302時空を超えた対決! 関羽左近と月光の正体(カケルのターン)
岸川広家を蹴散らしたカケルは、円の外に岸川勢とお虎、菅沼大膳を残して、方円の陣を敷く明智秀満の陣へ飲み込まれた。陣の中央には、床几に座り軍配を奮う明智秀満と、その傍らに、白い頭巾をかぶった月光が侍る。
陣の中央へ進み出たカケルは、馬を下り徒士にて進み出た。カケルが一歩進み出るごとに、方円の囲みが一歩、また一歩と狭まってゆく、十間(およそ18m)まで進み出ると、カケルの背中に囲みの槍が突き出んばかりに狭まった。
カケルは、明智秀満を目視すると、腹の底から声を張り上げて、
「某は、はるか中国は漢の劉備三兄弟が次弟 関羽雲長が末裔、関羽左近と申す者。この大原の騒動の仲裁へ入られた明智殿にお願いがございます」
すると、明智秀満の軍師 月光が応じた。
「関羽左近とやら、あなたの願いはなんですか?」
”女の声?”カケルは月光の声に違和感を感じた。声こそ腹の底からの複式で低く抑えているが、月光の声には声色を作っているような感じがする。それでいて、どこかで聞き覚えのある感覚がある。
「我ら大原の民の願いは、岸川広家の七公三民の重税を他の荘園では当たり前の三公七民への減税。領主である岸川広家の退任です」
月光は頭巾の中で目を見開いて、左近の瞳の奥をのぞき込んだ。
(この関羽左近なる人物、二つとない瞳の輝きを持っているただものではない……)
月光は、カケルを試すように尋ねた。
「左近殿へお尋ねいたします。鎌倉幕府が成立したのは何年でしょうか」
カケルは応えた。
「1185作ろう鎌倉幕府だから、1185年!」
月光は、眉を寄せて、即座に切り返した。
「左近殿、お主今世のものではないな」
カケルは、月光のこの切り返しの意味が、今一つ分からなかった。
「今世?」
「左近殿、お主はおそらく未来を知ってる者のはずだ」
「どうしてそれを」
「左近殿、今世の世界には、まだ西暦は導入されてはいない。今世の者ならば鎌倉幕府の成立を知っていれば、文治元年と答えたはずだ」
カケルはピンときた。
「では、そのことが分かるあなたも今世の人間じゃないっていうこと?」
月光は、一瞬言葉に詰まったが、すぐに冷静さを取り戻した。
「左近殿、お主は私の正体に気づいているのか?」
「あなたは……」
カケルは、月光の頭巾を剥ぎ取ろうとしたが、その前に明智秀満が割って入った。
「月光、何をしている。この者は我が軍の客人だ。礼を失するな」
明智秀満は、カケルに向かって言った。
「左近殿、我が軍師の月光は、私の信頼する忠臣である。彼は私に歴史の真実を教えてくれた。私はその真実に従って行動している。私は天下統一の野望を持つ織田信長を倒すことができると信じている」
カケルは驚いた。
「織田信長を倒す?それはどういうことだ?」
明智秀満は笑った。
「左近殿、お主も未来から来た者ならば、織田信長がこの国を滅ぼすことを知っているだろう。彼は天下人と呼ばれるが、実際には暴君であり、民衆を苦しめる者である。彼はこの国の文化や伝統を破壊しようとしている。私はそれを許せない。私はこの国の平和と繁栄のために、義父 光秀とともに信長に反旗を翻すことを決意した。そのために必要なのが、月光が持ってきた未来の知識である」
カケルは呆然とした。
「未来の知識?それは何だ?」
明智秀満は言った。
「左近殿、お主も見てきただろう。我が軍には鉄砲や火薬や機械など、今世では見られないものがある。それらは全て月光が持ってきたものだ。月光は未来からタイムスリップしてきた人物である。彼は歴史学者であり、この時代に詳しい。彼は私に歴史の流れや信長の弱点や戦略を教えてくれた。彼のおかげで私は多くの戦闘に勝利し、勢力を拡大してきた。そしてついに信長と対決する時が来た。私は天下分け目の戦いと呼ばれる本能寺の変を起こすつもりだ」
カケルは悟った。
「本能寺の変……それは明智光秀が織田信長を裏切って暗殺する事件だ!」
明智秀満は頷いた。
「その通りだ。私は信長を裏切って暗殺する。そのためには、信長の動向を把握し、彼の不在を確認し、彼の警備を突破し、彼の居室に侵入し、彼に致命傷を与える必要がある。それらのことは全て月光が計画し、準備し、指示してくれる。私は月光に従うだけでいい」
カケルは怒った。
「そんなことをしてはいけない!信長は暴君ではない!彼はこの国の統一と改革を目指している!彼は文化や伝統を破壊するのではなく、新しいものを取り入れるのだ!彼は民衆を苦しめるのではなく、自由と平等を与えるのだ!彼は天下人であり、英雄であり、偉人である!」
明智秀満は冷笑した。
