旅立ち
西暦2182年、人類は地球を旅立った。
人類は誕生以来様々なものを発明し、繁殖し、地球で繁栄した。繁栄がが続くにつれ、人口も増加していった。しかし各国の時の政府は有効な手段を考えることができなかった。そもそも政府は有効な手段を考えることよりも先に人類を宇宙に逃がす方を優先して考えた。もちろん、少人数の人類が、である。そして各国それぞれの宇宙船「earth」がつくられた。日本のearthは「J_earth」と呼ばれ、中の半分は家や学校、電車まで備えられており、宇宙船と宇宙を遮る外壁と艦の半分を占める艦運営部棟さえ無視すれば、都市がそのまま入っていると言っても過言ではなかった。それほどの科学力があった。ただ、J_earthに収容できるのはたったの8万人であり、その中の5千人は艦運営部だった。
そして、2180年から、J_earthに乗る者の選考が行われた。当然、大衆には知らされなかった。どのように選んだのかというと、行われたのは、科学者や資産家、政治家の家族をを丸ごと乗せるというものだった。
また、選ばれた家族の20歳未満の者たちには、それぞれに適合する様々な能力が授けられた。というのも偶然2170年前後に発見された突然変異ウイルスを体に打ち込むというものであり、宇宙での予測不能な事態に立ち向かうためだった。子供を持つ親は自分の家を守るために打たせたかったのも事実だろう。なぜ子供だけだったのか、というのは20歳を超えた者には負荷が大きすぎたためである。そうして日本の地球脱出プログラムは順調に進められていった。
だが、次々と選ばれし家族がリストアップされていく中で、一つの異質な家庭、いや、人間が紛れ込んだ。17歳の神谷光世である。他の者はと違い、親に幼い時に捨てられたこと以外は特出することのないような人間である。
そして、日本の地球脱出プログラムは光世が紛れ込んだこと以外は完璧に遂行され、2182年、地球を旅立つことに成功した。
この物語はJ_earthでの現代貴族と神谷光世の人類存続をかけた物語である。




