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231左近昇天す(左近のターン)

「あ~ん、あん、あんれやんだぁ~渡辺様、これが男女が乳繰り合うってものだべか」


 昨日、稲葉一鉄が左近を一門衆に引き入れようと、娘律をあてがった。


 左近は、田舎者の生娘律を手込めにした。


「よいだろう。ここか、ここがよいのか」


「うんだ。うんだ、そこが気持ちいい~、おら、こんなのはじめてだべだ。おら、渡辺様の女にされてよかっただ」


「律、ワシとお主が乳繰り合ったことは誰にも内緒だぞ」


「うだ、おらはこれで一人前の女になっただもの、心配ねぇ。おらは渡辺様に一生尽くしますだ。離さねぇでけろ」


 渡辺勘兵衛こと現代の高校生時生カケルと魂の入れ替わった嶋左近は、稲葉一鉄の娘律と乳繰り合っているというのは嘘で、世間知らずの田舎者の生娘律をだまして、肩、腰、桃をマッサージしておいて、それを男女の睦み事としてだましているのだ。


 こうしておけば人のよい律のこと、ポロッと他の者に喋ったところで、左近と男女の交わりを結んだと言い張るだろう。こうしておけば、切れ者の稲葉一鉄が越前出陣までの時間を稼げるだろう。


 律は、男女の交わり(マッサージ)を終えると、コロンと左近の隣に眠った。


 左近は、しばらく一緒に眠るフリをしておいて、律が寝息を立てるのを見計らって布団を出た。


 稲葉一鉄の屋敷の庭に出た左近は、月を眺めて少し物思いに呟いた。


「月代は無事だろうか……」


 左近は理由こそわからないが、現代の高校生時生カケルと魂が入れ替わった。カケルは、嶋左近として武田家山県昌景の元にいる。自分は入れ替わりに現代にいた。


 現代では、高校生として学校へ通い、カケルの幼なじみで、左近の妻、月代とうり二つの同姓同名の北庵月代と共に、戦国時代へタイムリープしてきたのだ。


 その時、地元奈良椿井町は、松永久秀が勢力をほこり、その戦に巻き込まれ、方々のていで逃れ、明智光秀の坂本まで落ち延びた。


 しかし、明智光秀は、松永久秀とつながりがあるらしく、月代を人質にとられ、左近は、渡辺勘兵衛として、明智家へ奉公することになった。


 左近は、明智家でも特に問題の家老斎藤利三に仕えている。若い左近は、織田信長の計らいで、京都所司代村井貞勝のもとに、吏僚として、柴田家の柴田勝定、丹羽家の江口正吉、羽柴家の石田三成、自身は明智家の代表として共に働き絆もできた。


 それから、ひょんな事から伊勢長島一向一揆戦に出陣し、林通政の後見として働き、これまたひょんな事から現在は、稲葉一鉄の世話になっているのだ。


 左近の本来の目的は、明智光秀に捕らわれている月代を取り戻すこと、それが紆余曲折あって現在に至っている。

(このままでは月代を助けるどころか、稲葉一鉄の娘律を宛がわれて、稲葉家の人間になりかねないのではないか……)



 ジッ……ジッ……ジッ……。


 そう思っていると、左近の視界が歪んだ。


 庭の壁に歪んだ穴が開いて、見覚えのある娘が出てきた。


「お主は、リーゼルではないか!」


 リーゼル、現代と戦国をつなぐ人物だ。


「よかった左近、ようやく現代とこの時代がつながった」


「リーゼル殿よくぞここまで!」


「現代と戦国を結ぶ時空間を作るには相当なエネルギーを必要とするの充電に時間がかかっていたけど、左近とカケルの行動はコンピューターでずっと追跡していたの、なにより無事でよかった」


「して、リーゼル殿どうしてここへ?」


「父に敵対する組織が動き出した。それでちょっと強引だったんだけど、町が停電になるくらい電力を拝借して飛んできたの」


「敵対する組織とはなんだ?」


「組織の名は”Z”現在、ウクライナを侵攻したロシアを裏で操っている組織」


「”Z”」


「まだ組織の名前がわかっただけで、詳しいつながりはわからないんだけど、現代のロシアを動かして、人類を第三次世界大戦へ向かわせるために動いている」


「うむ、第二次世界大戦は学生生活で勉強したが、あのようにマンションやビルとか申す城が乱立する時代に戦などを望む者が居るとは思えない」


「それが現代でも実際に戦争が起こっちゃったのよ」


「わからん。あれほど衣食住満たされ領土も安定しておるのに、何を争って戦うのだ」


「う~ん、権力者の保身だろうね」


「保身?」


「現代は資本主義社会と共産主義社会があって、資本主義は大企業が金の力で支配するシステムで、共産主義は独裁者が自分を中心に国の仕組みを作るシステムなんだ」


「ということは、共産主義というのは戦国大名と同じような物なのだな」


「だいたいそうね」


「それがどうしてワシの生きる戦国時代とつながるのだ」


「それはねAI の進化、シンギュラリティが近づいているからなんだ」


「シンギュラリティ?」


「シンギュラリティって言うのはね、技術的特異点っていってね、左近も使ったコンピューター、人工知能が人類の知能を超えてしまう段階に来たって事なんだ」


「そんなパソコンの暴走など、斧かなにかでたたき壊せばよいではないか」


 リーゼルは呆れたように、


「はぁ、一台のコンピューターを壊したぐらいじゃもう済まない話しなんだな現代は、AIは農作業にはじまり、電気、ガス、水道、すべての交通、流通、生活の隅々まで支配してるの。左近の言うようにAIをホントに壊してしまったらたくさんの餓死者が出ちゃう。現代が、左近の生きる戦国みたいになっちゃうよ」


 コトッ!


「誰か来た、とりあえず私は、一端身を隠す。左近、昼にまた会おうね」


「うむ」


「あんれ、オラの尾婿様ここにいただか、おら勘兵衛様と乳繰り合ってホントに天国にも昇るほど気持ちよくって寝てしまっただ。ほら、勘兵衛様、今度は、あなたの番だで、今度は私が天国に連れて行ってあげるでよぉ」


 と、律は、左近の手を引いて、障子をピシャリと閉めた。




 つづく







皆さん、こんばんは星川です。

金曜日大事件が起きましたね。天下の大宰相が銃弾に倒れた。

あのニュースにはホントに驚きました。あんなに権力の中枢に居た人がなくなった翌日には、日本は通常運転。

重要人物だと思っていた人が居なくなっても社会って結構通常運転なんですね。

まあ、この話は、暗くなるから置いといて。


私、この後書き書いてる現在、腰痛で苦しんで居るんです。

トイレへ入っても前屈みになれずお尻を拭くのが苦痛で、連載サボっちゃおうとの誘惑に駆られました。


あの連載おサボりの「HUNTER×HUNTER」の作者冨樫義博さんも、座ってられないような腰痛に苦しんでいたらしいですね。お尻を拭けず、そのまま浴室へ移動してシャワーをで全身ごと洗っていたとか、、、その体は一体誰が拭くんでしょうね?

奥様かしら? 介護のヘルパーさんかしら?


私、人間的に変人だから、そんなところを疑問に思っちゃいます。



では、皆様、ブックマーク、ポイント高評価、感想、いいね よろしくお願いいたします。

少し前に、また、一人、また一人と、応援くださる方が増えていて、、腰痛を我慢して、おサボりせずにすみました。



それでは、皆様、また、来週に。

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