また忘れてた、でも後回し!
少し長くなってしまいました。
《わーい、主人とあそぶのたのしー!》
「ラフィーとならいくらでも遊んでやるぞ!」
《やったー!》
「アッハハハハハハ!……ハァ。」
俺…何やってんだろ。
結局のあの後、ラフィーの可愛さに負けて一緒に遊んでしまった。(現実逃避感もあるが)
そして、ラフィーが満足してひと段落ついたところで我に帰ったということだ。
「結局どれぐらい遊んでたんだ?」
水晶で確認してみないと。
俺は、水晶を引き寄せてきとうに触る。
そこからダンジョンの解放までの時間を見てみると、〜残り・1;18;37〜
かれこれ、一時間半以上ラフィーと遊んでたのか。
楽しいとやっぱ時間って過ぎるのが早いね!
……そんな現実逃避をしてる場合ではないですよね。
「命狙われてるんだもんな…」
《主人はラフィーがまもる〜!》
「…おう!ありがとうな。元気出てきた!」
せっかくの自分の好き勝手にできる空間があるんだ、ここで死んでたまるかって話だ。
「まずは死なないためには何がある…?」
1、自分自身が強くなる
「却下、一時間でどうしろと?」
2、誰かが奇跡的に助けに来てくれる
「却下、どんな確率だよ」
3、現実は非情なり
「いや、諦めたらダメだろ、俺。」
まだ、何かないのだろうか?
何か見落としていることは…あぁ!
「しまったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
《主人!?どうしたの?!!》
「コーラ、温くなっちまったぁぁぁぁぁぁ!」
あぁ、絶望だ…
冷えてないコーラなんて、ただの甘いジュースだよ…
俺の…俺の150DPが…
「亡くなった…(誤字ではない)」
《主人、ぬるかったらダメなの?》
「…うん、そうなんだ。これは冷えてるから美味しいのであって、そうでないのは美味しいさ半減以上だよ。」
《ならひやせばいー》
「そう簡単に言ってもな…?どうやって冷やすんだよ?」
《んっとねー、ラフィーのからだのなかでー》
そう言って、温くなった甘いジュースがスライムの体に飲み込まれていく。
「あぁ…!」
いくら、温くなったとはいえコーラ。
もし飲めなかったら、俺は三分は寝込む自信がある。
《できたー!》
「思ったより早かったな」
こんな馬鹿な想像をしている間に終わるなんて、なんて素晴らしいんだ。
逆に速すぎてしっかり冷やすの意味がわかってるといいんだけど…
ニュイ
ラフィーの体の中から白い煙のようなものが出てくる。
「これはっ!冷たい!」
そう、白い煙は冷たかった。つまり——
「冷えたコーラが…キンキンに冷えているコーラが飲めるのか…?」
《主人つめたくしたー。》
俺は、思わず喉を鳴らす。
限界まで冷えたコーラが喉を通り抜け、五臓六腑の染み渡るあの感じ、想像しただけで——
「限界だ!」
ゴキュ、ゴキュ、ゴキュ
しばらくの間、いやそれはごくわずかな時間だったかもしれない、しかし俺にはその瞬間コーラが俺の喉を通る音に、世界が支配されているように感じた。
「…ックゥゥゥァァアア!うまい!!」
やはりコーラはこうでなくては、コーラでは無い!
《ラフィーえらい?なら、いいこいいこして?》
いい子いい子?…スライムの頭って普通に上側なんだろうか?
《…だめ?》
そんな可愛い声で、泣きそうになられたら——
「もちろんいいよ〜!むしろ俺が感謝したいぐらいだよ〜!」
——撫でられずにはいられない!あぁ、もう可愛い!カワイスギィ!
〜数十分後〜
「満足した?」
《まんぞくしたー!》
「そうか、それは良かった。」
いやー、俺も満足!
やっぱ可愛いわー
「…ん?」
視界の端に水晶が映る
あれ…?残り、何分だ…?
