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239ミッション1 熱田へ行った金蔵を追え! (左近のターン)

 リーゼルから 1武田家と通じて斯波家の復権を望む金蔵の企ての阻止と、2生まれてくる子供が春日局の命を救うという歴史改竄の阻止と、二つのミッションを与えられた左近は、まずは、金蔵が資金源にしている役河王の居る養老の庵を訪ねた。


「おや、嶋左近戻ったのだね?」


 出迎えたのは鬼面の後鬼だ。


「おお、後鬼殿、その節は世話になった。役河王殿は居られぬか?」


「ああ、河王と前鬼は、金庫番の金蔵がなんでも、尾張国の熱田湊にどうしても助けたい人間がいると言うことで、先ほど、たくさんの薬草を抱えて山を下りてったよ。だから、私は留守番さね」


 左近は慌てて、


「それはまずい。金蔵は河王様を利用して最後の商いをするつもりだ! 後鬼殿、二人はどちらへ向かった」


「船で揖斐川を下って、長良川にのり木曽川に出る川下りさね。それより左近、飯でも食っていかんか?」


 この鬼面の女はどこまでも優しい母親のようだ情が深いのだろう。


 左近は、それよりも金蔵の企みを防がなくてはならない。おそらく金蔵は熱田へ出て、一緒に同行させた娘達をそこで売り払って、一満貫を工面して、そのまま船で武田家の領内、駿河湊へ逃れる算段だろう。こうしては居られない。


「後鬼殿、すまんがワシは、河王様の金庫番金蔵を追って居る、晩飯の誘いだが、また別の日に伺うゆへ今日はここで失礼させてもらう」


 左近は、去ろうとした。


 グニュウ!


 行きかけた左近の腕が強い力で握られた。後鬼に腕を掴まれたのだ。


「後鬼殿、すまぬが腕を放してくれ、先を急がねばならぬのだ」


 腕を掴んだ後鬼は、首を振って言うことを聞かない。


「左近、河王にも災いが及ぶのではないか?」


「熱田湊で金を作り武田家へ亡命する金蔵にとって、もはや河王様は用済み、もしかするとそうなるかも知れぬ」


「それはいかん。私も左近、お前について行くぞ」


「後鬼殿が一緒ではその顔が・・・・・・目立ちすぎる」


 すると、後鬼は奥へ入って葛籠つづらから、おたふくの面を取りだしてきて、左近に見せた。


「これがある。私と前鬼は、顔が目立ちすぎるへ、これくらいの支度はあるものだ。これをつけて居れば問題なかろう」


「うむ、わかった。一緒に参ろう」



 左近と後鬼は、山肌を駆けるように下って、畝を下り、揖斐川の渡しへでた。一仕事終えたであろう船頭を見つけて声をかけた。


「すまぬが船頭殿、船を出して欲しい」


「何言ってんだい、ここの船頭は皆、さっき大量の物資を船に詰め込んで送り出したところだ。みんなクタクタでこれ以上は動けやしないよ。船を出すなら明日にしてくれ」


「急いで居るのだ。なんとか働いてくれぬか?」


「ダメだダメだ。俺たち力仕事の人間は、その日一日の稼ぎが出来たらそれ以上の働きはしねぇ。帰ってくれ」


 左近は、深く頭を下げて、


「そこをなんとか頼む」


 と、頼んだ。


「ダメだダメだ。また、明日な」


 と、船頭は話を終わらせて行こうとした。


 グニュウ!


 今まで黙ってやりとりを聞いていた後鬼が、船頭の腕を掴んだ。


 力自慢の船頭が、後鬼の腕を振り払って行こうとするが、後鬼の掴んだ手はしっかり握られてピクリとも動かない。


「船頭殿、お願いだ」


 と、後鬼が、船頭にだけめるようにおたふくの仮面を少し上げて見せた。


「ひぃ~や、養老の鬼だがや~」


 と、船頭は驚いて腰抜けに地べたにすわりこんでしまった。


 後鬼は、尚も低姿勢で、


「頼む」


「ひぃ~、おらの家には、かかあと幼い息子が五人もいるだ。なんでもするから命だけは助けてくれろ」


 後鬼は鬼面を隠して、


「よし、ならば、我らを船で熱田まで運んでくれるな」


「わかった。でも、そんな事をすれば、明日は仕事になんねえから給金をはずんでくだせぇ。そうじゃなきゃ家族も干上がっちまうだ。頼む」


 金の話をされると後鬼は弱い。


 後鬼は、金の話になると左近をみた。左近も、もちろん金がない。困った。こうなれば仕方ない。


「ワシは、稲葉家の律様の婿でな、渡辺勘兵衛と申す。今は金はないが、事が済んだら稲葉家の律様を訪ねてくれ」


「あんた浪人者かと思ったが、ここらじゃ評判の美人律様の婿であらしゃったか、稲葉様なら間違いねぇ。よし、体は疲れて居るが稲葉家の人間となれば断るわけにはいかねぇ。引き受けた」



 左近たちを乗せた船は揖斐川に乗り、長良川へ乗り、やがて、伊勢湾へ出た。夜になった。


「あの灯が焚かれた湊が熱田湊だね」


 熱田は、熱田神宮を中心に市場が開かれ、尾張国の漁業、物流を一手に握っている。夜には、女郎屋が開かれ夜がこない街だ。


 船が湊についた。


「オラの仕事はここまでだがね。帰りの船は勝手にここで拾ってからに」


 左近と後鬼を下ろした船頭は帰っていった。


 熱田湊に降り立った左近と後鬼は、灯りを頼って、夜の街に出た。


 昼間の仕事の疲れをいやそうと仲見世通りを歩く男達に、格子の向こうの女郎が客を取ろうと手を伸ばす。


(曽根の田舎娘達は、右も左も分からず攫われて、こんなところで身を売って生きることになるのか、哀れだ)




 つづく

皆さん、こんばんは星川です。

いや~、夏休み終わっちゃいましたね~、もっと、海とかプールとか行きたかったなんて思う今日この頃です。

皆さんは、夏休み楽しまれましたか?

おっさんの星川は、結構、忙しく活動いたしました。。。感想文の宿題終わらなかった。「何者」は読んだのよ。机に向かう時間がとれないの。だって、おっさんは何かと忙しいの、友達とカラオケ行ったり、ディナーに行ったり、ギターの練習したり、オンラインゲームしたり、昼寝したり、、、、、、。


ごめんなさい遊んで出来なかったの!


と、話しは変わって、昨日の夜同門の友人とカラオケに行ったんだけどそこで、現在のメディア分析の話しになって、小説の立ち位置を友人が相撲に例えて言った。

「横綱はアニメ、大関は漫画、関脇、小結は外して、前頭筆頭に映画、ドラマと続いて、前頭最後尾くらいに小説だ」って力説するの。


根拠は、アニメ、漫画は、世界へ進出出来る。映画、ドラマはかろうじて、現在の日本の小説で世界へ発信されてるのどれくらいある?

俺はブラピが主演する伊坂幸太郎しかしらんぞ!


確かにそうだ、なろう小説もヒットした作品はアニメ化する。出来ない作品はヒットすら難しい。

現在は、漫画化、アニメ化しないとヒットとは言えないのかも知れない。


今日は昨日、遅くまで歌ったのでこの辺で、昼寝します。


では、ブックマーク、ポイント高評価、感想、いいね よろしくお願いいたします。



それでは、また、来週に。

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