロッカールームで侍ジャパンのメンバーにかけた言葉だ。


今年は、2024年、オオタニさんが真美子さんと出会ったのが3年前だと言うし、侍ジャパンをまとめたの真美子さんみたいなもんじゃん♡



そう、真美子さんは、バスケットボールのユニバーシアード代表になるほどの選手で、ポジションはセンター。黄瀬とポジションは違うが、『スラムダンク』で言うところの”ゴリ”桜木花道を導いたキャプテン赤木剛憲のポジションの選手。


センターは、チームで一番デカくて強いキャプテンシーが求められるポジション。


ネット男子の多くは、真美子さんのその外見にダマされてるが、実はゴリなんだ!


あかんあかん、最近のご時世は、こういうジョークアカンねん。


真美子さんは、バスケットボールの魂を持っている。


バスケットボールで一番に叩き込まれる精神は、「チームの結束力!」


つまり、オオタニさんが選んだ女性は、一番にチームの事を考えられる女性だ。



なんなん、オオタニさん、偶然、必然、どーやったらそんなに大事な人ばかり集めてチームを構成できるの?


いや、違うな、オオタニさんはその姿勢、人間性、人生哲学を貫いてるから、外れた人や物は、寄せつけないし、振り落とされる。


真美子さんは、さすが鍛え上げたトップアスリートだ。超一流のオオタニさんに並んで立てるのね。


グヌヌ、四流のホシカワさんとはえれー違いだ。



でも、1つだけ、オオタニさんやないけど、真美子さんと共通点見つけた。


『コジコジ』


好きやねんて♡




〈了〉

今日は、このあとがきに難航して更新遅れました。


応援してちょ♡

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