俺は恐る恐る水晶を触り、残り時間を確認する。
〜残り・0;36;23〜
「あー、うん、もうなんか慣れたわ…」
やっぱ、時間圧倒的に無くなってたわ、いや、慣れちゃいけないんですけどね?
さて、本格的にまずいぞ?
このままじゃ、なぁんの準備もできてないのにダンジョンの開放をしないといけなくなる。
どうしたものだろうか…
……そういえばラフィーってコーラ冷やせたよな?
じゃあ、あと何か他のこともできるんじゃね?
「なぁ、ラフィー?お前って何ができるの?」
《んー?んっとねー、いろいろ!》
「そうか、いろいろか…」
ちょっとちゃんと説明してくれないと困るんですが?
「困った時の水晶ターイム!」
何か、いい方法はないだろうか?
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[名ずけ]の後の管理方法
名ずけをしたモンスターに関しては、主人のステータスから見ることができます。
ここでは、名ずけられたモンスターのできる技や、5属性に対する耐性と、弱点を確認することができるようになってます。
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「…なん?…それ?」
なんか、分からん単語が多いんやけど、どういうことやろか?
まず、ステータスって何?
いや、ゲーム基準なら能力値ってのはわかるんやけども、ここ一応現実やを?
なんで、ステータスが出てくんの?
あと、5属性って何?
じゃあ、3属性やったらどうなるん?
「……焦りすぎてエセ関西弁になるな…関西の人に怒られるからそうならんように、気を付けとんのになぁ。てか、分からん単語多すぎ、これ、ほんとはチュートリアルにないといけないんじゃないのか?」
まぁ、今更愚痴ってもしゃあないし、また水晶で調べていくか。
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ステータスとは
ステータスとは、そのものが持っているの能力値です。
生物であれば、必ず持っており、ある種のドーピングといっても過言ではない。
なぜなら、ステータスとはその生物の元の能力に上乗せされる能力であるからだ。
しかし、ドーピングといっても副作用なんてものは無く、逆にあればあるほど普段の生活が楽になるだろう
ステータスに5属性のどれかの耐性がつけば、それに対して強くなり、能力値が上がれば上がった分だけ強くなれるものである。
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「疲れてキタァ…」
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5属性とは
火・水・土・風・木の五つに分かれている魔法属性のことである。
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「短ッ」
読むの疲れないから良かったんだけどね。
『残り30分です。そろそろ最終チェックを済ませてください。』
「ガッデム!シット!」
時間がねぇぇ!
「えぇと、ステータス?、はわかっt——」
そこまでいって、俺の目の前に液晶画面のような、ガラスのようなパネルが出てきた。
「これは…ステータス、でいいのか?」
ここに俺の能力が書いてあるんだな?
見てみたいのは、山々だけど今は一縷の望みにかけてラフィーの能力を見ないと…
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ラフィー;L v、1;女?(0)
ATK;5
DEF;∞
INT;200
MND;1,000
AGI;10
[スキル]
全属性魔法(1)、物理攻撃無効(—)、分裂(—)、再生(3)、同化(1)
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「基準値わからんけどまぁいっか。」
物理ダメージ無効っぽいし。
なんかいろいろわかってないけどまぁいいや。
とにかく守れることがわかっただけで十分だ!
「ラフィー!お前の体で、入り口を塞いでもらえるか?」
《はーい!》
これでよし、ラフィーが本当に塞いでるかわかんないけど。
多分大丈夫でしょ。
「あぁ、あと同化?ってスキルで周りの色と同じにできる?」
《できるー》
「じゃあそれもお願いできるか?」
《わかったー》
よし!これで当分は問題ないだろ。
「さぁ、あとは待つだけだ。」
〜残り0;13;28〜
《ところで主人、これなにー?》
「ん?…あ。」
しまった…ポテチも忘れてた。
んー、今更だしダンジョンオープン記念で食べればいっか。
読んでいただきありがとうございました。