「左近殿、お主は信長に騙されている。信長は自分の野望のために何でもする者だ。彼は自分の敵や味方や家族や部下や民衆を平気で殺す者だ。彼は自分の権力と名声と快楽のためにこの国を荒らす者だ。彼は天下人ではなく、魔王であり、暗殺者であり、狂人である」
カケルは激しく否定した。
「そんなことはない!信長は正義の人だ!彼は殺す必要がある者だけを殺す者だ!彼はこの国を治める能力と責任と情熱を持つ者だ!彼は天下人であり、英雄であり、偉人である!」
明智秀満とカケルは互いに睨み合った。その間に月光は静かに頭巾を被り直した。
(この関羽左近……私が知っている左近と同じ人物か?もしそうならば……)
月光は思い出した。彼がタイムスリップする前の世界で、彼が読んだ本で、彼が知った歴史――。
左近という名前が登場したことがあった。
それは、天下分け目の大戦 「関ケ原の戦い」だった。
皆さん、こんばんは星川です。
先週は、「ゴジラー1・0」の同門の友人の感想を載せたので、確認のために慌てて観て来た私の感想回にいたます。
ネタバレ満載ですので、ネタバレ嫌いな人はここでブラウザバックしてください。
まず、私のゴジラの感想は、ゴジラに魂の突撃カマス神木君はすげーが、銀座を壊滅させたゴジラの熱光線の爆風を生き抜いた浜辺美波が実は最強の生物ではないか( ´∀` )
では、感想を始めてまいりましょう。
神木君とゴジラの因縁は、戦時中の離島で起こります。
特攻機の故障と偽って特攻隊を逃げた弱い心の神木君が整備士だけの離島にやってきます。そこをゴジラが襲います。ゴジラ立ち向かえる島の戦闘力は神木君と戦闘機だけですが、神木君は腰抜けですので、ゴジラ二発砲せず、結果、整備士の仲間をたくさん死なせます。
生き残った整備長は、神木君に呪いのような戦士者の写真の束を渡して終戦を迎えます。、
戦後の東京に戻った神木君は、闇市で、食い物を盗んだ子供を抱いた浜辺美波を助けます。優しい神木君の家に子供と浜辺美波は転がり込み疑似家族の関係になります。
疑似家族とはいえ、神木君は優しいから、家族を食わせるため、海の地雷撃ちの仕事を始めます。結構稼ぎが良くて、家族の生活は上向きまっす。
ですが、命懸けの仕事で、浜辺美波は、神木君にやめてほしい。ですが、神木君は、戦争の呪いで自分は浜辺美波と幸せな暮らしをしてはいけないような気持ちです。まさに呪い。だから、神木君は、浜辺美波の気持ちを拒否するんですね。
ならばと、浜辺美波は銀座へ働きに出て自立するといいだす。。ホントは一緒に居たいのに……。
浜辺美波が働きに行った日にゴジラが銀座を襲います。神木君は、浜辺美波を助けにいきますが、ゴジラが放った熱光線の爆風で、浜辺美波に守られる形で、生き別れとなる。
神木君は、廃墟になった銀座を探し回るが、生きているとは思えない。そこで、ゴジラへ復讐することをちかいます。
神木君は、ゴジラ討伐の大作戦に参加します。作戦は、ゴジラを水圧の上下の罠でやっつけるというものです。神木君の役割は、ゴジラを罠にはめるための囮です。
戦時中逃げ出した特攻機に再び乗るんですね。
そして、ゴジラが現れ、神木君が囮となって、ゴジラを罠にはめますが、ことごとくゴジラには通用しない。ゴジラは不死身なんです。
もう、人間はゴジラに抗うすべがないのかと、皆が諦めた時、神木君がゴジラの弱点の腹の中、ゴジラの口めがけて魂の特攻をします。
そうやって、ゴジラを倒します。
ほんで、神木君は戦争の亡霊であるゴジラを倒して、自分の弱さ、呪いを打ち破って、ハッピーエンドを向かえます。
まあ、あらすじはこんなもんです。
で、私の感想。大物役者は皆クドイが、あれは、津川雅彦がはじめた大役の大げさな見せ方のながれかと思います。友人と違って、私は、それほど違和感はおぼえまえんでした。
大役ではないですが、田中美央さんがめちゃよかった。脇役でめだちすぎてはいけません。ですが、目立たないようではだめです。いい意味で違いのある芝居で目立つ。
めっちゃ、よかったです。
映画の内容では、監督・脚本が、現在の映画界の一番当たりをとる監督 山崎貴監督です。現代の青年が、脅威に立ち向かい乗り越える話を、これでもか! と、VFX満載で描き出す。
そして、このゴジラは、前任の庵野秀明監督への残酷な天使のテーゼです。
エバのシンジ君と綾波が、使徒との戦うようにやったってまっす。
「庵野さん、おれなららこうすっぜ、」
みたいな、天才監督の作品を通じた対決、ゴジラ対ガメラをみるようです。
色んな意味で、面白い作品でした。
【少し先ですが、303話あたりから、左近のターンが長篠の戦へ動き始めます。山県のオジサンも動き始めます。自分で言うのもなんですが、おもろいですよ。こうご期待です】
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それでは、また、来週に。